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蒲田の名店〈鳥からあげ うえ山〉と合う日本酒いろいろ~『伊藤家の晩酌』第三十七夜〜

Hanako.tokyo / 2022年10月9日 17時50分

蒲田の名店〈鳥からあげ うえ山〉と合う日本酒いろいろ~『伊藤家の晩酌』第三十七夜〜

20歳の頃から唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第三十七夜は、伊藤家を飛び出し、お店へ訪問!日本酒好きな店主とともに、おいしいからあげに合う日本酒を探ります!

絶品〈鳥からあげ うえ山〉へ!とびきりの日本酒とともにお邪魔しました!

(左から)〈うえ山〉の娘・植山悟江さん、母・一江さんと一緒に。今は亡き父・正勝さんの跡を継ぎ、現在は母娘で切り盛り。シンプルでいて奥深い鳥の素揚げは誰もが唸るおいしさ!部位によって味わいもいろいろ。



娘・ひいな(以下、ひいな)「なんと、今回は父の大好きな〈うえ山〉さんに、日本酒を持って遊びに来ちゃいました!」


父・徹也(以下、テツヤ)「うれしいよ!このたびは、ご快諾いただき、どうもありがとうございます。よろしくお願いします」


母・一江(以下、一江)「こちらこそ!」


娘・悟江(以下、悟江)「よろしくお願いします!」


テツヤ「お母さん、緊張しないでくださいね(笑)。いつも、この『伊藤家の晩酌』では、ひいなと一緒に自宅で飲みながらおしゃべりしてるんですけど、今日は家を飛び出して、ここ〈うえ山〉で、お母さんとさとちゃんと一緒に楽しめたらと思っています!」


一江「いい企画ですねぇ」


悟江「機会があったら、日本酒のこと、おふたりにお聞きしてみたいと思ってたんです」


ひいな「ありがとうございます。普段は自分で料理を作ってるんですけど、プロの料理と日本酒を合わせてみたらどうなるんだろうっていうのが知りたくて。だから今日はとてもうれしいです」


一江「こちらこそよろしくお願いします」


テツヤ「いままでは料理家さんのご自宅に行くことはあったんですけど、お店は初めてです!」


一江「そうなんですね。休みの日しか私たちもこうやって飲んでゆったりとできないですから、とても楽しみです」


テツヤ「今後は日本酒だけじゃなくて、父娘でもっと広くお酒を知っていく企画にしようと思っていて。いろいろなお酒のプロの方にお話を聞きに行ったりしようと思ってるんですよ。こちらでも日本酒って出してるんですか?」



