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食事放談 はるかの部屋 Theme#11 レストラントレンド予報2023。

Hanako.tokyo / 2023年3月16日 15時49分

食事放談 はるかの部屋 Theme#11 レストラントレンド予報2023。

2023年が始まって約3カ月。昨年後半のトピックを振り返りながら、今年のフードシーンはどうなるか、“レストランの生き字引”な二人が語り合いました。

アラカルトで楽しめる お店が増えてきました。

毎日三食何を食べるか、食と真剣に向き合い続けるライターの小石原はるかさんによる対談連載。2023年も明けて落ち着いてきた頃、今年の〝レストラン予報〟をしてみることに。信頼をおく編集者、大木淳夫さんと一緒に展望する、フードトレンドとは?



小石原はるか(以下、小石原):今回お招きした大木さんは、私が毎年参加しているガイドブック『東京最高のレストラン』の編集長でいらっしゃいます。いつも大木さん主導でその年掲載するお店をリストアップしていますし、「食べログマガジン」では新店連載も担当されていて、今のレストラン事情をお聞きするにはこれ以上適任の方はない、と。



大木淳夫(以下、大木):昨年末にオープンした人気店に見られる傾向や、じわじわときているブームについて話せたらいいですね。



小石原:最近特に感じるのは、アラカルトのお店が増えてきたなということ。



大木:コースでお腹いっぱいにする、というだけではなくなってきました。私たちの年齢的なことだけじゃなく、世の中がそういう気分なのかな。



小石原:一時期、コースオンリーで一斉スタートのお店が増えましたが、ちょっと疲れちゃうときも。それもあって、コースとアラカルトが両方ある最近のお店はありがたい!私が好きなのは、ディナーはアラカルトが主体の〈

マルカ〉。パスタ大好きな人にはたまらないお店です。密やかなロケーションも素敵。



アラカルトだから自由に、パスタ尽くしの宴を。
パスタ好きが高じてイタリアンの道に進んだ北野司シェフ。オレキエッテ、タリオリーニなどさまざまな手打ち麺を中心に、10品ほどのパスタが日替わりで。手打ちのピチで作った神戸牛のボロネーゼ3,600円(2人分、写真は1人分)。小石原さんのおすすめは本鮪のタルタルをのせたブルスケッタ。当日案内の席あり。

malca(マルカ)

住所:東京都港区南青山2-27-16 篠塚ビルB1
営業時間:12:00〜15:00(一斉スタートのコースのみ)、18:00〜23:00LO
定休日:日月休
席数:18席
TEL:03-6804-3748



大木:隠れ家っぽいですよね。シェフはミシュラン一ツ星の〈タクボ〉でパスタ担当だった人です。



小石原:さらに、予約困難な〈チニャーレ・エノテカ〉が名物のパンをメインにした〈

パーネヴィア〉を作りました。〈チニャーレ〉のお料理がアラカルトで食べられるなんてうれしすぎる!〈シュリシュリ〉出身のシェフとサービスマンによる〈

フィレモネ〉もアラカルトのみ。本当に、去年からその日食べたいものを自由に頼めるレストランが続々とオープンしていますね。「シメにパスタだけ食べに行きたい」というワガママな思いつきにも対応してくれるような。

パーネヴィア

〈チニャーレ・エノテカ〉で人気を集めるフォカッチャ、カンパーニュなどの販売をしながら、不定期でランチとディナーの営業も。パンはオンラインショップからも購入可。
住所:東京都目黒区駒場1-16-9

フィレモネ

赤坂の住宅街にある、新田大介シェフとサービスの森裕太さんによる店。メニューにない料理のオーダーも受け入れてくれるという、懐の深さにもホッと安らぐ。
住所:東京都港区赤坂8-12-12 赤坂アンドロン101



大木:2回転目や、21時以降はアラカルトOKというお店も増えましたね。うれしい傾向で、常連の人もより気軽に訪れやすいですよね。お鮨屋さんでもコースのみだったところがアラカルトを始めるようになって……。



小石原:おっと!大木さん、お得意分野のお鮨については、また次の機会にじっくり聞かせてください!



大木:(笑)。そうしましょうか。話を戻して、〈フィレモネ〉は東京を代表するイタリアン〈ドンチッチョ〉の系譜にあって、安心して行けますね。いやはや、イタリアンは豊作です。フレンチでは〈

カイユ〉かな。



小石原:究極のアラカルト、とでもいうべきスタイルが話題のお店ですね。

カイユ

カウンターのショーケースにある前菜や食材を見て、食べたい料理、食べたい量を考えながら注文する“オートクチュール”のフレンチ。ワインは約200種そろう。
住所:東京都目黒区原町1-7-9 ドゥーエ西小山1F

街でいえば西小山が注目。 新旧問わず、良い店が多い。



大木:店内に並べられている食材の中から好きなものを選んで、調理法も注文して作ってもらえます。そうすると、お年寄りも小さな子供も、みんなでおいしいものが食べられる。このお店がある西小山って、最近注目の街ですよね。パンで呑めるお店とか、昔からあるところではモツ焼き屋さんとか、良いお店が多い。



