年の始めに着物で行きたい、〈八坂神社〉と〈きんせ旅館〉|モデル・本山順子
Hanako.tokyo / 2023年1月26日 16時0分
京都在住のハナコラボ パートナーが、現地に住んでいるからこそわかる、いま行くべき注目スポットを紹介。今回は、モデルの本山順子さんが、着物で訪れたい京都の美しいスポットをお届けします。
こんにちは!本山順子です
初めましての方、また、以前の連載「本山順子の迷子のお守り。」をご覧いただいていたみなさまは改めまして。日本仏教検定1級を取得するなど、日本の伝統文化をこよなく愛す、モデルの本山順子と申します。
3年ほど前に、神社仏閣に関するYouTubeを始めるにあたり、「京都に住んだら楽しそうかも!」と思い立ち、吉日的なノリで東京から引っ越しました。偶然いい物件を見つけて、1週間後には京都へ。京都では着物姿の方を見かけるのは日常的。いずれは「着物は普段着です」と言えるくらいになりたいという憧れもあり、引っ越してから着付けのお勉強を始めました。
着物ライフも楽しめるようになってきたところで、本連載では着物で訪れたい京都の美しいスポットをお届けして参りたいと思います。お散歩となると「小紋(こもん)」や「紋なしの色無地」などが一般的にふさわしいとされていますが、お着物にはたっくさん種類があります。せっかくこのような機会をいただいたので、普段は着れない、色々な種類のお着物もスポットと一緒にご紹介させていただければと思いますぜひ、寛大な心で楽しんでいただけると幸いです。
2023年、卯年に想いを託したい!〈八坂神社〉の“願掛けうさぎ”
〈八坂神社〉の南楼門。
振袖部分や裾には、豪華な檜扇や松竹梅などのおめでたい柄。
遅ればせながら「新年、明けましておめでとうございます!」ということで、今回のお着物は檜扇(ひおうぎ)に宝尽くしが描かれている大変おめでたいアンティークの大振袖に、孔雀の袋帯を合わせてみました。裾にはふき綿が入っており、ふっくらした重厚感があります。振袖は未婚女性の第一礼装。成人式や卒業式、結納の席などにピッタリ。空間がパッと華やぐような豪華さがあります。新年のご挨拶にやってきたのは〈八坂神社〉。四条通に面した西楼門を正門だと思っている方が多数だと思いますが、実はこちらの南楼門が〈八坂神社〉の正門なんですね〜。
「大国主社」
かわいらしく並ぶ「願掛けうさぎ」。
「因幡の白兎」に登場する大国主と白うさぎ。
〈八坂神社〉の境内にある「大国主社」にはかわいらしい「願掛けうさぎ」が並んでいます。2023年は卯年!神話『因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)』で大国主命(おおくにぬし)と八上姫(やかみひめ)のキューピットとなった白うさぎに本年の想いを託してみてはいかがでしょう?
〈八坂神社〉
京都府京都市東山区祇園町北側625
075-561-6155
24時間参拝可能(授与所9:00〜17:00)
無休
海外からのファンも多い、〈きんせ旅館〉の魅力とは?
2階の掃き出し窓などに花街の風情が漂う。
さて、今回はずーっと行ってみたかった〈きんせ旅館〉にお伺いさせていただきました〜!柄の大きい大正ロマンなアンティーク着物を選ばせていただいたのもそのため。より一層、その世界観にどっぷり浸りたかったので、なるべく建物に着物の年代を合わせてみました。幕末には討幕派も新撰組も通ったという京都最古の花街「島原」。花街の風情漂う花屋町通の一角に〈きんせ旅館〉はあります。
欄間の鳳凰や、牡丹のステンドグラスが美しいエントランス。
一歩足を踏み入れると、そこは着物ラヴァーであれば誰もが憧れる、あの時代にタイムスリップしたような空気感。エントランスには泰山タイルと美しいステンドグラスが奥ゆかしく輝きます。〈きんせ旅館〉が建てられたのは江戸末期で築250年ほどと伝わっており、かつては揚屋だったのだそう。1階部分はオーナーである安達さんの曽祖母の弟さんが大工の棟梁で、大正末期から昭和初期にかけて改装し、旅館として営業を開始されていたのだとか。
天井が高く、広々としたホール。
キジのステンドグラス。
カウンターの奥にもツバメのステンドグラスが。
かつてはダンスホールだったという大広間にもステンドグラスがふんだんにあしらわれており、そのモチーフがどれも他では見たことないような可憐なものばかりで混乱するほどに美しい!格式高い、折り上げ格天井のこちらはカフェバーになっており、誰でもこの素晴らしい空間でカフェやお酒を楽しむことができます。こんな素晴らしい空間をカフェバーにしてくださった安達さんには心より感謝申し上げたい所存。
香り高い〈IWASHI COFFEE〉。
安達さんが丁寧にコーヒーを淹れてくれました。
美しさにクラクラしていると、コーヒーのいい香りが漂ってきました。こちらのコーヒーは以前は玄関スペースで焙煎されていたという〈IWASHI COFFEE〉の豆が使用されているのだそう。久しぶりにこんなおいしいコーヒーをいただきました!昭和の終わりには旅館を閉じ、おばあさまのご実家として使用され、その後は20年ほどそのままにされていたのだとか。2009年の復活の際に唯一手を手を加えて作ったというカウンターも空間になじんで素敵です。
ステンドグラスとお着物。
カウンターの向かいにはDJブース。
不定期でDJイベントや、安達さんの奥様が生花のワークショップを開かれたりされているそうで、そちらも興味津々。1日1組限定の旅館となっている2階部分は揚屋時代の内装が残されています。京都市から歴史的風致形成建造物の認定を受けた建物に泊まれるなんて贅沢ですよね〜!
〈きんせ旅館〉
京都府京都市下京区西新屋敷太夫町79
075-351-4781
17:00~22:00
火休(Twitterで要確認)
![IMG_4540](https://img.hanako.tokyo/2017/08/IMG_4540.jpg)
モデル、クリエイター。日本仏教検定1級を取得するなど、日本の伝統文化をこよなく愛す。神社仏閣に関する情報を発信するYouTubeチャンネル「じゅんことまいる!」をきっかけに、数年前から京都に移住する。Instagram:@junkomotoyama
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