悟江「はい、4種類、お出ししています」


一江「お燗も出してますよ」


テツヤ「東北のお酒が多いいんですね。お母さんが好きなお酒なんですか?」


一江「そうなんです。飲んでも頭が痛くならないやつを選んで」


テツヤ「それ大事です(笑)。どういう味わいが好みなんですか?」


一江「昔ながらの日本酒が好きですね。素朴な、お酒って感じのもの。あとは、ずっと飲み続けるんだったら、軽いものがいいですね」


ひいな「そうですね。重めだと疲れちゃったりしますもんね。『雪の茅舎』
は以前、伊藤家でも紹介していて。おいしいですよね」


テツヤ「定番だけどおいしいよね」


ひいな「おいしいお酒ばっかり!」



一江&悟江「うんうん」


テツヤ「『南部美人』も飲んだことあるし『浦霞』もあるかなぁ?」


悟江「これは少し違うかもしれないです」


一江「こちらは、新しい『浦霞』ですね」


テツヤ「今日はひいなが持ってきた日本酒2本と、〈うえ山〉さんおすすめの日本酒もいただいちゃうのもありなんじゃない?」


ひいな「ね!そうしよう!」


一江「『浦霞』は、すごくバランスの取れたいい日本酒ですよ」


テツヤ「ほら、やっぱりプロが選ぶ酒のほうが合ってました!ってことは大いにあるから」


ひいな「うん、それはそう(笑)」


一江「酒屋さんでいろいろ飲ませていただいて、いいのを選びました」


悟江「ちょうど出たばっかりだからどうですか?って言われて」


テツヤ「そうなんだね。実は〈うえ山〉さんに来るとワインばっかり飲んでて。日本酒は飲んだことないかもしれない」


一江「そうかもしれないですね」


テツヤ「コダマサワーではじまり…」


ひいな「ナチュールが飲めるもんね。では今日は日本酒と素揚げが合うってことをぜひ知ってもらいましょう!」

からあげにレモンをかけるうような感覚で飲みたい「月山 イノベーション 2022 白麹四段」

島根県安来市にある「吉田酒造」の代表銘柄「月山」のチャレンジシリーズ「イノベーション」。酸味がある白麹を四段仕込みに使うことでパイナップルのようなさわやかな味わいを実現。アルコール度数13度と軽やか。「月山 イノベーション 2022 白麹四段」720ml 1,760円(+税・ひいな購入時価格)/吉田酒造株式会社



ひいな「まずはお持ちした『月山』からご紹介しますね」


テツヤ「このお酒、飲んだことありますか?」


一江「ないですね」


ひいな「月山(がっさん)と読みます。島根のお酒です」


テツヤ「月山といえば、山形のイメージだったけど、島根なんだね」


一江「えぇ、そうですよね」


悟江「ラベルのイラスト、地図ですかね?」


テツヤ「そうだね、地図だね」


悟江「おしゃれ!」


ひいな「このお酒、乾杯から素揚げまで幅広くいけるお酒だと思います。でも少し心配だな…。実は、かなり奇をてらったお酒かもしれなくて。お母さんのお好みに合うかどうか…」


テツヤ「まぁまぁ、まずは飲んでみようよ。合うかどうかは飲んでみないとわからないからさ」


一江「そうそう、飲んでみないとわからないですから」


テツヤ「これは乾杯酒?」


ひいな「乾杯もそうだし、素揚げを想定して選んだお酒かな」


悟江「素揚げに合うお酒ということは、すっきりしてるんですか?」


ひいな「今回、お酒を選ぶにあたって考えたのは、よくある話なんですけど、“揚げ物にレモン”的な酸味系、あとは一緒に同調してうまみがさらに上がる系の2本を選んでみました」

かわいいガラスの酒器は父がセレクト。

4人で乾杯!



