舞台上での立ち振る舞いもポイント!リアルイベントでの司会テクニック
Hanako.tokyo / 2022年12月7日 12時0分
Hanakoのイベントで司会をするなど、人前で話す機会の多いハナコラボ プロデューサー・土屋志織が、アナウンススクール〈テレビ朝日アスク〉に入門。果たして、憧れのアナウンサーのような話し方になれるのか…?全4回、短期集中連載でお届けします。
今回、担当する先生は…
川瀬眞由美さん。
第1回に引き続き教えてくださったのは、元テレビ朝日アナウンサー、テレビ朝日アスクの取締役を務める川瀬眞由美さん。第3回は、実際に人を集めて開催する“リアルイベント”での司会について、話し方はもちろん、舞台上での動きや目配りなどを勉強。事前に川瀬さんが用意してくださった、フォーマルとカジュアルの2パターンの台本を教材に進めていきます。
【フォーマルなイベント】とにかく丁寧に読んで、積極的に会場の空気作りをする
録画しながら、まずは実践。
川瀬さん作のオリジナル台本。
映像を確認しながら反省点をチェック。
舞台はHanakoの展覧会「Hanako1988・2022展」の開会式。お偉方がたくさん集まる、記念すべき日の司会という設定です。
まずは実践。緊張しているのか、自身なさげに台本を読む土屋。「恥ずかしくて観られない…」と言いつつ、録画した映像を確認します。「覇気がない!何のためにこのイベントがあり、司会者としてどんな空気を作らなければいけないのかわからずに、なんとなくやってる印象です。司会という意味で使われるMCは『master of ceremony』の略。まずは、その場を仕切る人であるという自覚をもつことが大事です。あとは、文章と文章の間の取り方がすべて同じなのがもったいない。場を引っ張っていく緩急や間の取り方ができるといいですね」(川瀬さん)。土屋が直すべきポイントはこちら。
【1】事前告知(影マイク)は語りかけるように読む。
影マイクとは、舞台に上がる前のアナウンスのこと。「以前もお伝えしましたが、土屋さんは声の張りが足りないため、消極的に聞こえます。影マイクはお客さんからしたら耳だけなので、しっかり、きちんと話しましょう」(川瀬さん)。
【2】前にいるお客さんを意識して台本を読む。
「登壇後に軽く会釈したのは素敵でした!ただ惜しいのが、台本を読んでいる間はずっと下を向いていること。せめて文章の最初と最後は顔を上げると、お客さんのほうを向いている感じがして好印象です」(川瀬さん)。
【3】身内の紹介も一生懸命に!
「株式会社マガジンハウス」はしっかり言って、主催者であることをアピール。社長が登壇し、話している最中も気を抜かずにうなずきながら聞くこと。もちろん、ゲストは拍手して、華やかにウェルカムを。
【4】上半身を動かすクセに気を付ける。
どうやら土屋、緊張をほぐすためなのか、少し腰を振るクセがある。格式高いイベントでは凛とした姿勢を見せなければいけないため、意識して直すこと。
2回目で川瀬さんに褒められて、やっと笑顔に。
気を取り直して、2回目。「とてもよくなりました!」という川瀬さんの一言にほっとする土屋。「読み間違えは気持ちの焦りからなので、タイトルは確実に読めるようにして、あとはなんとなく言うことを把握しておけばOK。明るく、積極的なほうが大切です。惜しかったのは、開会の挨拶が流れるように聞こえてしまったこと。フォーマルなイベントの格っていうのは“丁寧さ”です。発音はもちろん、体と気持ちの向け方でもあるので、最後まできちんと読みましょう」(川瀬さん)。
テープカットでは手の動きをプラスするとより親切に
はさみとテープをジェスチャーで表現。
最後は軽く会釈して立ち去ると好印象。腰から真っ直ぐ折るときれい。
この台本のクライマックスは、開幕の合図となるテープカット。カットする代表者の名前は、一人ずつ丁寧に言うこと。「代表者が並んでいるのが見えてきましたか?文字を通して、どんな風景が自分の言葉によって作られていくのか。そして、どんな空気が会場に起きるのかをイメージしておくと練習しやすいですし、本番でもイメージしたことを相手に伝えやすいと思います」(川瀬さん)。テープカットについて説明することも重要です。「テープカットはよく見るけどやり方がわからないという人は多いと思うのでしっかり伝えること。できれば、はさみとテープをジェスチャーで表現してあげると親切です」(川瀬さん)。
反省をふまえて、最後に通しで実践!
