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【出張篇】料理家・冷水希三子さん宅へ出張!パンチのある料理にも負けない「長陽福娘 山廃特別純米 山田錦」~『伊藤家の晩酌』第二十七夜3本目~

Hanako.tokyo / 2021年11月7日 17時50分

【出張篇】料理家・冷水希三子さん宅へ出張!パンチのある料理にも負けない「長陽福娘 山廃特別純米 山田錦」~『伊藤家の晩酌』第二十七夜3本目~

弱冠24歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?今回も伊藤家を飛び出し、出張篇を全3回でお届け。料理家の冷水希三子さんのお宅にお邪魔し、ワインに合う洋風な料理を作っていただきました。第二十七夜の3本目は、濃厚なバターソースにも合う福島のお酒。

3品目は、こんがり焼いた鯖に酸味のあるソースを合わせた「鯖のトマトバターソース」。



父・徹也(以下、テツヤ)「こりゃ、いい鯖だねぇ。立派!」


冷水希三子(以下、冷水)「これはどうだろう?イメージ通りかな?」


娘・ひいな(以下、ひいな)「正直に言っていいですか?まだわからないです(笑)」


テツヤ「自信なさげだね(笑)」


テツヤ&ひいな「うわ〜おいしそう〜!」


ひいな「焼き目がほんとに美しい。バターのいい香り!予想とは違ったけど合うと思います!」


冷水「お!」


テツヤ「お!」

鯖に塩をしてしばらく置き、バターとオリーブオイルを使ってフライパンでこんがりと焼き目がつくまで焼く。時々油をまわしかける。

小鍋にバター、プチトマト、玉ネギ、ケイパー、レモン汁を加えてトマトバターソースを作り、焼いた鯖にたっぷりとかける。

レモンの酸味の効いた濃厚なソースに、香ばしい鯖が最高の組み合わせ。



冷水「はい、鯖のトマトバターソースです」


ひいな「もう絶対おいしい!」


テツヤ「バターソースなんておいしいに決まってるよね。鯖も好きなんだよな」


ひいな「おいしいよねぇ。トマトバターソースってお聞きしてたんですけど、どんなソースなのか想像がつかなくて」


テツヤ「あぁ、確かに。これはいわゆるトマトソースって感じじゃないもんな」


ひいな「トマトが崩れたような、もっとトマトをベースにした感じかと思ってたんですけど」


冷水「うんうん」


ひいな「想像してたのとは少し違ってたんですけど(笑)、でも今回は合うと思います!」


冷水「よかった!」


テツヤ「期待しよう!」

冷水さんに取り分けていただいて…。

さぁ、みんなでいただきます!



ひいな&テツヤ「いただきます!」


冷水「どうぞ!」


ひいな「身がやわらかい!!!」


テツヤ「身がぷっくりとして、本当に立派なサバだねぇ。これは本当にうまい!」


ひいな「おいしすぎる…」


テツヤ「もう何もいらん!」


冷水「お酒は…(笑)?」


ひいな「もうね、これは絶対お酒に合うと思う!」


冷水「お酒飲もう?鯖がなくなっちゃいそうだから(笑)」


ひいな「はい。もう飲みましょう!」


テツヤ「早く早く!」

「鯖のトマトバターソース」に合わせるのは「長陽福娘 山廃特別純米 山田錦」

山口県萩市にある岩崎酒造。萩産の山田錦と地元阿武川の水を使った山廃仕込み。旨みと酸が料理を引き立てる。「長陽福娘 山廃特別純米 山田錦」720ml 1,485円(ひいな購入時価格)/岩崎酒造株式会社



ひいな「このお酒が3本の中で一番渋いです」


テツヤ「山廃か!」


ひいな「『長陽福娘(ちょうようふくむすめ)』っていうお酒です!」


冷水「日本酒らしい名前だね」


テツヤ「この空間で存在感あるね。和と洋の融合だね!」


ひいな「では、注ぎますね」


一同「いただきます!」

早く飲みたくて、日本酒が待ちきれない3人。

いただきます!!

鯖に合うほどよい酸味がいい感じ。



テツヤ「おぉ。ぜんぜん違う!山廃だもんね」


ひいな「ケイパーとの相性がいいんじゃないかと思ってるんですけど、どうですか?」


テツヤ「うん、これはいいね」


冷水「うん、合う合う!」


ひいな「よかった〜!トマトとケイパーの酸味が合うと思います」


冷水「うんうん。バターにも合うね。料理と日本酒を一緒に食べて飲むほうがいいね。両方がおいしくなる」


テツヤ「いいね、いいね」


ひいな「このお酒は酸度が普通の日本酒よりもやや高めなんだけど、濃いめでも淡白な味でも何でもいけるって蔵は言ってて」


冷水「バターと鯖もOKだもんね」


テツヤ「濃いめの味つけでもバッチリ合ってるもんな。鯖とトマトとケイパー以外何が入ってるの?」


冷水「ソースにちょっとだけ玉ネギが入ってる」


テツヤ「そうか。それもいい味だしてるんだね」


冷水「あとはレモンが結構たっぷり入ってるかな」


テツヤ「うん、この酸味、すごく合うよ」


ひいな「この蔵は山口県の萩にあって。お米は山田錦を使ってるんだけど萩で作られたものなんだって。『長陽福娘』っていう名前の由来は明治34年の創業当時の蔵元の岩崎さんに女の子が次々と誕生して、すくすく育ってほしいということで名づけられました」


冷水「なるほど」


ひいな「萩の昔の呼び名の長陽に『重陽の節供』の重陽にもかけてるんだって」


テツヤ「福娘って縁起がいいねぇ。親心だねぇ」


ひいな「阿武川の中軟水を使ってるそうなんだけど、やわらかくてまろやかな飲み心地のこのお酒の優しい味わいを作り出す一因になってる。そのお水がおもしろくてね。蔵で水を磨くんだって」