テツヤ「じゃ、乾杯しようか。この度はほんとうにありがとうございます」


一同「乾杯!」


テツヤ「うん?ワイン?日本酒っぽくないね」


悟江「すごく飲みやすい!口当たりがやわらかいですね」


テツヤ「これは、素揚げに合うでしょう」


ひいな「でしょ?」


一江「あぁおいしい。麹の香りがすごく効いて」


ひいな「おっしゃるとおり、このお酒、白麹を使っていて」


一江「発酵感があるというか」


悟江「いい匂い!」


テツヤ「無理しなくてもいいですよ、正直な感想を言ってくださいね(笑)」


一江「本当においしいです」


ひいな「度数は13度になります」


一江「飲みやすいですねぇ」


ひいな「いいですよね。酸味もあって、レモンというかパイナップルというか」


悟江「うんうん」


一江「華やかな日本酒より、こういうしっかりしてるほうが好きです。華やかなのは1〜2杯でもういいかなって飽きちゃう」


ひいな「クラシックで造りがしっかりしてるお酒だからこそ、こうやって白麹で四段仕込みっていう遊び要素を入れても安定したお酒になるんだと思います」


テツヤ「これはね、素揚げに合うよ、絶対」


一江「もしかしたら、炭酸で割ったらおいしそう」


テツヤ「あぁ、いいですね。もっと冷やしてもいいかもな」


ひいな「やってみましょう!」



一江「炭酸で割ったらもったいないかもしれないですけど、きっと油ものに合う感じになりますよね」


テツヤ「ロックで飲んだり炭酸で割ったりしても、日本酒がもっとおいしくなるんだったら、ぜんぜんいいと思うんですよ」


ひいな「日本酒は普段、飲まれますか?」


一江「飲みます」


テツヤ「家で飲むんですか?」


一江「家でも店でも。夏でも熱燗をお願いしたりして」


テツヤ「あぁ、それはもう、呑兵衛ですねぇ」



一江「ははは(笑)」


悟江「あるお店では、母のために熱燗用のお酒を入れてくれてるんです。他の人は飲まないのに」


テツヤ「いいねぇ」


悟江「私は暑いから飲まないんですけど(笑)」


一江「娘のほうがお酒強いんです」


悟江「そんなことないです(笑)」


テツヤ「いやいや、お2人とも強そうです(笑)」

切り方、揚げ方に一工夫。シンプルなだけに違いがわかる素揚げの深い世界…!

首のせせりの部分は、骨を叩いてあるのでまるごと食べられる。コリコリっとした食感がクセになる!首 200円。



テツヤ「そろそろ料理をお願いしてもよろしいでしょうか?」


ひいな「お願いいたします!」


悟江「首から揚げていきますね!」


テツヤ「最高です!」


一江「首はね、せせりです」


ひいな「せせり?」


悟江「首のお肉なんですけど、骨も叩いてあるのでまるごと召し上がっていただけます。カルシウムです!」



ひいな「うわぁ〜おいしそう!」


テツヤ&ひいな「いただきます!」


ひいな「お、手でいった!」


テツヤ「俺ね、揚げ物は手で食べる派なのよ」


ひいな「このカリカリのところが骨なんですね!おいしい!まるごと!」


テツヤ「うまい!これは合う。日本酒と」


ひいな「すごく合うね」


テツヤ「からあげじゃなくて素揚げっていうのがいいですよね」


ひいな「揚げ物と合わせると言っても、衣があるのと素揚げとだと違うなと思って」


テツヤ「絶対違うよね。炭酸ください!炭酸割りやってみたい」

日本酒に炭酸と氷を入れて割ってみると…!?さらに飲みやすくて危険な飲み物に!



悟江「わ!これは飲みやすい!ジュースみたい(笑)」


一江「揚げ物にぴったりじゃないですか」


テツヤ「日本酒の可能性が広がりますね」


一江「そうですね」


悟江「日本酒が苦手な人でもこれなら絶対飲めますね」


テツヤ「これうまいぞ〜!」


ひいな「炭酸割りのほうが、より素揚げに合う気がします」


テツヤ「炭酸割り、めちゃくちゃうまい。そして素揚げに合う!」


ひいな「家の晩酌ではできない、おいしい素揚げとの最高の組み合わせだね」


テツヤ「そりゃそうだよ!これ今度、ほかの日本酒でも炭酸割りって頼めたりしますかね?」


悟江「いいですね」


一江「『南部美人』は炭酸割りが合うかもしれない」


ひいな「『南部美人』も合うんですね!」

岩手県二戸市の「南部美人」の定番酒。甘みとうまみが吟醸香とともにまったりと感じられる。素揚げの鳥の身の淡白さと抜群の好相性。「南部美人 純米吟醸」1杯800円(うえ山提供価格)/株式会社南部美人



