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簡単でおいしい薬膳料理。心身の不調が出やすい季節に「整える春スープ」のレシピ

Hanako.tokyo / 2022年3月17日 19時10分

簡単でおいしい薬膳料理。心身の不調が出やすい季節に「整える春スープ」のレシピ

春先は何かと不調が起きやすく、体調は揺らぎやすい。そんな不調には、旬の食材を使った料理が効くそう。特別な食材も技術もいらない、簡単な養生食を学んで。

「整える春スープ」

用意するもの

【2人分】
・干し貝柱…10g
・あさり…120g
・セロリ…30g(葉と茎両方)
・にんじん…30g
・菜の花…20g
・生姜…1片
・ごま油…小さじ1
・酒…大さじ2
・水…600ml
・サラダ油…少々
・塩…少々

春は“気を巡らせる”菜の花やセロリなど苦味のある食材が旬だから注目を。食材の色使いにも配慮すると自然に栄養バランスが整う。仕上がり時の香りも効能の要素。

作り方



Step#1 干し貝柱を戻す。
ボウルに干し貝柱と、ひたひたの量の熱湯を入れ、約20分浸して戻す。少し固さが残っていても問題なし。水で戻すより早く、旨味をしっかり抽出できる。戻し汁は取っておく。



Step#2 あさりを砂抜き。
あさりは塩水で砂抜きし、殻をこすり合わせてよく洗う。あさりの身には疲労回復や、胃の痛み・胸焼けを和らげる効果も。殻もミネラルが豊富なので殻ごと調理するのがおすすめ。



Step#3 香味野菜を切る。
セロリは筋を取って斜め切りにする。生姜は千切り、にんじんは細切りに。セロリは肌トラブルや貧血気味の人にも有効。茎よりも葉に栄養が多いため、葉も捨てずに食べるべし。



Step#4 菜の花をゆがく。
菜の花は沸騰した湯でゆがき、水切りをして半分の長さに切る。ゆで過ぎると菜の花に含まれるビタミンなどの栄養素が流れ出てしまうので、30秒ほどで取り出すこと。

「野菜や貝類からおいしいだしがたっぷり出るので、味付けはほとんど必要ないんです」と藤井さん。スープの味付けは最後に塩を少々入れるだけ。



Step#5 野菜を炒める。
鍋にサラダ油を熱し、生姜を炒め、香りが立ったらにんじん、セロリを加えサッと炒める。特ににんじんは油との相性が良く、胃腸の働きを高めるほか、疲れ目改善などにも有効。



Step#6 貝柱を汁ごと入れる。
戻した貝柱と戻し汁を加える。少し煮立てて、水を投入。貝柱はタウリンの含有量が魚介類の中でトップクラス。滋養強壮はもちろんイライラやストレスの解消にも。



Step#7 あさりを投入。
あさりと酒を加える。一度煮立たせアクを取り、中火にする。あさりを最初に投入すると、貝の口が開いてしまいアク取り作業がしづらい。殻からもミネラル分が豊富に出る。



Step#8 最後に菜の花を。
全体に火が通ったら塩で味付けし、火を止める。器に盛りStep#4の菜の花を添え、仕上げにごま油をかけて完成。好みで鶏ガラスープを入れてもいいが、貝のだしが効いている。

春の食材は3つの役割を意識!

干し貝柱、あさり、にんじんは中医学の視点から「血を補う」食材、セロリと菜の花は「気を巡らせる」食材、菜の花は「消化吸収を助ける」役目も担う。これらを組み合わせて春に起こりがちな不調を改善。一方これらは体を冷やす特性もあるため、今回は体を温めてくれる生姜を使って全体のバランスを整えている。



1.血を補う
2.気を巡らせる
3.消化吸収を助ける

季節で変化する人間の体に必要な食材を積極的に摂る。

「野菜や貝類からおいしいだしがたっぷり出るので、味付けはほとんど必要ないんです」と藤井さん。スープの味付けは最後に塩を少々入れるだけ。

「自然界で目覚めの季節といわれる春は、人の体も同じように目覚め、新陳代謝が活発になる時期。また、冬の間に体に溜め込んだ老廃物を外に出そうと解毒作用が働き、自然と山菜や青野菜、香りの良い野菜など、ほろ苦い味を体が求める傾向にあるんです」と藤井愛さん。

彼女自身も代の頃は仕事に励んでいたが、結婚して出産後は、それまでになかった体調の変化を感じるようになったとか。そんなときに出会ったのが中医学。学んでいくうちに、自分の体調不良の理由が腑に落ちることも多く、食生活を改善すると目に見えて体調も良くなった。それがきっかけでさらに中医学を学び、現在では薬膳を通して健康維持や健康管理、病気予防などを実践している。

「中医学では、五臓の『肝』と春は関係が深い。『肝』には自律神経や感情のコントロール、内臓への栄養供給の役割が。春は『肝』が高ぶりやすく、めまいや頭痛、不眠やイライラ、目に不快な症状となって現れる場合も。それが連鎖し、食欲不振や吐き気、疲れなど胃腸の働きにも影響が出やすいのです」そんな春の不調を改善する薬膳スープは、『肝』を安定させるため“血を補う”食材が主役。さらに連動する自律神経やストレスの解消を促す“気を巡らせる”食材、それらの“消化吸収を助ける”食材をバランス良く取り入れるのがポイント。こうした食材のバランスを考えた食事が薬膳。薬膳と聞くと生薬など特別な材料が必要と思われがちだけど、誰もがスーパーで入手できる食材で、短時間で簡単に食材が持つ体に良い効能を取り入れることができる。

「薬膳とは食材が本来持つ薬のような力を、調理の組み合わせで引き出した先人の知恵。自然界ともリンクしているから、旬の食材を使いながら無理なく実践できるのが利点。不調はまず食事から見直してみて」

Teacher…中医薬膳営養師・藤井愛(ふじい・あい)

中医学をベースに季節や体調に合わせた薬膳ワークショップを開催。企業のコンサルティング業務も担い、変化しやすい女性の心身を身近なところからサポート。Instagram:@five_tastes_of_study_

(1206号掲載/photo : Yoichi Nagano text : Kimiko Yamada edit : Nao Yoshida)

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