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【日本酒】今までにない最高温度の熱燗に挑戦!「玉川 山廃純米 雄町 無濾過生原酒」~『伊藤家の晩酌』第二十八夜3本目~

Hanako.tokyo / 2021年12月26日 17時50分

【日本酒】今までにない最高温度の熱燗に挑戦!「玉川 山廃純米 雄町 無濾過生原酒」~『伊藤家の晩酌』第二十八夜3本目~

弱冠24歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?今回は、寒い季節に飲みたくなる燗酒にぴったりな日本酒をご紹介。第二十八夜の3本目は、熱燗にしておいしささらに増す、京都のお酒。

今宵3本目は、70度まで熱くする“ふつふつ燗”で!「玉川 山廃純米 雄町 無濾過生原酒」。

京都府丹後市にある「木下酒造」は1842年創業。「変化がおもしろいお酒」の玉川。蔵の推奨は「適温は高め」、55度以上にしっかりと熱くし、燗冷ましで変化を楽しむことを勧めている。アルコール度数は20度と強め。

「玉川 山廃純米 雄町 無濾過生原酒」720ml 1,705円(ひいな購入時価格)/木下酒造有限会社



娘・ひいな(以下、ひいな)「3本目の燗酒は『玉川』です」


父・徹也(以下、テツヤ)「『玉川』?初めて聞いた」


ひいな「京都のお酒なんだけどね」


テツヤ「ラベル、いいね。かわいい。俺、好きなやつ」


ひいな「今の杜氏さんになってからかな、ここ10何年かでラベルチェンジもしたの」


テツヤ「柚木沙弥郎さんっぽさもあるっていうか、すごいかわいい」



ひいな「山廃純米無濾過生原酒です」


テツヤ「うわ〜。濃そうだね」


ひいな「飲む前にお酒の情報を。これは試験的に造ってるシリーズらしくて、これは雄町を使って山廃純米を造ってみたら好評で、毎年1タンクしか造ってないんだって」


テツヤ「普段は雄町じゃないの?」


ひいな「うん。いろんなお米を使ってるみたい。この蔵は割とアルコール度数が高いものを造ることで有名なんだけど、これも19度〜20度もある」


テツヤ「うわ、ほんとだ!高い!」



ひいな「日本酒のアルコール度数って22度未満だから相当高いよね」


テツヤ「俺が知ってる日本酒のなかで一番高いよ!」


ひいな「私もそうかも。同じ蔵が出してる『Ice Breaker(アイスブレーカー)』っていうお酒があるんだけど、それはロックにして飲むことをおすすめしてる日本酒なの」


テツヤ「わぁ、そういう日本酒もあるんだね、おもしろね」


ひいな「そういうユニークな発想で酒造りをしてるのが、杜氏のフィリップ・ハーパーさんっていう方で、イギリス出身でオックスフォード大を出てるんだって」


テツヤ「へぇ。ロックで飲むってウイスキーから着想したのかな」


ひいな「ね。HPを見たら『玉川』の特徴を紹介する7つの項目があって、燗の一般論と玉川のお薦めがおもしろかったから紹介するね。一般的なとびきり燗は55度だけど、『玉川』をおいしく飲む温度帯の最低ラインが55度なんだって」