テツヤ「ぜひ、いただきたいですね!」


一江「甘い感じでとろりとしているので」


ひいな「うんうん、コクのあるイメージです」


一江「『雪の茅舎』はシャンパンみたいな感じになりますよ」


ひいな「わぁ、おいしそう」


テツヤ「マジですか?いろいろ教えてください!」


ひいな「教えてください!素敵です!」


一江「いえいえ」


テツヤ「『南部美人』ってこんな感じなんだね。ちょっと濃いめだね」


ひいな「『南部美人』も種類がたくさんあるんですよね」


一江「結構、賞も取ってるんですよ」


ひいな「『南部美人』の炭酸割りいただきます!」


テツヤ「吟醸の華やかさはありつつも」


ひいな「結構、まったりしてますね」


一江「うちでは、一番甘くてまろやかな感じですね」


テツヤ「こんなの素揚げと絶対合うよ。」


ひいな「『月山』とは違う感じの炭酸割りができるね」


テツヤ「そうだな。これはトロピカルな水です!今、お母さんたちとみんなでリゾートのプールに寝そべってる感じ」


ひいな「妄想が広がるねぇ(笑)」


一江「浮き輪しなきゃ(笑)」


テツヤ「メニュー表に『炭酸割りもできます』って書いておいたほうがいいんじゃないですかね?それくらい合うよね。このノリで、次の一品もお願いします!」


悟江「じゃ、次にいきますね!」


テツヤ「素揚げと日本酒って合うな。ワインより合うんじゃないですかね?」


一江「いや、ワインもなかなか合いますよ」


テツヤ「ですよね(笑)」


テツヤ「ここではナチュールが飲めるからいいんだよねぇ。もうさ、この揚げてる音と香りで飲めるもんな」


一江「ほんとうに、お酒、お好きなんですねぇ(笑)」

「いままで食べた中で一番!」と言わしめる、史上最高の砂肝が登場!

特大の砂肝はぷりっぷり&シャキシャキの歯ごたえ。食べたことのないおいしさでオーダー必至!砂肝 350円。



悟江「次は砂肝です!」


ひいな「めちゃくちゃおいしそう!」


テツヤ「いいねぇ。すごいぷりっぷりだねぇ」


ひいな「すごくきれい」


テツヤ「しかも大きくない?こんな大きな砂肝見たことないよ。処理の仕方なんですか?」


悟江「処理の仕方だと思います。切り方とか」


テツヤ「俺はね、ムネ・モモのセットに匹敵するくらい、砂肝が好きなんだよ。何と合わせようか」


ひいな「どうしようかな?」


テツヤ「また〈うえ山〉さんのおすすめと合わせちゃおうか」


ひいな「『浦霞』の『No.12』を飲んでみたいです!」

宮城県塩竈市にある「佐浦」から、蔵発祥の「きょうかい12号酵母」を使って、新たな酒造りを復活させたもの。バランスがすばらしく安定した間違いないおいしさ。「浦霞 純米吟醸 No.12」1杯900円(うえ山提供価格)/株式会社左浦



テツヤ「砂肝から、いただきます!あぁ〜(言葉を失う)」


ひいな「とってもおいしいです。『浦霞』も、昔ながらの味わいがありながら、やわらかく仕上がってる感じ」


テツヤ「なんかお母さんの好みがわかってきたな」


ひいな「なんか安心しない?」


テツヤ「安心する。『No.12』って特別なお酒なんですか?」


一江「2020年に新しくできたそうなんです(ライター注:昭和40年頃に見つかった浦霞発祥の『きょうかい12号酵母』は、時代を流れのなかで長い間使用されていませんでしたが、半世紀もの時を経て復活させたのだとか!)ほんとに安定したおいしさですよね。バランスが取れていて」


