昭和から続く名店のレトロスイーツ4選。時代を超えて愛される秘密は?
Hanako.tokyo / 2022年3月3日 13時10分
ティールームを楽しむパティスリーやフルーツパーラーなど昭和から続く名店の裏には、レトロなスイーツの存在がある。喫茶を楽しんだあとには、気になるスイーツもお持ち帰り。幸せな時間を受け継ぐ、懐かしいお菓子の魅力を味わって。Hanako特別編集『喫茶店に恋して。[改訂版] 』よりお届け。
1.名古屋の喫茶店人気をリードする洋菓子店。〈洋菓子・喫茶ボンボン〉/名古屋
サバラン300円、マロン300円、ブレンドコーヒー360円(全てイートイン価格)。
パルミエを飾ったカフェゼリーパフェ630円。
喫茶店が粒ぞろいの名古屋で押しも押されもせぬ人気を誇る〈ボンボン〉は創業1949年。当時バタークリームが主流だった洋菓子界で、生クリームをたっぷり使ったお菓子を良心的価格で作り始めた。ショーケースに並ぶ230円~のケーキは種類も豊富。中には選びきれずに2つ食べていく人も。すると一皿にぎゅっと盛られて提供され、この姿が気さくで愛らしい。
併設する洋菓子店では生菓子のほか、焼菓子も。オリジナルのキャラクターが描かれたアイテムも。
〈洋菓子・喫茶ボンボン〉
愛知県名古屋市東区泉2-1-22
052-931-0442
8:00~21:45LO(日月祝~20:45LO)無休
80席
2.日本一と称される、ショートケーキの名店。〈FRENCH POUND HOUSE〉/巣鴨
苺の果汁を加えたメレンゲを生クリームと合わせ、香りづけに苺のお酒とキルシュを使った「ルージュ」715円。紅茶は、薔薇の花びらの華やかな香りとアプリコットをブレンドした「ピンクローズ」550円。
可愛らしいパッケージのギフト用の紅茶や焼菓子のセットも。
1986(昭和61)年に巣鴨で創業。お店の看板メニューでもあるショートケーキは当初裏メニューだったが、リクエストにより定番化。30年経ったいまでも、お店で一番愛されているのが何よりのおいしさの証拠だ。種類は通常の「ブラン」とお酒入りの「ルージュ」の2つ。高脂肪の生クリームを3種類ブレンドし、コクと口どけを追求している。平日のみイートインが可能。
〈FRENCH POUND HOUSE〉
東京都豊島区巣鴨1-4-4
03-3944-2108
10:00~19:00(喫茶は18:30LO)年始休
36席
3.目利きのマスターが選ぶ果物が主役の軽食が人気。〈プチモンド〉/赤羽
フルーツは流行りのゴロッとしたものではなく、食べやすくひと口大にカットしたものを使用。
前身は青果店〈セキモト〉。色とりどりの果物が並ぶ店頭からは、その名残を感じることができる。「果物は好きだけど、むくのは面倒という人にもたくさん食べてもらいたい」と、マスターの関元修さん。創業から39年間、メニューもレシピも変わらぬまま。「果物のみずみずしさを味わってほしい」と、注文を受けてから作るフルーツサンド(850円)には、6~7種類の果物と甘さ控えめの生クリームがたっぷり。
マスターの関元修(せきもとおさむ)さん。幼少期から、父に果物の目利きを仕込まれる。現在も朝4時に自ら仕入れに出向く日々。
〈プチモンド〉
東京都北区赤羽台3-1-18
03-3907-0750
10:00~17:00(16:00LO)木金休30席
4.先代から受け継ぐ端正で優しい味わい。〈欧風菓子 白鳥〉/中板橋
優美な「スワンシュー」280円は、生クリーム入りのカスタードクリームと生クリームの二層構造。首や羽などの細かいパーツが綿密に作られている。
白鳥さん一家が1966年の創業以来、地元・中板橋で腕をふるう老舗洋菓子店は、1Fはケーキや焼菓子の販売、2Fは喫茶、3Fには工場があり常にできたてのケーキや洋菓子を提供する。“板橋のいっぴん”に選ばれたバウムクーヘン「森の精」をはじめ、ショーウィンドウにぎっしりと並ぶラインナップは昔から変わらず、手作りの温かみを感じる。
イラストレーター・oyasmurさんとのコラボで販売中のトートバッグ3,300円。
〈欧風菓子 白鳥〉
東京都板橋区弥生町31-15
03-3958-4425
10:00~20:00(喫茶は~19:00LO)水休、正月・お盆不定期休
32席
ショートケーキやサバランといった昔ながらのケーキが並ぶ町の洋菓子店、みずみずしい果物が主役のフルーツパーラー…。昭和の喫茶ブームに次ぎ洋菓子店やフルーツパーラーは人気を博す存在であり、なかでもコーヒーや紅茶と一緒にその場で楽しめる喫茶は、いまでも私たちの憩いの場として心を離さない。コンビニなどで手の込んだスイーツが簡単に買える時代でも、わざわざ足を運びたくなるのには理由がある。
喫茶店の聖地・名古屋で有名な〈ボンボン〉。“いいものをお値打ちで”という思いに応えるように、種類豊富で可愛らしいケーキは、リーズナブルさも加味し食べたいものを2つ一皿にギュッと盛ってくれるのが魅力だ。
東京・巣鴨の閑静な住宅街のなか、ショートケーキを求めて人気がやまない〈FRENCH POUND HOUSE〉は、白と青を基調としたおしゃれな店内も見どころ。テーブルクロスや器に至るまで、ケーキを楽しむための異国のような空間が広がる。
下町を支える〈欧風菓子白鳥〉は「スワンシュー」が懐かしさを掻き立て、前身は青果店のフルーツパーラー〈プチモンド〉も当時の名残のまま、いまもマスター自らがフルーツを仕入れて提供する。どの店も長い歴史がありながら、手作り感あふれるスタイルは変わらない。それが時代を超えたいまでも、愛される理由になっているようだ。
(Hanako特別編集『喫茶店に恋して。』掲載/photo : Miyu Yasuda, Wataru Kitao, Shu Yamamoto text : Kahoko Nishimura, Yuya Uemura, Ami Hanashima)
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