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神様がそばにいる暮らし。壱岐島[長崎県]/旅こそ、SDGs。#2

Hanako.tokyo / 2023年3月16日 20時15分

神様がそばにいる暮らし。壱岐島[長崎県]/旅こそ、SDGs。#2

九州の北西部、玄界灘の沖合に浮かぶ壱岐島。『魏志倭人伝』に「一支国(いきこく)」としてその名を刻み、日本最古の歴史書『古事記』の国生みの神話にも登場する、とても歴史のあるこの島は、古来、神々とゆかりのある土地として語り継がれている。八百万(やおよろず)の神々の息吹を感じる神秘の島へ、いざ参ろう!

博多港からジェットフォイル・高速船に乗り、島の東側の玄関口、芦辺港まで約1時間。船を降りて最初に向かったのはパワースポットとして近年注目されている神社。キャンプ場もある少弐(しょうに)公園の中を進むと、突然、玄界灘の眺望が開ける。海にせり出した岬の上に、凛とたたずむ鳥居と小さな祠(ほこら)が目に飛び込んでくる。出雲神社より龍蛇神を迎えて祀られたといわれている、龍蛇神社だ。岬から見下ろす龍蛇浜にはウロコのように薄い石が弧を描くように重なり合う不思議な光景が広がり、まるで海に潜る龍のようにも蛇のようにも見える。壱岐で出会う最初の神様に上陸のごあいさつをすませ、島内を巡る。内海湾に浮かぶ小島神社は、干潮時の前後数時間だけ海から参道が現れて、歩いて参拝することができる。ここは島全体が神域。太陽と月の引力によって現れる神秘的な砂浜の参道を通り、自然に守られた神様に会いに行くと、時空を超えたような不思議な心持ちになる。「神秘のパワースポット」と呼ばれる所以(ゆえん)だろうか。穏やかな内海(うちめ)湾は、かつての「一支国」の王都・原(はる)の辻を訪れる古代船が往来する玄関口であったそう。

「この辺りは『古代の道』と呼ばれ、その風景は太古から変わっていないといわれています。地下水が豊富な肥沃な土壌で、米、麦の栽培は弥生時代から。平戸松浦藩の頃、米は年貢として納めるので、麦で発酵させたもろみを自家蒸留するのが農民たちのささやかな楽しみだったようです。焼酎造りの歴史は400年以上です」と、明治33年から続く焼酎蔵元〈壱岐の華〉の4代目・長田浩義さんが教えてくれた。実は壱岐は麦焼酎発祥の地でもある。長田さんが造るのは、地元の麦と甘味のある米麹を使った旨味たっぷりの麦焼酎だ。



歴史は1500年以上、こんこんと湧く子宝の湯。

宿泊はやはりパワースポットと名高い〈平山旅館〉へ。露天風呂が付き温泉の神様が祀られたありがたい客室もあり、通称「子宝の湯」として地元の人にも愛されている鉄分多めのとろっとした温泉が旅の疲れを癒す。夜も朝も、食卓には食べきれないほどのご馳走が並び、もてなしの心に圧倒される。

「壱岐島の自然の恵みをふんだんに味わっていただきたいので、ついこのボリュームに。でも食べきれなくても心配いりません。残った食材は馬や鶏の餌、畑の肥料として循環させていますから」と、女将の平山真希子さん。

壱岐には神社庁に登録されたものだけで150以上の神社が存在し、小さな祠や社を加えるとその数は1000以上。道の辻や田畑などいたるところで祀られた祠を目にする。店や一般の家庭でも神棚がある家が多いそうで、島の人にとって神様がいかに身近な存在であるかが窺える。この島の人たちはきっと神様と仲が良いのだ。そして人々の感謝の思いが、神様たちをパワフルにする。「壱岐島にはいろんな神様がいるから、自分に合う神様を見つければいいんだよ」と、地元の方が教えてくれた。仲良くなった神様に会いに、何度も訪れたくなる島だ。