テツヤ「最低が?」


ひいな「そう。つまり55度以上に熱くしていいっていうこと」


テツヤ「そりゃすごいな。アルコール度数が高いから温度を高くしてもアルコールが抜けないってことなのかな?」


ひいな「うん。へたらないし、ガンガン燗にしたほうがおいしい」


テツヤ「そりゃ頼もしいね」


ひいな「燗酒の温度に正解はないから、いろんな温度帯で遊んでいただきたいって書いてあって」


テツヤ「いいね、いいね。公式にお墨付きをいただいたわけだ」


ひいな「ね。いろいろ試してみないとね!」


テツヤ「今度は何度くらいにしてみるの?」


ひいな「がんがん飛ばそうと思ってる(笑)」


テツヤ「飛ばしちゃうんだ(笑)」


ひいな「温度を上げるっていう意味ね(笑)」


テツヤ「スペックだけ聞いてると強そうだもんな。雄町で山廃で無濾過生原酒で度数も高くて」


ひいな「2020BYだから少し寝かしてある」


テツヤ「少し熟成もしてるんだね。うわぁ、高そうなお酒じゃない?」


ひいな「1,705円」


テツヤ「お?そんなに高くないね。これはどうやってお燗にするの?」


ひいな「またやかんにちろりスタイルで」


テツヤ「いいね、いいね。温めよう!」


ひいな「正直、常温だと『玉川』は苦手なんだけど熱燗にしたらすごい好きなんだよね」


テツヤ「おぉ!もう開けただけで匂いにクセがあるぞ」


ひいな「まずは常温でいただきます!」


ひいな&テツヤ「乾杯!」

まずは常温でいただきます!

常温だとなかなかクセのあるお味のようで。



ひいな「どう?」


テツヤ「うわぁ濃いね〜これはクセあるねぇ」


ひいな「紹興酒みたいだよね」


テツヤ「そうそう。日本酒じゃないね。これは燗に期待しちゃうなぁ」


ひいな「さっき紹介した『玉川』の特徴の1つ目には『変化が面白い玉川』書いてあって『時間軸や温度の違いによる味の変化は日本酒の最大の魅力』って書いてあって、極端な熱燗もOKって言ってます!」


テツヤ「そりゃいいね。やっちゃおう!どこまで上げる?」


ひいな「あちちち。いま70度かな」


テツヤ「そんなに?アルコール飛んじゃわないか心配だけど」


ひいな「大丈夫、大丈夫。飲んでみよう」

湯気が立つほど熱々に。

70度の日本酒。ふうふうしていただきます!

お茶飲むみたいにゆっくりと。



テツヤ&ひいな「いただきます!」


テツヤ「うわ〜おいしくなった!」


ひいな「おいし〜!」


テツヤ「クセがなくなったのかな?」


ひいな「クセが心地よくなる、っていう感じかな」


テツヤ「常温の時にあったえぐみみたいなのが消えたね。酸とコクがましてめちゃおいしくなった」


ひいな「あぁ、本当においしい〜」


テツヤ「こりゃいい酒なんじゃない?熱くしたほうが絶対おいしいよ。ボディがしっかりしてるからこんなに温度上げてもおいしいんだな」


ひいな「酸もしっかり残ってるしね」


テツヤ「熱燗を意識して造っただけあるね。最低温度が55度なんだもんな」


ひいな「そうそう」


テツヤ「これは町の集会所で飲むやかん酒っていうよりは、薪ストーブの前でちびちび飲みたい感じだな(笑)」


ひいな「わかる(笑)」


テツヤ「いやぁ、それにしても化けたね〜!燗にした時の酒の味を想像して酒を造るってすごいよなぁ。でもさ、意外とわからないままなのかもしれないよね。あとからタイトルつけるみたいなさ」


ひいな「確かに」


テツヤ「意外とこんなのができちゃったっていう感じかもなって。このひいなのお燗の実験も功を奏してるっていうか、日本酒の可能性を広げてるよね」


ひいな「ありがとうございます」


テツヤ「日本酒を70度にするなんて初めてだよ!」

「玉川 山廃純米 雄町 無濾過生原酒」に合わせるのは、ごまだれたっぷりの「坦々風水餃子」。



テツヤ「うわ〜うまそう!」


ひいな「坦々風水餃子です」


テツヤ「ごまだれで食べるんだね。うまい〜!この酸味は何?」


ひいな「ポン酢を隠し味に入れてみたよ」


テツヤ「なるほど〜。このお酒に合うね。中華だね。紹興酒だね」


ひいな「これは絶対にごまだれだな!と思って。ごまだれのなかでもごまをもっと感じたい!と思ってごまを追加したんだけど、ラー油も入れてアクセントにしました」


テツヤ「いいね、いいね。うまいよ」


ひいな「クセとクセを合わせる感じで」


テツヤ「お酒と合わせるといい調和になってる。ポン酢の酸味が『玉川』の酸味とも合ってるし」


ひいな「よかった」


テツヤ「お燗って楽しいね。こんなにおいしくなるなんてね」


ひいな「自分でひと手間加えて、日本酒をおいしくするのが楽しいよね」


テツヤ「そうそう。自分で調整しておいしさを追求する楽しさがあるよね」


ひいな「ちなみに『玉川』はどれだけ温度を上げてもOKって言ってて、熟成もOKって言ってる蔵だからやってみるのもいいと思う」


テツヤ「さっきの70度のおいしさを知っちゃうと、50〜55度ってちょっとつまらなく感じちゃうな。間違いのない味だけど、さっきのほうがパンチがあって好きだな。ふりきったほうが絶対いいよ」