ひいな「今の人に合わせて、昔ながらの味わいを維持しながら変化してきたような」


一江「そうそう、日本酒忘れないみたいな」


ひいな「これこそ、親子で楽しめるんじゃない?」


テツヤ「そうだな、確かに」


一江「ずっと飲んでられますよね」


テツヤ「砂肝ともめっちゃ合う。切り方もそうだし、揚げ方なのかな、ほかのお店で食べる砂肝とぜんぜん違うよね」


悟江「余計なところは切って食べやすくしています」


テツヤ「おかき食べてるような音するよね、カリカリって」


ひいな「『浦霞』も炭酸割りしてみよう」


テツヤ「飲み方が定まってきたね」


ひいな「酸味とシュワシュワがあるとレモンサワー的な感じでいいよね」


テツヤ「お母さんは、〈うえ山〉のメニューで一番好きなのはなんですか?」


一江「砂肝なんです」


テツヤ「おぉ。そうですよねぇ」


ひいな「砂肝って何種類かあるのかな?って思うくらいぜんぜん違う。知ってる砂肝じゃない!」


テツヤ「とりあえず、知ってる砂肝の中で一番うまいな。いま値段見てびっくりしたんだけど、350円なんですか?」


悟江「そうです」


テツヤ「安くない?値段上げたほうがいいですよ(笑)」


悟江「じゃ今度、油が値上がった時に(笑)」


一江「ほら、あんまり高くしてもねぇ」


テツヤ「満足度がすごいよ。お得すぎるなぁ」


悟江「これだけでおなかいっぱいになりますよね」


テツヤ「お母さんは何が一番お好きなんですか?」


一江「ワインが一番好きですかね。ワインは頭が痛くなってもいいかなって(笑)」


テツヤ「でもナチュールだと痛くならないでしょう?」


一江「いや、飲みすぎると痛くなります」


ひいな「結局は、量ですよねぇ(笑)」


一江「ですよねぇ(笑)」

ジューシーなハツもやみつきに。燗酒と合わせることで、さらにうまみが倍増

プリッと揚がったハツはうまみ爆弾!ジューシーなソーセージのよう。うまみが口のなかいっぱいに広がります。ハツ 350円。



悟江「次いきますね。ハツです!山椒が合いますよ」


一江「たっぷりかけよう!」


ひいな「おいしい〜!むっちゃおいしい〜!」


悟江「なんかウインナーみたいですよね」


テツヤ「たしかに(笑)」


悟江「指の先っぽみたいなかたちしてて」


テツヤ「ほんとだね(笑)。いやぁほんとにうまい。素揚げと日本酒はさ、ほんとに相性がいいんだね」


ひいな「素揚げって、素材のおいしさがダイレクトに伝わってくるよね。このハツのうまみにはお燗を合わせてみたいな」


テツヤ「何度まで上げるの?」


ひいな「45度まで上げたいかな」

福井県福井市にある「毛利酒造」の代表銘柄「紗利」。「燗左紫(かんざし)」は、刺身に使うお醤油“むらさき”の左に燗をつけてほしいという思いから名付けられた。揚げ物にぴったり。「紗利 燗左紫 純」720ml 1,347円(税込・ひいな購入時価格)/毛利酒造合資会社