【参る】小島神社

干潮時だけ参道が現れる小島神社は、通称「壱岐のモンサンミッシェル」。

芦辺港から車で約7分。参道は滑りやすいので歩きやすい靴がおすすめ。

住所:長崎県壱岐市芦辺町諸吉ニ亦触1969
TEL:0920-45-1263(御朱印予約)

【参る】月讀神社(つきよみじんじゃ)

巨木に見守られるように静かに鎮座する月讀神社。御祭神は『古事記』にも登場する月讀命。全国の月讀神社の総本社とされている。

芦辺港から車で約10分。10時~17時はお守りや御朱印を社務所でいただける。

住所:長崎県壱岐市芦辺町国分東触464
TEL:0920-45-4145

【参る】龍蛇神社(りゅうだじんじゃ)

玄界灘を望む竜神崎の上にたたずむ龍蛇神社。

芦辺港から車で約5分。御朱印希望の場合は、電話で要予約。

住所:長崎県壱岐市芦辺町瀬戸浦
TEL:0920-45-1276(壱岐神社)

【買う】壱岐の華酒造

焼酎蔵元〈壱岐の華〉の貯蔵庫には熟成用の樽がずらり。

樽熟成の研究にも取り組み、品質向上に余念がない4代目の長田浩義さん。

オーク樽で5年熟成した麦焼酎「海鴉」は洋酒のような味わい。社長が幼い頃によく遊んだという小島神社の鴉にちなんで命名。

住所:長崎県壱岐市芦辺町諸吉二亦1664-1
TEL:0920-45-0041
営業時間:9:00~17:00(工場見学・試飲)
定休日:不定休
https://ikinohana.co.jp/

【泊まる】平山旅館

お造りにブリのしゃぶしゃぶなど〈平山旅館〉の食事はとにかく豪華。

露天風呂と神社が祀られた客室「月の間」。

3代目女将の平山真希子さん。

源泉掛け流しの露天風呂。

旅館の梅林と自家農園。採れたての無農薬野菜が食卓に並び、無添加の自家製梅干は絶品。

住所:長崎県壱岐市勝本町立石西触77
TEL:0920-43-0016
宿泊料:1泊1名17,750円~(2食付き、入湯税込)
https://iki.co.jp/

【飲む】ISLAND BREWERY(アイランドブルワリー)

〈ISLAND BREWERY〉のゴールデンエールと島のフィッシュ&イカリング。

壱岐島唯一のクラフトビール醸造所。

老舗酒蔵によるブルワリー。魚に合うビールが勢揃い。各種400円~。

住所:長崎県壱岐市勝本町勝本浦249
TEL:0920-42-0010
営業時間:10:00~22:00
定休日:無休

【食べる】モカジャバカフェ 大久保本店

海産物問屋だった140年以上前の古民家を改装した〈モカジャバカフェ 大久保本店〉。

地元の名産「壱岐牛」を100%使用した壱岐牛バーガー。

住所:長崎県壱岐市勝本町勝本浦359
TEL:0920-42-0500
営業時間:11:00~15:30LO、17:00~19:00LO(土日祝は通し営業)
定休日:木休

おみやげ横丁 shikioriori

「うにめしの素」2合用1,200円。

右:「食べる壱岐牛ラー油」1,080円。左:「壱岐牛肉味噌」1,150円。

椿油1,500円。

〈おみやげ横丁 shikioriori〉で買える壱岐の名品をお土産に。芦辺港から車で約1分。

住所:長崎県壱岐市芦辺町箱崎中山触2604-2 
TEL:0920-45-4139
営業時間:9:00~20:00 
定休日:無休

旅こそ、SDGs。

“旅をする”とは即ち、その土地を訪れ、実際に見て、触れて、食べて、人と出会って話を聞いて、その思い出を持ち帰ること。日本各地の豊かな文化や貴重な自然を次の世代に残していくために、できる行動は何だろうと考えたとき、“旅をする”ことだと気がつきました。自分を豊かにしてくれる旅が、地域の継承にもつながっていく…。そんなSDGsな旅、西日本の4つの地域からお届けします。



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photo : Satoko Imazu text & edit : Chisa Nishinoiri

No. 1218



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