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聖地巡礼!?フランス・パリで夢のパン巡り|花井悠希の「この街この駅このパン屋」

Hanako.tokyo / 2023年3月2日 12時0分

聖地巡礼!?フランス・パリで夢のパン巡り|花井悠希の「この街この駅このパン屋」

ヴァイオリニストの花井悠希さんがお届けする、新しいカタチのパン連載。1つの駅、1つの街にフォーカスを当て、ここでしか出会えないパン屋さんを見つけていきます。

〈オペラ座〉前。

「KENZO」のパリコレでのステージ。

タイトルの通り、連載3回目にして日本を飛び出してしまいました。すみません。私の所属する〈1966カルテット〉が「KENZO」のパリコレで演奏するというビッグイベントがあり、先日パリに行って来ました。何年ぶりかというほど久しぶりの小麦粉の楽園・パリ(勝手にそう呼んでいる)。ここぞとばかりに使命感にも似た高揚感をたぎらせながら、パリの右岸地区を中心に歩いてパン屋巡りして来ました!

ショーの映像はこちら

今回の街…フランス・パリ右岸地区

朝パンを買いに。

美しいアーケード街「パサージュ」はパリらしい景色。

パリ最古のショコラティエは外観から夢の世界。

今回は「KENZO」のコレクションでの演奏という大きなお仕事での滞在。緊張感がついてまわり、スケジュールがタイトな中でも忘れることはなかったのはパンへの忠誠心です(パンのしもべ)。「KENZO」の本社があるオペラ・ブルス地区を中心に、歩ける範囲で事前にGoogle マップにたくさんパン屋さんをストックしておいたもんね。こんな寒いのに少し歩けばパン屋さん、お菓子屋さんと山ほど出会うから、お散歩が捗る捗る(さすが小麦粉の楽園)。「パリはたくさん歩くよ」と聞いていたのは本当でした。

1軒目〈Ernest & Valentin〉

パリに着いて初めてのパン屋さんに喜びを隠せない私。

まずはクロワッサンだよね。

ケーキもたくさん。

最近、パリに行っていた友人が教えてくれたお店。ここのクロワッサンがおいしかった!との情報を得ていたので、クロワッサンに狙いを定め、まずはこちらに突撃です。

「クロワッサン」

一口食べればデニッシュみたいな表面のパリパリ食感に出会うから、おお?なんだなんだ?と探りを入れたくなる。ドライな質感なのに、バターの甘みや香りはじわじわと確実にやってきますね。使っているバターがやっぱりおいしいんだなぁ。温めずにそのままいただきましたが、バターたっぷりなはずなのに脂っこさが全くなく、空気が内側の巻きの奥までホップステップしています。蜂の巣のように細かい空気の穴が無数に広がっていてふっかふか。湿度を全く感じないのは気候が味方しているのかも?

2軒目〈Artisan Boulanger M. Denis〉

ガラス越しにのぞくだけでテンションが上がります。

こちらもケーキからパンまで楽しくなるショーケース。

ケーキやタルトから様々な種類のクロワッサンやバゲットまで、所狭しと並ぶパン達に目移りしてしまいます。ひっきりなしに人が訪れる人気店です。

「クロワッサン」

さてクロワッサンを買おうと頼もうとしたら、全く同じ見た目のシンプルなクロワッサンがなぜか2種類。聞けばマーガリンのクロワッサンとバターのクロワッサンとで選べるらしい。そんな選択肢初めてだよ!とまた一つ興奮した私です(常に興奮気味)。バターをチョイス!こちらのはこんがりと色づいた焼き目がいいですねぇ。バターの風味は感じつつも焼き目しっかり故に香ばしい苦味が印象的です。こちらも内側の質感はドライで、こんもりと膨らんだ気泡の豊かな入り方が理想的。

「シューケット」

シュークリームの皮だけ食べたい勢に贈りたい。

軽やかな見た目と可愛らしいサイズ感につられて、これも!とレジ前で思わず追加。軽い軽いシュー生地です。シュークリームの皮をきゅっと瞬間的にフリーズドライにしたようなカリッと感が小気味良い。シュークリームの皮のあの鼻に抜ける風味もぎゅっと濃縮されています。そこに金平糖のような砂糖がじゃりっと甘くにじんで、にっこり。

3軒目〈Le Pain Retrouvé〉

鳩も夢中になるおいしさ!?