燗酒にしていただきます!45度は上燗。



ひいな「燗酒できました!」


テツヤ「まずは、燗酒が好きなお母さんに飲んでいただきたい!」



一江「こんなにていねいに作っていただいて…」


テツヤ「でもさ、なんで素揚げと燗酒なの?いままで炭酸&氷で冷たくしてたのに」


ひいな「揚げ物のおいしさが増すお酒ってなんだろうって考えた時に燗酒だなって」


テツヤ「あえてのハイボールとかレモンサワーとか、そういう油を流すさっぱり系じゃなくて、近づけるってことなんだね?」


ひいな「そう!限りなく素揚げに近づけたくて」


テツヤ「1+1が3になる感じ?」


ひいな「4とか5かもしれない」


テツヤ「言ったねぇ〜」



ひいな「ほんとうにこのお酒おいしいから。『燗左紫』って書いて『かんざし』って読むんですけど、冷やしてもおいしいけどやっぱりお燗にして飲んでいただきたい」


悟江「私もいただきます!」


テツヤ「お父さんも日本酒お好きだった?」


一江「飲んでましたね」


テツヤ「呑兵衛一家だったんですね。うちと一緒じゃないですか(笑)」


一同「乾杯〜!」


一江「いいお酒!」


悟江「う〜ん!!」


ひいな「お口に合いましたか?」


一江「やわらかくて、いいお酒。日本酒のしっかりとした味がしておいしいです」


ひいな「昔ながらな感じがありますよね」


一江「でも、今風なやわらかさも感じられて」


テツヤ「飲んだ後に1〜2歩、歩く感じしない?」


ひいな「どういうこと(笑)?」


テツヤ「口のなかで、飲んだ後に1〜2歩、歩く感じがある」


ひいな「それはきっと、余韻が長いってことなんだと思う」


テツヤ「そうそう、それが俺が言いたかったこと(笑)」


ひいな「燗酒だからかな」


テツヤ「おもしろいね。相当個性的な味わいじゃない?」


ひいな「うん、個性的だと思う。だけど個性が爆発してない感じ?」

パリッとスナックのように食べられる。皮 350円。



悟江「続いて、皮です。そのままでも」


テツヤ「あぁ、うまいね。このお酒、なんか香ばしいっていうか、香りがカカオっぽい?よくこのお酒を素揚げと合わせようと思ったよね、さすがだよ!」


ひいな「このお酒を初めて飲んだ時、すごく炭火焼と合うなと思って」


テツヤ「炭火焼かぁ、なるほど」


ひいな「お肉と合うなって思ったんだけど、衣がついた揚げ物じゃなくて、軽い揚げ物、素材を楽しむ感じがきっと合うなと思って」


一江「このお酒はおいくらですか?」


ひいな「1,347円ですね」


一江「今度、入れてみようかしら」


テツヤ「いいですねぇ」


一江「これすごくおいしい。燗酒でおいしいお酒大好きです。冷やでもいただいていいですか」


テツヤ「これ、冷やで飲んでもおいしいよ。栗っぽさがあるというか」


ひいな「こっくりしてるよね。燗酒向きのお酒ではあるけど、冷やしてもおいしい」


一江「ちょっとぬる燗もおいしいですね」


ひいな「ぬる燗って、やわらかく広がる感じがしますよね」


一江「そう。燗酒にするとおいしさが倍増しますよね。お燗したのは冷めても甘さが残ってるというか」


ひいな「最初に飲んだ時の甘さとは違いますよね」


一江「このまま飲むのと燗冷ましで飲むのとでは甘みが違うんですよね。燗冷ましもおいしいです」


ひいな「お母さん、ほんとうにお酒が大好きなんですね。日本酒ってゆっくり飲めるのがいいですよね。温かいうちに飲むのもおいしいけど。冷めていくのもいい」

メインとなる、ムネ・モモのセットが最後に登場!〆には骨スープも!



テツヤ「お母さんは若い頃、どれくらいお酒飲んでたんですか?」


一江「実は、養命酒で酔っ払っていたくらい弱かったんです」


ひいな「え〜!」


テツヤ「想像できない(笑)。じゃ、いつから飲めるようになったんですか?」


一江「お店をはじめてからですねぇ。カウンターに立つっていうのがすごく恥ずかしくて、身を隠したくて。だから飲むしかなくて」


テツヤ「なるほど、そういうことか!恥ずかしさをごまかすために」


一江「そうそう(笑)」


テツヤ「いまは、カウンターの中でおいしそうに飲んでらっしゃる(笑)。お酒を持つ姿もね、しっくりとなじんでますよ(笑)。ポテンシャルが花開いたってことかぁ。おもしろいですね、人生って。前のお店から移転して、こうやってアーティスト・イン・レジデンスでお店やるなんてねぇ(ライター注:以前の店舗から、2017年、アーティスト・イン・レジデンス〈HUNCH〉の1階に入居)」


