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長谷川町子記念館の『エプロンおばさん展』へ。「家族の風景」編

Hanako.tokyo / 2022年3月30日 11時30分

長谷川町子記念館の『エプロンおばさん展』へ。「家族の風景」編

今回の大冒険の舞台は〈長谷川町子記念館〉。『サザエさん』の作者として知られる、漫画家の長谷川町子さんの作品が展示されています。2020年にオープンしたばかりという記念館は、どこか懐かしい昭和を感じる空間ながら、デジタルの絵本や塗り絵など、イマドキな仕掛けがたくさん。今まで見てきた美術館の中で、一番デジタルとの親和性が高い! と思わず興奮してしまうほどに。

忘れられない街、桜新町。

サザエさんの街、桜新町。商店街にはサザエさん一家の銅像が並んでいて、小さい子が手を振ったり、家族が一緒に写真を撮ったり。通りすがる人みんなが微笑んでいる、いい街です。でも、私にとっての桜新町はちょっと違います。3年前、初舞台の稽古をしたのがこの街だったのですが、当時の私はあまりにもできない自分への不甲斐なさに、毎日泣きながら歩いていました。うつむいているとカツオとワカメの笑顔が目に入り、見上げると桜並木があまりにも綺麗で、余計に泣けてくる。忘れられない街、桜新町です。

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「家族の風景」



私、結構家族が好きな方だと思う。都内に実家があるせいか、一人暮らしを始めるタイミングを失っていたんだけれど、家を出て良かったこと第一位は、家族がもっと好きになったことかもしれない。



一人で暮らし始めて、「実家ってご飯は出てくるし、洗濯もしてくれるし最高!」とまではならなかったけど、家族でご飯を食べてお酒を飲む時間は何にも変え難いということを深く知った。“友達のようでいて 他人のように遠い 愛しい距離が” そこにはあったのだ(『家族の風景(ハナレグミ)』より)。



さて、私の私生活は奇妙がられることが多い。家の中には家電製品がほとんどなく、極めつけは、冷蔵庫がない。これは本当に引かれる。今、こうして自分で書いていても、正直ちょっと引いている。



決して “電気から解放された生活を” という信念のもとにそうしているわけではない。なんとなく冷蔵庫のある生活が思い浮かばなかったのだ。



私は普段、野菜ばかりを食べているし、その時食べたいものを食べたい分だけ作るので、食べ物を腐らせることはない。そう言って、“必要になったら” という言い訳を、ずるずる引き伸ばしてきた結果がこれである。



町子さんの描く “生活” の中には、冷蔵庫が当たり前に存在していた。なんだか暮らしを象徴するアイコンのように思えて、心がチクッと痛んだ。



これを読んだ家族はどう思うだろう。冒頭の2段落くらいでウルっときて、残りはゾッとして。そろそろ私の電話番号を押す頃ではないかと想像します。気付けばサザエさんと同じ歳になっていたけど、子どもの頃に観ていたサザエさんとは遠いところに来てしまった気がする娘です。

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今回訪れたのは…〈長谷川町子記念館〉

アシスタントさんを付けず、たった一人で何十年もの間、複数の連載を掲載し続けた長谷川町子さん。一枚一枚の絵には物語があって、遊び心があって可愛らしいのです。気付けば、町子さんのことが大好きになっていた私。“忘れられない街、桜新町” に、“サザエさんの街、桜新町” が加わり、大切な思い出の街となりました。

桜新町駅から徒歩7分。記事公開日には写真中央の紅垂れ桜も満開を迎えているかも。

町子さん作品の世界観をアナログとデジタルの両方で楽しむことができるお気に入りのフロア。

〈長谷川町子記念館〉

東京都世田谷区桜新町1-30-6
03-3701-8766
10:00~17:30(受付締切16:30)
月休(祝の場合は翌日)
900円

※『エプロンおばさん展』の公開は、4月10日(日)までです。

©長谷川町子美術館

photo : Yumi Hosomi

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