店内のいい香りにクラクラ。

明るい雰囲気が楽しいパン屋さん。

マルティール通りにあるこちらのパン屋さん。この通りにはベーカリーがたくさん立ち並んでおり、目移りしすぎて真っ直ぐ前を見て歩けない危険エリアです(興奮)。最終日にパリ在住の方が連れて行ってくださいました。こちらで日本へ連れて帰るパンを仕入れるとしますかね(業者か)!現地の方で賑わっていて、店員さんもみんな笑顔なのが印象的。活気のあるお店にワクワクしながら行列に並びました。

「アップルパイ」は、はみ出る皮付きりんごがIN。この形を死守するため、箱に入れて手荷物で持ち帰りました(本気)。

飛行機に揺られ、検疫を通過し、一緒に日本に帰ってきてもなお表面のサクサクをキープしてくれたこと、誇りに思うよ(大袈裟)。サクサクでありながら、一層一層はサラサラで繊細な重なり。食べれば途端にバターの香りが花開くのに、決して重たくなくサラリとしているのが特徴です。フランスで出会ったクロワッサン生地はどれもドライな印象が共通しているなぁ。
そして、クライマックスはグデンと大きなおしりがはみ出たとろとろのりんご。キャラメリゼされていてカリカリからのトロトロであまあま(語彙紛失)。りんごは原型を留めるのを放棄してだらけきっています。もはやこれはソース。まるで焼き芋のようなとろける甘味とりんごの酸味がクロワッサン生地に絡みついてもう大変です(私の感情が)。

「Petit Epeautre 100%(古代麦100%のパン)」

これはきっと“香ばしい”のその先の風味。大平原に広がる麦の穂が風に煽られビロードのような滑らかさを描き波打っている。一口含んだだけでそんな風景を見せてくれるような小麦の香りが炸裂します。表面はカリカリ。よく焼かれたエッジの苦味が最高のアクセント。
細かな繊維でぎゅっと詰まった質感なので、薄くスライスしてクラッカーのようにチーズと合わせて頂きました。表面のカリカリとは裏腹に内側は触れるとひんやり冷たい。これはきっと、十分に水分が蓄えられている証なのでは?だって「水分が満ちた肌は触ると冷たい」って某美容家の方が言っていましたから(え?)。

「meule aux fruits」

「meule」はフランス語で「石臼」という意。石臼挽きの小麦を使っているってことかと思われます(おそらく)。だからなのか思わず目がカッと開くような小麦の力強い香りがすごい。そしてそれをさらにワイルドに仕立てる焦げ目がしっかりついた焼きの苦味。そんなハードボイルドな香ばしさを知ってか知らぬか、目にも楽しいほどどっさり入ったドライフルーツやナッツたちも声高らかに主張を始めます。競いあっているように見えて、決して競っているわけじゃない。みんな同じ目標(おいしさ)に向かって切磋琢磨する感じは応援したくなりますね(誰?)。
ほくっと身が崩れる新鮮なピスタチオの青々とした香味、クランベリーのプチっと弾ける果実感、どーんと入ったアプリコットのねっちりしたレアな食感にきゅっと濃縮した甘酸っぱさが迸り、そしてまたピスタチオの清々しさに戻るというノンストップ畳みかけ!どの一口もおいしい仕掛けに出会えます。

パリの朝。朝からがっつり食べられるタイプ。

好きなものしかないビュッフェ。

寝ぼけ眼でホテルのラウンジへ降りると、クロワッサンやワッフル、ハムにチーズがずらり。ビュッフェの中になんてことなく置いてあるマドレーヌですらカリッと目を見張るほどおいしいんですもの。やはりパン好き、小麦粉好きには楽園の街。今回紹介した3店舗は英語も問題なく使えて、パンについての質問にも答えてくれる観光客にも優しいお店でした。実際に歩ける範囲で巡れるので、旅の参考にしていただけたらうれしいです。

花井 悠希 ヴァイオリニスト

三重県出身。三重県四日市市観光大使。3歳よりヴァイオリンを始める。 2010年4月21日コロムビアよりデビュー。〈1966カルテット〉メンバー。http://columbia.jp/hanaiyuki/

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