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【日本酒】純米大吟醸を禁断の熱燗に…。「東洋美人 純米大吟醸 Asian Beauty」~『伊藤家の晩酌』第二十八夜2本目~

Hanako.tokyo / 2021年12月19日 17時50分

【日本酒】純米大吟醸を禁断の熱燗に…。「東洋美人 純米大吟醸 Asian Beauty」~『伊藤家の晩酌』第二十八夜2本目~

弱冠24歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?今回は、寒い季節に飲みたくなる燗酒にぴったりな日本酒をご紹介。第二十八夜の2本目は、リーズナブルで飲みやすい山口のお酒。

今宵2本目は、香り華やか&フルーティで上品な甘みの「東洋美人 純米大吟醸 ASIAN BEAUTY」。

山口県萩市にある「澄川酒造場」は、2021年で創業100周年を迎えた。山口県産の山田錦を使い「王道の酒造り」にこだわる。日本酒を飲んだことのない人にも飲んでもらえるよう「0杯から1杯へ」を目標においしさと親しみやすさを追求。リーズナブルな価格で純米大吟醸が楽しめる1本。

「東洋美人 純米大吟醸 ASIAN BEAUTY」750ml 1,375円(ひいな購入時価格)/株式会社澄川酒造場



娘・ひいな(以下、ひいな)「熱燗特集2本目です!」


父・徹也(以下、テツヤ)「ウェ〜イ。もうすでに4本くらい飲んだ気になってるんだけど(笑)。熱燗は酔いが回るねぇ」


ひいな「ね(笑)。今回紹介する『東洋美人』は、大学生の時にハマってよく飲んでたお酒で。渋谷の東急百貨店の地下に酒屋さんがあったんだけど、あそこで買って、よく路上で飲んでたの」


テツヤ「路上なんだ(笑)。聞いてないな」


ひいな「一合瓶を2人で1つずつ買って飲んだりしてね」


テツヤ「おぉ、青春だねぇ。思い出の酒だねぇ」



ひいな「そんな『東洋美人』を熱燗で飲んでみたいと思います!」


テツヤ「熱燗が合うんだ?」


ひいな「実は今回、やってみたいことがあって…」


テツヤ「なになに?」


ひいな「純米大吟醸をとびきり燗にしてみたい!っていう野望があって」


テツヤ「そりゃ実験だ!」


ひいな「そう。実験をしてみたくて」


テツヤ「確かに家でしかできないことだもんな」


ひいな「まずはそのままで飲んでみよう。『東洋美人 純米大吟醸 ASIAN BEAUTY』です!」


テツヤ「わぁ〜!知らなかったよ『東洋美人』」


ひいな「山口県萩のお酒です!」


テツヤ「へぇ」


ひいな「このお酒はね、テンション高いんだ、ほんとに」


テツヤ「華やかなんだな?」


ひいな「そうそう。純米大吟醸らしいお酒だよ」


テツヤ&ひいな「いただきます!」

まずは常温でいただきます!

純米大吟醸らしく、香りにバナナ香が。



テツヤ「え?華やかだけど、意外と地味じゃない?」


ひいな「そう?確かに振り切る感じはないかもね。いわゆるバナナ香を感じてもらえるかと」


テツヤ「確かにフルーティ」


ひいな「甘ったるくはないけど、テンション高めではある」


テツヤ「うん。高めではあるね」


ひいな「じゃ、さっそく燗をつけてみるね。今まではサーモスにお湯を入れて熱燗にしてたじゃない?」


テツヤ「そうそう」


ひいな「サーモスだと50度くらいしか上がらないから、今回はそれ以上あげたいので……」


テツヤ「やかんのたっぷりのお湯であっためるんだな!」


ひいな「そう。たっぷりのお湯で燗にします!」


テツヤ「とびきり燗って何度まで温めるの?」


ひいな「55度以上かな」


テツヤ「どんな味になるのか楽しみだなぁ。熱燗にしたらどう変化するんだろうね。このままで十分おいしいからさ」


ひいな「これは完全にやってみたかったことを今回やってみるだけだから」


テツヤ「合わなくてもいいんだな」


ひいな「そう。まずは試してみないとね!」

60度まで上げちゃいました!



テツヤ「60度までいった!」


ひいな「いいね。そろそろ飲もうか」


ひいな&テツヤ「乾杯〜」

熱々のとびきり燗でいただきます。

2回目のいただきます!