冷水「水を磨くってどういうこと?」


テツヤ「水の大吟醸か?」


ひいな「水を濾過して紫外線で殺菌をしてるらしい」


冷水「へぇ、すごいね」


ひいな「鉄分とか有機物って発酵する時の妨げになるから、あらかじめ水をきれいな状態にしておくらしくて。それはなかなか珍しいかもしれない」


テツヤ「へぇ。そういう蔵はあんまりないんだな。日本酒の世界って奥深いねぇ」


ひいな「蔵ごとに、それぞれこだわりがあるよねぇ」


冷水「蔵でお米を育てたりもしてるんでしょう?」


ひいな「そうです。自社田を持ってところもありますし」


冷水「きっと自分たちで作りたくなるんよね」


ひいな「そうですね。水もお米もこだわりたいんでしょうね。昔はお酒を仕込む冬の時期だけ蔵人を雇っていたんですだけど、夏場も雇うためには田んぼから手がけるっていう蔵も増えてますね」


冷水「なるほど。そのほうがいいよね」


テツヤ「昔の漫画とかにもさ、夏が終わって杜氏さんが蔵にやってくるっていうシーンがあるもんな」


ひいな「何の漫画?」


テツヤ「『夏子の酒』」


ひいな「へぇ」

あっという間に鯖を平らげた父・テツヤ。骨で余韻を味わいます(笑)。



冷水「ひいなちゃん、鯖とこのお酒、すごく合ってた!」


テツヤ「これ、めちゃくちゃメインだね。主役だよ!」


冷水「うん、メインだよね!」


ひいな「2本目に飲んだ『卯酒』と合わせてみますか?」


冷水「あ、鯖がなくなっちゃった?」


テツヤ「大丈夫。骨をしゃぶるよ(笑)」


冷水「(笑)」


テツヤ「まだ口の中に鯖の余韻があるから大丈夫」


一同「いいただきます!」


ひいな「鯖と『卯酒』すごく合いますね」


一同「うん。そうだね。鯖に合ってる」


冷水「うんうん。こっちのほうが合ってるね」

「ワインと日本酒の境目がない」という冷水さんの日本酒のつきあい方。



ひいな「冷水さんが最初に飲んだことのある日本酒ってどんな思い出ですか?あんまりいい印象がなかったりします?」


冷水「日本酒か。いつ飲んだんだろう?」


テツヤ「冷ちゃん世代もね、そんないい印象ないよね?」


冷水「たぶん、最初はあんまりいい思い出ないよね」


テツヤ「そうそう。酔うための酒みたいなさ」


ひいな「どういう時に日本酒を飲まれます?」


冷水「和食と合わせてかな。家ではほぼ飲まなくて。和食屋さん行ったり、お寿司屋さんに行ったら必ず飲むよ。ワインを置いてるところもあるけど、そういう時は日本酒」


テツヤ「へぇ。ワインじゃなく」


冷水「うん。途中で味を変えたい時にワイン飲んだりとか。私の中では今、ワインと日本酒の境目がなくて」


テツヤ「あぁ〜」



冷水「日本酒とワイン、交互に飲んでも大丈夫」


テツヤ「なるほどね」


ひいな「一番いい日本酒とのつきあい方をされてますね」


テツヤ「そうだね」


ひいな「そうなってほしいよね」


テツヤ「そうやってさ、ワインと日本酒、行ったり来たりできたらいいよね」


冷水「ワインもずっと飲んでるとね、他のが飲みたくなる」


テツヤ「そうそう。気分転換に違うお酒を飲みたくなるよね。1本目に飲んだ『東鶴』もワインみたいだいだったもんね」


ひいな「うん。今は日本酒もいろいろあるから」


テツヤ「バターソースとかフリカッセとかフレンチとも日本酒を合わせられるっていうことがわかったよね。本当にうまかったなぁ。こんなの食べられるレストランがあったら即予約しちゃうよね!」


冷水「ほんと?やったね!」



テツヤ「冷ちゃんの料理の中でこれくらい濃い味つけってめずらしくない?」


冷水「そう。これは結構ね、ガツンと」


テツヤ「そうだよね。それはやっぱりお酒に合わせた感じなんだ」


冷水「うん。今回はひいなちゃんが日本酒を選びやすいようにと思って。味が想像できるようにと思ってメニューを選んだんだけど、フェンネルは難しかったね」


テツヤ「ひっかけ問題があったね(笑)」


ひいな「(笑)。フェンネル、サラダってちゃんと調べてればよかったです」


テツヤ「確かにあのフェンネルの根っこは見たことなかったし、勉強になったね」


冷水「今回は和食と合わせてるわけじゃなくて、冒険してるんだから」


テツヤ「そうそう。普段合わせたことのない料理との組み合わせがおもしろいわけだから」


ひいな「今回も本当においしかったです」


テツヤ「冷ちゃん、どうもありがとう。これからも冷ちゃんの撮影の時は、夜が遅くなると思っていただいて…」


ひいな「了解です(笑)」

冷水希三子
ひやみず・きみこ/奈良県生まれ。レストランやカフェ勤務を経て、フードコーディネーターとして独立。旬の食材を生かした料理が人気。現在は料理にまつわるコーディネート、スタイリング、レシピ製作を中心に書籍、雑誌、広告など活躍の場を広げる。公式HPはこちら

【ひいなのつぶやき】
冷水さんの食材選びや味のメリハリのつけ方に、とても感動した出張篇でした。そして日本酒の可能性をより感じました!
ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中

photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita

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