フラワースタイリスト・平井かずみさんに教えてもらう『旬の花と生けたい場所。』
Hanako.tokyo / 2022年6月11日 18時6分
花を生けることは季節を感じること。平井かずみさんに、今飾りたい旬の花と生けるのにおすすめの場所を提案していただきます。好きな花を飾るだけで、暮らしはぐっと豊かになる。
1.バラ at 窓辺/スプレー咲きのバラを小分けにして小さく生ける。
「光が差し込む窓辺はどんな草花でも美しく映えます」(平井さん、以下同)。バラの中でもいくつか花のついたスプレー咲きが簡単。「普段使いのガラスのコップなどでいいので小分けに並べて生けると雰囲気が出ます」
2.シャクヤク at 本棚/つぼみから花になり、ハラハラと散る様子も楽しむ。
シャクヤクはつぼみのものを選んで。花の蜜がついて開かない場合は、つぼみを水で洗うと上手に咲かせることができる。
「本棚には高台付きの器で品よく印象的に。鮮やかなシャクヤクを生けると様になります。徐々に花が開いていく様子を定点観測するように楽しんで」。頭が重く水が下がりやすいので、茎は短めに切ると長持ちする。
3.アジサイ at ダイニング/食事の邪魔にならない花を。色と香りは控えめに。
アジサイも頭が重く水が下がりやすいので、短く生けるのが長持ちのコツ。暑い時期は朝に氷を2、3個浮かべるとシャキッとする。
「食卓の主役は料理と集う人々で、花は脇役。なので、香りの強いものは選ばないほうがいい。アジサイは香りも少なく色も抑えめなので、この時期に飾るのにぴったりです」。ガラスの器にグリーンと生けて涼しげな印象に。
4.オーニソガラムとハーブ at キッチン/爽やかなハーブの緑と色鮮やかな花の組み合わせ。
今回生けたのはパイナップルミント。花器もキッチンツールを使えばより気軽に。こちらはイイホシユミコさんの特製ピッチャー。
「キッチンに鮮やかなカラーがあると気分が上がります。ダイニングと同じく香りのあるものは避けたいですがハーブなど食用のものは実用的ですし、花と合わせて生けても素敵。ハーブと小花の組み合わせを楽しんでほしい」
5.ライラック at 玄関/出迎える場所には季節の枝ものを置く。
「外と内を繋ぐ玄関には季節の枝ものをたっぷりと。玄関に大きな花瓶を置くと“きれいにしよう”と整理整頓にも繋がります」。ライラックのほかビバーナムや水無月、鮮やかな緑の葉を楽しむドウダンツツジもおすすめ。
生けたあと、花の元気がなくなってしまったら。
「切り花は、お花屋さんがすでに下処理をしてくれています。なので買ってすぐはそのまま生ければ大丈夫」と平井さん。生けて数日経ったとき、花の元気がなくなったら、実践してほしいあれこれ。
【1】
【2】
【3】
1.数日生けたら、水切りで蘇らせる。
深めのボウルを用意し、水の中で水切りをする。そうすると茎の中に空気の膜が入らず、水を吸い上げやすくしてくれる。茎は斜めにカットすること。
2.枝や葉ものにはたっぷり霧吹きを。
植物は枝先や茎先からだけでなく葉からも水分を取り込む。葉が乾燥しているなと感じたらこまめに霧吹きを。その際、花に水がかからないように。
3.ぐったりとしていたら水にさらしてあげる。
短くカットした花の元気がなくなったと感じたら、1時間ほど葉っぱまで水に浸す。花が濡れて花びらがくっつくと傷みやすくなるので注意を。
最初は一輪だけでいいので、好きな場所に飾ってみる。
お花屋さんには一年を通しさまざまな種類の花が並ぶ。通年ある定番となっているものも多いが、せっかくなら旬の花を選んで家に飾りたい。「初夏は、大輪のシャクヤクやアジサイなどが登場して存在感のある花が揃うシーズン。また、一年を通してお花屋さんに並ぶバラも5〜6月が本来の旬のタイミングです。この時期のバラは種類もカラーも豊富で、値段もお手頃。ぜひ、好みのものを手にとってみてほしいです」と、フラワースタイリストの平井かずみさん。普段の暮らしに花を生けるなら、定位置を決めずにいろんな場所に生けてみてほしい、とも。
「お花ってお祝いなどでブーケなどでもらって、それをどんと花瓶にそのまま飾って終わり、となっている方も多いのでは?でも、花を普段使いするなら、本当に一輪だけでいいんです。気になった旬の花を一輪ずつ、何本か選んで、それをいろんな場所にぽん、ぽんと飾るだけ。それだけで雰囲気が変わるはず。ぜひ試してみてください」窓辺や本棚、ダイニングテーブルに花を。季節に応じて、好みのものを好きな場所に生けてみる。そんな習慣をはじめてみたい。
Navigator…平井かずみ(ひらい・かずみ)
草花を身近に感じる「日常花」を提案。今年2月、恵比寿にアトリエ〈皓 shiroi〉をオープン。アトリエで花の教室「木曜会」を主宰するほか、企画展なども開催している。
(Hanako1209号掲載/photo : MEGUMI , Miho Kakuta, Michi Murakami text & edit : Kana Umehara)
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