きゃりーぱみゅぱみゅの 「大人なLADYになるわよコラム」第42回〜『推しとはつながらないほうがいいわよ』〜
Hanako.tokyo / 2022年12月21日 21時0分
きゃりーぱみゅぱみゅが「大人なLADY」を目指す日々を綴る連載。おかげさまで、話題沸騰です。第42回は「推し」のお話。
『推しとはつながらないほうがいいわよ』
皆さま、ごきげんよう。令和になって“推し”と言われるようになった、きゃりーぱみゅぱみゅです。今まで言われたことがなかったので、新鮮です。
推し、皆さんもいますでしょうか?
“推し活”という言葉もよくメディアで見かけるようになりましたし、今ではアイドルに限らず、俳優とかアニメのキャラクターとかいろんなジャンルでも、推しという考え方が広まってきていますよね。
そして、ついに私にまで「推しが尊い」と言う人が現れました。
ただ、最初はあまりに異文化すぎて、「今日も推しのビジュアルが優勝でした」が、「キョウモオシノビジュアルガユウショウデシタ」と、カタカナに見えてしまうくらい「何それ?」でした。
とはいえ、自分のことをどんな形であろうと応援してくれるのはうれしいです。それにこれが今の新しい応援の形なんだと、こっちも勉強になります。
そういえば最近、外を歩いてると、推しのアクリルスタンドに背景を入れて写真を撮ってる人をよく見かけます。ほっそいプラスチックになった、ジャニーズの男の子とか、アニメのキャラのやつです。
で、その写真をインスタとかにあげるわけなんですけど、それを見て、最近の人たちって、みんな推しを応援することに全力なんだなあと感じます。
思えば、昔って、推しがいたとしても、その愛を今ほど周囲には出していませんでしたよね。
でも今は、自分がオタクだということをもっと出していいよみたいになっていて、なんなら今は、それがイケてるとされる時代になっているような気がします。
昨今のK-POP人気とかもその流れだと思いますし、いわゆる“ホス狂”と呼ばれる、ホストにハマってる人たちもそうなのかもしれません。
ホストクラブに行っても「担当が最近冷たくてぴえん」みたいな、ここの層が最近めっちゃ増えてて、SNSにはカリスマホス狂なんかもいたりします。
黒い厚底の靴を履いてて、だいたいツインのポニテに姫カット。で、たぶんサンリオのクロミちゃん好き。
そんなお人形さんのような見た目の子たちに、下の世代が憧れてて、これが新しい“かわいい”になってるっぽいんですよね。
いや~、時代は変わりました。
でも、推しがいることで、コロナで暗くなった日々を前向きに明るくできてるのは間違いないし、この時代に推しという考え方が広まったのは、たぶん必然なんだと思います。
人々が救いを求めた結果、推し活につながったということなのかもしれません。
だからその分、推しの熱愛が発覚したりするともう大変です。熱愛相手の過去のSNS投稿が、解析班によってすぐ“縦読み”されてしまいます。
その大半はこじつけにしか見えなかったりするんですけど、でもたまにその縦読みが核心を突いてそうな“匂わせ”投稿もあったりします。
「二人で外に出ることもできないし、自分の中で消化しきれなくなって、意図的なのか無意識なのか、ついドヤりが漏れ出てしまったんだな…」
匂わせを見ながら、ついそんなことを考えてしまう私。
てか、縦読みとか、ねずっちばりに難易度高いことやっててまじすげ~!と思います。
SNSを軸にみんな推し活するようになって、中にはDMとかで推しとダイレクトにつながったりする人も現れて、最近では推しと結婚するパターンなんかも耳にするようになりました。
だけど、推しとつながるのって、実際のところどうなんですかね?
それで付き合ったりするようになって、普段の生活で推しが推しを超えてくることはあるのか、めっちゃ気になります。
要するに、「あの演技めっちゃよかった~」とか「あのセリフかっこいい~」みたいなオタクとしての高まりを、プライベートの推しは超えてくるのでしょうか?
結論から申し上げますと、今のところの私調べでは、残念ながらそれは120%ないっぽいです。
プロといえばプロということなんだと思うんですけど、推しにはあのステージで見せてくれる以上のものは、何もないと思ったほうがいいみたいなんですよね。
超イケメンがちょっとでもオナラをすると減点になるように、基本的には100の数値が減っていく一方の関係で、下手したらプライベートでは酒癖が悪いとか、女の子に辛辣なことを言うとか、メンヘラ気質だとか、残りは本当にマイナス面ばかりになってしまうという…。
まあ、知らんけど。でも、たぶん芸能人ってだいたいそう…(笑)。
なので、推しとはつながらないほうがいいんじゃないかな~と私は思います。
DM一本であの推しとワンチャンつながっちゃえるだなんて、思えばすごい時代です。もはやその距離感をどう保っていくのかは、当事者次第。
推し側はDMとかをスクショされてみんなを絶望させないように、オタク側はちょうどいいポジションから踏み込まないように気をつけながら、お互い快適な推し活ライフを過ごしていきたいですね。
もちろん、私も超せる自信はありません。なんならリアルではがっかりさせる自信しかないので、夢の世界で会いましょう~
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今年でデビュー11周年。29歳になったきゃりーぱみゅぱみゅが、「大人なLADY」を目指す日々を綴る新連載。「丁寧な暮らし」への道のりを等身大の言葉でお届けします。(第1・第3水曜日更新)
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