ひいな「そうそう。50度くらいって無難でしょ?」


テツヤ「可もなく不可もなくって感じだね。温度が高いほうが酸も感じた」


ひいな「でも、50度がふつうの熱燗っていわれる温度なの。このお酒は、燗にしたほうが酸が立つけど、冷やして酸が立つお酒もあるし、そのお酒に合わせたおいしい温度帯があるんだよね。このお酒の蔵の推奨は55度以上だから」



テツヤ「もう一回飲みたいから温めよう!」


ひいな「酒造のスタッフさんは55度以下に低くつけることはありませんって書いてたよ。ぬる燗にすることはありません!って」


テツヤ「おいしさを知ってるから、そう断言できるんだね。絶対さっきのほうがおいしいもんな」


ひいな「ね。ほんとに」


テツヤ「不思議だよ。温度によってこんなに違うなんて」


ひいな「好みに合わせて冷たくも、温かくもできるのがいいよね」


テツヤ「こうやって自分で温度を変えて味わいの変化を楽しめるのが日本酒の良さでもあるって、まさに蔵の言う通り!」


ひいな「そうそう。その自由度が楽しい!」

熱燗のまだまだ底知れぬ奥深さに、のめり込んでしまいそう!?

70度にまで温めるには沸騰させたお湯が必要です。

70度にして、また乾杯!



テツヤ「70度になったよ!」


ひいな「あぁ、おいしい!」


テツヤ「やっぱりこれだね。圧倒的に70度だね」


ひいな「ぜんぜんおいしさが違うね」


テツヤ「いやぁ、熱燗は奥が深いなぁ。追求しがいがあるね」


ひいな「前回、燗酒特集やった時は、燗冷ましがかっこいいって思ってた自分がいたんだけど…」


テツヤ「あぁ、去年やったね」


ひいな「ちょっと今は恥ずかしい」



テツヤ「そうなんだ。でも燗冷ましもありでしょう?」


ひいな「もちろん!ぜんぜん今でもありなんだけど、燗酒の先輩の〈つきや酒店〉の知香良くんから教えてもらったのがね、一度ある温度まで上げて、そこに常温のお酒を加えて、また温度を上げるっていうことをすると味が全然違うって」


テツヤ「なんだかもうすごい世界だな(笑)」


ひいな「確かにぜんぜん違ったの」


テツヤ「熱燗にすることで飛んでしまう成分をきっとお酒を加えることで補うんだろうな」


ひいな「そういうことだと思う。燗酒は奥が本当に深いよ」


テツヤ「実験だね」


ひいな「知香良くんのお燗を飲んだら、自分のお酒を飲むのにちょっと時間がかかるくらい本当においしいんだよね」


テツヤ「知香良くん、今日、ゲストできてるんでしょう?」


ひいな「いつかお燗の特集に来てもらおう(笑)」


テツヤ「また来年か?」


ひいな「日本酒の知識も大切なんだけど、おいしく飲む方法をもっともっと知りたいな」


テツヤ「そうだね。実験あるのみ!この3回じゃ収まりきらない燗酒特集だね。燗酒って正解がないからさ」


ひいな「おいしいって思ったら正解だと思う」


テツヤ「おいしさの感覚も変わっていくしね。外の気温とかさ」


ひいな「そうそう。お酒の流行りとかもあるしね。これからも研究していきたいね」


テツヤ「燗酒ばんざい!」


ひいな「来年もお楽しみに!」

【ひいなのつぶやき】
遊び心ある「玉川」を、オリジナリティあふれる飲み方で楽しんでみてください!
ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中

photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita

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