3回目の映像を前に真剣な表情。
台本には赤字がたくさん!
「1回目に比べて全然違いますよね。腰を動かすクセもなくなりました。強いて言うなら、立ったときに決まった方向に向きがちなので、“私の庭!”くらいに思って堂々としたほうがいいです。また、顔を上げた瞬間に目が泳ぐクセがあるので要注意。頑張りましたね、土屋さん」(川瀬さん)。川瀬さんに褒められて、最初のときに比べて笑顔の土屋。次は土屋もよく担当する、カジュアルなイベントの司会に挑戦します。
【カジュアルなイベント】締めるところは締めて、あとは楽に
映像を観ながら反省会。
ジェスチャーで乾杯の練習。
練習後は、実際にグラスを持って。
舞台はHanakoスペシャル企画「TikTokスイーツ大賞表彰式&大試食会」。過去に土屋も経験のある、同世代の女性が集まるようなイベントの司会という設定です。
まずは実践から。フォーマルのときより、安心して話せている印象。受賞者の作品名を間違えてしまったのは残念!「逆にそこをおさえておけば、あとはいくらでも遊べるのがカジュアルなイベントの楽しいところ。普段、使わない言葉は目で見たときはわかりやすいけど、実際に言ってみると言えないことがあるので、事前に練習しておきましょう」(川瀬さん)。土屋が直すべきポイントはこちら。
【1】お客さんを友人として味方につける。
「いつも見てま〜す」など、会場から声が聞こえたら、無視せずに「ありがとうございます」と受けること。カジュアルなイベントの司会は参加者代表のつもりでOK。どんどんお客さんを友人として味方につけたほうが、会場全体を巻き込めていい雰囲気に。
【2】失敗しても開き直る。
言い間違えたときは、何度も言い直しせずに「あ〜言えなかった!もう一回言います」と言えば、お客さんに応援してもらえるはず。「一生懸命やるから応援してね」と、失敗をネタに場を沸かすくらいの開き直りを。言い間違えても動揺せず、そのまま被せて進めていく対処法もありです。
【3】登壇者とのやりとりで、ありきたりなコメントは言わない。
受賞者との短いやりとりをする際、「いまのお気持ちを聞かせていただけますでしょうか?」など、聞いている人が想像つきそうな質問はつまらないのでNG。「第一声が『おめでとうございます』でもいいので、司会者としてお客さん、登壇者と一緒に全体の流れを自分の中で大事にしていくと、段取りではないいいコメントができますよ」(川瀬さん)。
【4】イベントの内容によって乾杯の動きは変える。
乾杯のシーンは、フォーマルとカジュアルによって違いが。フォーマルはグラスを持ち上げる動きは小さめにしつつ、「乾杯」の声も品よく。一方、今回のようなイベントや二次会などのカジュアルな場合は、大きなアクションと明るい大きな声で盛り上げましょう。司会が元気な声を出して大きく動けば、お客さんも大きな声とアクションで応えてくれます。「ひじは伸び切らずに、かわいい写真を撮るイメージで。乾杯後は軽く口だけつけてすぐ置き、次に移りましょう」(川瀬さん)。
反省をふまえて、通しで実践!
司会者らしい、きりっとした顔つきになった気が…!
気をつけなければいけない固有名詞を間違えてしまったものの、最後までなんとかやりきりました。「話し方がきっちりしててよかったです。実際にお客さんがいれば司会としての気持ちも上がりますし、これだけ出来れば本番は十分できると思います」(川瀬さん)。
ちなみに、司会にとってハプニング対応も重要。例えば、フォーマルなイベントでのテープカットで、先にテープを切ってしまった方がいたら「それでは、みなさんもう一度行きましょうか!〜さんすみません、切ったところのテープを手で持っていただいてもいいでしょうか」と、軽くフォローしてあげる。無理に笑いは取らないほうが感じがいいです。
「リアルイベントは気をつけなければいけないことが多くて大変!事前の準備がとても大切なことがわかりました。授業ではよく噛んでしまったので(苦笑)、イベントの際はしっかり練習していきたいです」(土屋)。「そうですね。事前に練習するときは本番と同じ、もしくはそれ以上に大きい声で発声すること。特に言いにくいところはゆっくりと丁寧に。長い台本だと途中で飽きてくることがあるので、日によって違う箇所から始めると集中力が続きますよ」(川瀬さん)。次回ははやくも最終回!ナレーションについて学びます。
〈テレビ朝日アスク〉
東京都港区六本木7-18-23EX 六本木ビル6F
03-3401-1010
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