温めたことで香りも味も変化。



テツヤ「なんかおもしろい匂いがするね。あ、おいしい!」


ひいな「おいしいでしょう?」


テツヤ「常温より華やかになったけど、うわついた華やかさじゃないっていうか。さっきより飲みやすくなったね」


ひいな「すごい勝手なイメージだけどさ、東洋美人感あるよね」


テツヤ「うんうん。酸味もちゃんと残ってるしおいしいよ。純米大吟醸の熱燗ってこうなんだ!っていう感じ」


ひいな「純米吟醸、純米大吟醸レベルになると、『お燗につけてください』って言っても断るお店があるくらいなのね」


テツヤ「そうそう。なんかやっちゃいけない感じっていうか、タブーな感じあるよね」


ひいな「生酒と純米大吟醸の熱燗はタブーなイメージがある」


テツヤ「やったことないだけなんじゃないかなぁ」


ひいな「うんうん。それもあるよね」


テツヤ「もっと柔軟においしいものを追求したいよね。お酒なんだからさ」

「東洋美人 純米大吟醸 ASIAN BEAUTY」に合わせるのは「牛肉の西京漬焼き」。



ひいな「今回、思いついたアテが2つあって。そのうちの一つは口のなかがパサパサしそうだからやめて、もう一つにしてみたよ」


テツヤ「その却下したほうが気になるんだけど」


ひいな「フィナンシェ」


テツヤ「え?何?」


ひいな「マドレーヌみたいな」


テツヤ「おぉ〜。甘いものと合わせるのね」


ひいな「それもいいかなって」


テツヤ「あぁ、でもわかるわかる。この甘みに合うと思う」


ひいな「でも口のなかの水分奪われて、水飲みたくなりそうだなと思って和食にしました」


テツヤ「急に変わったね(笑)」


ひいな「牛肉の西京漬焼きです!」


テツヤ「なんか想像してたのと違った!うまそ〜!フィナンシェからこっちへ大きく振ったねぇ」


ひいな「白味噌と純米酒をたっぷり入れて、みりんとお砂糖で味付けしてみたよ」


テツヤ「『東洋美人』に漬けたの?」


ひいな「今回は違うお酒で漬けました。でも良いお酒だよ(笑)」


テツヤ「ぜいたくだなぁ」


ひいな「いろいろレシピがあるんだけど、今回はお酒を使って風味を合わせてみようかと。味は濃いめにしましたので、白髪ねぎと合わせてお召し上がりください」


テツヤ「一口で?」


ひいな「うん」


テツヤ「いただきます!うん、おいしい!この味噌の甘さがお酒と合うね」

ネギをたっぷり巻いて。

甘いお味噌と甘いお酒が好相性。



ひいな「でしょう?黒砂糖を使ってみたよ」


テツヤ「お酒の酸味と味噌の甘みが合うねぇ。肉もやわらかいねぇ」


ひいな「お味噌に漬け込んでるからね。このお酒を調べてたら、納得することがあって」


テツヤ「うんうん」


ひいな「どこかのお酒の“イズム”を引き継いでる感じがして」


テツヤ「イズム?どこだろう?」


ひいな「どこだと思う?」


テツヤ「え〜!俺でもわかる?」


ひいな「『東洋美人』は、四代目の方が実習先で学んだ経験をもとに造ってるんだって」


テツヤ「ようは、その実習先っていうのが知られてるところなんだな」


ひいな「確かにこの上品さはね、似てるなって」


テツヤ「俺、蔵に行ったことある?」


ひいな「ないんじゃないかな?」


テツヤ「俺、飲んだことある?」


ひいな「『伊藤家の晩酌』の中ではないかな。でも絶対飲んだことはあると思う」


テツヤ「じゃ、わかんないな」


ひいな「『十四代』を造ってる高木酒造」


テツヤ「へぇ」


ひいな「そこで実習を積んだんだって。『十四代』は飲んだことあるでしょう?」


テツヤ「あるある」


ひいな「『十四代』の命を削る酒造りに感銘を受けたって書いてあって」


テツヤ「そりゃすごい」


ひいな「王道の日本酒造りを意識してたりとか」


テツヤ「純米大吟醸らしさってみんなが想像するものに当てていくっていうことだな。スタンダード」


ひいな「このお酒も、純米大吟醸だなって誰もが思う味わいというか」


テツヤ「あぁ。なるほどね」


ひいな「純米大吟醸って華やかで、あとにべたってするところもあると思うんだけど、それがないのが『東洋美人』のいいところで。あと『0杯から1杯へ』ってうのを目標にしてるらしくて」