悟江「前のお店を出なきゃいけないって時に、たまたま、ここのオーナーさんがアーティストを応援する場所をつくるから飲食店を入れたいということで声をかけてくれて」


一江「そうそう、この場所に呼んでいただいて。ひとつ返事で、行きます!ってね」

揚げ物を担当するのは、娘の悟江さん。お母さんとの連携も見事。



テツヤ「ここはね、お通しが3種類選べるんだけど、それも楽しいんだよ。ずらっとおばんざいが並んでて」


悟江「12種類くらいあります」


テツヤ「その中から3種類選べるんだけど、人によってこんなに好みが分かれるのか?ってくらいに違うんだよ」


ひいな「お父さんは、お子様っぽいメニューを選びがちだよね」


テツヤ「俺はね、ここの塩むすびが大好きで。絶対食っちゃうんだよなぁ。あとはきくらげ系も好きだな」

ムネとモモのセット1,600円はボリューム満点!生タマネギはニンニクの効いた特製タレにつけて召し上がれ!

熱々揚げたてのからあげを手づかみでいただきます!

〆には、食べ終わった骨から取ったスープをサービスで。春雨入り。



テツヤ「セット来た!もうね、ほんとにうまいから!」


ひいな「ムネとモモ、どっちか選べないから、どっちも食べたいもんね」


テツヤ「玉ねぎはドレッシングにつけて食べてください!」


ひいな「にんにくが効いてる〜!あぁ、おいしい〜〜〜〜〜!」


テツヤ「ほんとにうまいよね〜」


ひいな「『月山』が合うだろうねぇ。もうないけど」


テツヤ「もう飲み切っちゃったね(笑)」


ひいな「塩加減も揚げ方もほんとに絶妙です…」


テツヤ「俺はね、常連というにはおこがましいんだけど、〈うえ山〉が大好きなお店でね。いろいろな雑誌でも紹介させてもらったし、コロナが明けたら行きたいお店としても紹介させてもらって。だから『伊藤家の晩酌』に出ていただけますか?ってお願いしてみたわけです」


ひいな「お酒だけじゃない、おいしさとの組み合わせを教えてもらえるのがうれしいなぁ。すごく勉強になります」


テツヤ「ロックにしたり、炭酸割りにしたり、いろいろご提案いただいて、今日は新しい日本酒にも出会えたしね」


一江「『燗左紫』のぬる燗が一番おいしかったですね。いくらでもいけちゃいます、すーっと。酔わないし」


ひいな「酔わないのはありますよね」


一江「蒸発しちゃうんですかね?」


一同「(笑)」


ひいな「体温に近いときっと体にいいんでしょうね」


テツヤ「ほんとにめちゃくちゃおいしいです」


悟江「ありがとうございます」


ひいな&テツヤ「(からあげに夢中。無心で食べているため無言に)」



テツヤ「ずっと通ってたけど、日本酒を飲んだことなかったから、ほんとにおいしかったです。あらためて日本酒の可能性を感じたというか。素揚げとの相性も抜群だったし」


ひいな「お母さんもいろいろな飲み方を提案してくださったし、ぬる燗も、炭酸割りも。きっとまだほかにも、おいしい組み合わせとか飲み方があるはず!」


テツヤ「日本酒が自由に飲めるのっていいよね」


悟江「ほんとにおいしかったです。『月山』も!」


一江「2本ともほんとにおいしかったです」


ひいな「そう言っていただけて、とてもうれしいです。今日はどうもありがとうございました!」

〈鳥からあげ うえ山〉

悟江さんが描いた鶏の絵が目印。

東京都大田区西蒲田7-61-13 HUNCH
090-3572-8700
17:00〜22:00
木日祝休

【ひいなのつぶやき】
お酒好きのおふたりが作る絶品の素揚げは、日本酒と相性バッチリでした!素揚げの部位やお食事のペースに合わせて、自由な飲み方で日本酒を楽しむのがオススメ。〈うえ山〉さんセレクトの日本酒を飲みにまたうかがいます!ありがとうございました!!
ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中

photo:Wataru Kitao illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita

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