小石原:西小山、いいですよね。〈

フジミドウ〉もパスタがすごくおいしくて、ワインはロゼだけというおもしろさ。確かに名店ぞろいです。

フジミドウ

カウンター席に座ったゲスト同士で会話も弾む、明るい雰囲気。モツを使った煮込みや新鮮な無農薬野菜の前菜を、ロゼワインと共に。好みに合わせてくれる「相談パスタ」が好評。
住所:東京都目黒区原町1-3-15



大木:ここはテラスで立ち飲みできる、と。そういえば立ち飲みもかなりのブームになっていますね。学芸大学にできた〈

韓国スタンド@〉がいい感じです。ビブグルマンも受賞する恵比寿〈韓国食堂 入ル 坂上ル〉の姉妹店で、スタンディングだけどしっかりとした料理が食べられます。飲み物は〝私的いい店の条件〟「虎マッコリ」が置いてあったり。あとは、渋谷の再開発で惜しまれつつ閉店した大衆酒場〈

立呑 富士屋本店〉も、少し場所を変えてついに復活しました!



コリアンビールやマッコリで上質な韓国料理をつまむ。
大阪・鶴橋にあった〈韓味一〉がルーツのカジュアルなスタンド。名物の参鶏湯をはじめ、ナムルやチヂミなどの定番おつまみ、スクランブルエッグやトンダペクス(蒸し鶏、写真下)902円といった家庭料理まで手作りでしみじみおいしい。店長の竹口美穂さんが考案する「キムチになる前のキムチ」418円も美味。

韓国スタンド@

住所:東京都目黒区鷹番3-12-3 真田ビル1F
営業時間:17:00〜24:00(土日祝16:00〜23:00)
定休日:不定休
席数:スタンディング25人ほど
TEL:03-6451-2809

立呑 富士屋本店

老舗酒店が営み「立ち飲みの聖地」として親しまれた店が再始動。「ハムキャ別」や「ナス味噌」などの人気メニューはそのままに、リーズナブルな価格で。渋いインテリアも楽しい。
住所:東京都渋谷区桜丘町16-10



小石原:まだ行けていなくて。往年のメニューもいただけるんですよね。



大木:そうなんです。あとは、立ち飲み屋じゃないけど、スタンディングスペースを作っているレストランも増えてきています。人気店だと、随分前に予約しないと入れなくてお客さんが遠ざかってしまうことも考えられるので、当日電話でサクッと入れる立ち席があるっていい。



小石原:人気店が予約を取らない席を作ってくれているのはうれしいですね。



大木:忘れちゃいけない、海老ワンタン麺の話もしておきましょう。最近、私たちが大感激したお店があるんですよね。



小石原:〈

香港麺 陸記〉ですね。本当に素晴らしかった! 蒸し鶏など、海老ワンタン麺以外のメニューもおいしくて。軽やかなスープと、独特な食感の麺がクセになるんですよね。

香港麺 陸記(ロッゲイ)

プリプリの海老ワンタンがのった麺は3個入りと5個入りが選べるが、5個入りをぜひ。澄み切ったスープは干し海老や海鮮がベースで、自然な甘みと旨みが魅力的だ。
住所:東京都港区芝大門2-6-11 欧文ビル1F



大木:麺は香港から輸入しているって言ってましたね。女性客も多いし、これからもっと人気が出そうです。



小石原:2023年、大木さんがほかに気になるトピックはありますか?



大木:ホリエモンさんとヒカルさんがプロデュースした渋谷のお店は、激旨辛の餃子が交ざった「ロシアン餃子」があったり、ドンペリニヨンを置いていたりと遊び心満載のところが上手だなと思います。ユーチューバーが手がけるお店はほかにもできているし、どんどん増えていくんじゃないかな。



小石原:今の時代ならでは、という感じ。異業種の方が飲食業界で成功するのはよくあることですし興味深いです。この後もどこか食べに行かれるんですよね?



大木:今夜は神楽坂のとあるフレンチへ。33歳と若いのに数々の名店を渡り歩いているシェフが、ほとんど一人で切り盛りしているんですよ。



小石原:それは気になる……また感想を聞かせてください!

小石原はるか ライター

こいしはら・はるか/うどん、焼きそば、肉と、好きなものにはとことんハマる“偏愛系”ライター。『東京最高のレストラン』(ぴあ)には毎年寄稿。最新刊は『自分史上最多ごはん』(マガジンハウス)。

大木淳夫 編集者

おおき・あつお/1965年東京生まれ。『東京最高のレストラン』(ぴあ)編集長を2001年の創刊から続けている。「食べログマガジン」で新店連載を担当し、日々フードニュースの最先端に。

photo : Kaori Ouchi text : Kahoko Nishimura

No. 1218



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