テツヤ「あぁ、なるほど」


ひいな「日本酒をまったく飲まない人が飲むようになるっていうのが目標らしい」


テツヤ「フィナンシェに合わせようとしたってことはさ、お菓子にも合わせられるってことだもんな」


ひいな「入り口を狭めちゃうのは王道って言えないのかなって思う」


テツヤ「確かに」


ひいな「この純米大吟醸を嫌いな人っているのかな?って考えたらすごく少ないと思うんだよね」


ひいな「うんうん、わかるよ。俺はお燗にした方が好きだったな」


編集・小倉「俺も」


ライター・薮下「私も」


ひいな「これは蔵の人に伝えないとね」


テツヤ「純米大吟醸=冷酒が当たり前なんだもんな。これがスタンダードになると、俺たちが今まで知ってた純米大吟醸はなんだって話になるよな。新しい感じがするなぁ」

日本酒にもっと自由を!純米大吟醸を熱燗にしてもおいしいことを証明したい。



テツヤ「でもさ、純米大吟醸ってことはお高いの?そんなお酒を温めちゃったの?」


ひいな「結構安くてびっくりしたの。いくらだと思う?750mlだから四合瓶より30ml多いね」


テツヤ「2,000円以下なわけないよな。2400円!」


ひいな「なんと1,375円!」


テツヤ「え〜!安い!それは燗にしてもいいよな(笑)。なんでなんで?」


ひいな「安くてこのクオリティなんだよ!」


テツヤ「こりゃいいね」


ひいな「大学生の時に私がハマった理由は安さだったんだよね」


テツヤ「なるほどね。純米大吟醸でその価格はすごいね。お求めやすい純米大吟醸なんだな」


ひいな「ちなみに、2016年の日露首脳会談の晩餐会でプーチン大統領が『東洋美人』の『一番纏』を飲んで大絶賛したらしいよ」


テツヤ「好きそうな感じするよね(笑)」


ひいな「2019年にはJALのビジネスクラスでも出たりとか『東洋美人』は人気のお酒なの」


テツヤ「知らなかったよ」


ひいな「2013年に萩で集中豪雨があって床上浸水で1万本以上流されちゃったんだって。被災後には1500人以上の方が復興を手伝って、2014年に3階建の蔵を建設したんだって」


テツヤ「いろいろあったけど、今があるんだね」


ひいな「山口県産の山田錦を使ってて、2021年で100周年なんだって」


テツヤ「すばらしいね。そういうタイミングで行けたら最高だったのにね」


ひいな「今回ね、このお酒を燗にすることで熱燗の間口を広げたいなと思ったんだよね。純米大吟醸を熱燗にしたらダメとか、『東洋美人』みたいなきれいなお酒を熱燗にするなんてもったいないとか言われがちなんだけど、そういうお酒を燗にすることで、やってもいいんだって思ってもらえたらいいなと思って」


テツヤ「うんうん。日本酒もさ、もっと自由に飲めたらいいよね」


ひいな「やっぱり純米大吟醸を熱燗にすると、やっちゃいけない背徳感があるというか(笑)。でもやったら奥深さますじゃん!ほらみたことか!っていう感じもある」



テツヤ「わかるわかる。やってみたらうまかったんだから大成功!でもさ、もっと温度が低いと違う味わいてことだよね?」


ひいな「これ40度くらいでも燗にしてみたんだけど、いまいちパッとしなかった。別に燗にしてなくてもいいかなって思っちゃった」


テツヤ「やっぱりとびきり燗にしないといけないんだな。この値段だったら罪悪感なくできるのがうれしいよね」


ひいな「そういってもらえてよかった!」


テツヤ「絶対にやっちゃいけないのかもしれないけど、燗冷ましをロックで飲みたいな」


ひいな「もう意味がわからないね(笑)」


テツヤ「なんかこのフルーティさが梅酒っぽいっていうかさ。甘みがあるから、氷入れて飲んでみたいなと思って」


ひいな「あとはご自由にどうぞ!」

【ひいなのつぶやき】
固定観念を取っ払うと新たな発見が生まれることを、この回で証明できたと思います!“純米大吟醸燗”、ぜひお試しあれ!
ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中

photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita

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