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ビールの味わいに合わせた、最高のコンビニフードおつまみとは?

Hanako.tokyo / 2023年3月23日 19時0分

ビールの味わいに合わせた、最高のコンビニフードおつまみとは?

唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”シリーズが、さらに拡大!いつもと違ったお酒の楽しみ方やいままで知らなかったお酒の知識などを、お酒のエキスパートの方々に教えていただきます。今回は家飲みの代表格ビール編。後編は、ビールのスタイルを学びながら、それに合うおつまみ選びの法則を教えていただきます!

色や味わいごとにちがうビールの種類「ビアスタイル」を知ろう!

ビールのおいしい注ぎ方を学んだ前編から引き続き、ビアジャーナリスト・フードペアリングインストラクターのくっくショーヘイにご登場いただきます!

後編は、一般的なラガービール以外にもたくさんあるビールの種類をマスターし、次にそのビールに合うおいしいおつまみとのペアリングの法則を知ることで、さらに家飲みがおいしくなることを目指します!



前回の記事はこちら



くっくショーヘイ(以下、ショーヘイ)「日本酒に純米酒や純米吟醸といった種類があるように、ビールにも種類があるんですが、何種類あると思いますか?」


父・徹也(以下、テツヤ)「黒、ラガー、ペールエールで3種類…?」


娘・ひいな(以下、ひいな)「IPAもあるよね」


テツヤ「フルーツ系もあるね」


ひいな「15種類!」


テツヤ「8種類!」

実は、国内外合わせて150種類以上もあるといいます。このビールの種類のことを「ビアスタイル」と言い、年々、新しいスタイルが増えていっているのだとか。

とはいえ、150種類ものビアスタイルを覚えるのは大変ですが、スタイルは違っても、味わいが似ているものも。たとえば、黒ビール。見た目が黒くてローストした香りがあるものを黒ビールと一般的には言いますが、厳密には「スタウト」や「シュバルツ」などさまざまなビアスタイルを総称して使っている場合がほとんどなんだそう。

そこで、くっくさんは味の傾向別に大きく分類した、8種類のカテゴリー分けを提唱しています。

奥から順に、淡色ラガー、淡色エール、白ビール、琥珀色ビール、黒ビール、フルーツビール、長熟・濃厚系ビール、個性派ビール。色も味わいもさまざま!

8つのビアスタイル


淡色ラガー:なかでも普段飲んでる一般的なラガーのほとんどはピルスナーと呼ばれるビアスタイル。すっきりとした味わいで、香りもエールに比べるとおだやか。



淡色エール:IPA、ペールエールなど、クラフトビールの代名詞的存在がこちら。エール系は香りも味わいもふくよかで、ラガーに比べると飲みごたえがあるものも多い。



白ビール:ベルジャン・ホワイト、ヴァイツェンなど、色が白っぽくにごっている。苦味が少なめで、香りフルーティなタイプ。



琥珀色ビール:赤みを帯びたものやブラウン系の見た目。アルトやレッドエールなど、ビスケットやカラメル、ウーロン茶のような香ばしさを感じる。



黒ビール:一番知られているのはスタウト、ラガー系はシュバルツ、エール系はポーターなども。見た目は真っ黒! ローストしたフレーバーが感じられる。



フルーツビール:フルーツを使ったビール。甘み、酸味、フレーバーなどにフルーツを感じられる。最近は、ゆずを使ったものも多い。



長熟・濃厚系ビール:バーレーワインなど、アルコール度数が高くて、長期熟成された濃厚なビール。香りや味わいが複雑でゆっくり飲んで楽しめる。



個性派ビール:上記7つのどれにもあてはまらないもの。酸っぱかったり燻製風味がついていたり…なんでもOKな変わり種。

異なる味わいはグラスを変えて楽しむとよりおいしく飲める。8種類分を用意するのは大変なので、まずはこの2種類で十分。シャープなのど越しを楽しみたいなら直線系のグラスを、華やかな香りを楽しみたい時はワイングラスタイプのグラスを選んで。

味わいの傾向に合わせて、おつまみをセレクトしてみよう!

今回ご用意したのは、左からアサヒ生ビール マルエフ、よなよなエール、銀河高原ビール、琥珀ヱビス プレミアムアンバー、ドラフトギネス。どれもコンビニやスーパーで手に入るものばかり!

8種類の味わいの傾向を学んだところで、コンビニでも簡単に手に入る5種(淡色ラガー、淡色エール、白ビール、琥珀色ビール、黒ビール)と、次はそれに合うおつまみを選んでいきます! くっくさんがおすすめする、コンビニで買ってきてすぐ食べられるもので手軽にペアリングを楽しむ「コンビニペアリング」を実践してみましょう!

くっくさん推薦のコンビニペアリングの食材を用意。それぞれのビールを飲んで味わって、そのビールに合うおつまみを選んでもらいます。父娘、それぞれまったく違う結果に!

テツヤ&ひいなが選んだペアリング。さて、ビールとの相性はいかに!?



ひいな「淡色ラガーって、ふだん飲み慣れているビールだから、何を合わせればいいのか迷うね」


テツヤ「牛塩ホルモン炒めとかね、居酒屋でふつうに頼む感じで選んでみたよ(笑)」


ひいな「うん、お父さんが好きそうなのばっかり(笑)」


テツヤ「ひいなは、スイーツ系を結構選んだんだね。あんこはちょっと…」


ひいな「黒ビールのコクとか香ばしさにどら焼きは合うかなと思って。あと自信があるのが白ビール×クラムチャウダー!」


テツヤ「俺は白ビールにはしめ鯖を選んじゃったよ。どっちもシーフードだけど(笑)」
(白ビール×しめ鯖を実食!)


テツヤ「これは合わないわ…。めちゃ後味に残るよ…」



ひいな「うん…ビール飲み込んだ後も、しめ鯖の存在感がすごいね。クラムチャウダーのほうは後味とすごくいい感じに溶け合ってる!」


テツヤ「琥珀色ビールにはスモークサーモンを合わせてみたんだけど、なんか引っかかりもせず、さらっと消えていったな…」


ショーヘイ「大手が出しているビールって基本的に大衆向けに造っているビールなので誰もがおいしく感じるバランスやライトめな仕上がりなものが多いんです。ですから、琥珀色ビールの特徴としては、キャラメル感やビスケット感を想像してもらえれば」


ひいな「だとしたら、フロランタンいい線いってるかも!」
(琥珀色ビール×フロランタンを実食!)


テツヤ「うん!?なんか変な苦味と酸味が出るな?」


ひいな「ほんとだね…。わかった!フロランタンは黒ビールと合う気がする。コーヒーみたいな感覚で」


テツヤ「確かに酸味のあるアイスコーヒーみたいな感じがしてきたよ」

父と娘、2人でも合う・合わないの感覚が違うように、くっくさんは前提として「人の数だけ正解がある」と話します。「マリアージュ」という言葉ではなく「ペアリング」と言っているのはそのため。人によって味覚も違えば、その日のコンディションも違ってきますし、同じ料理でも作っている人が違えば味は違ってきます。「これじゃなきゃダメ」という組み合わせはなく、あくまでも「本人がおいしいと思えばOK」。ですが、よりおいしいと思う組み合わせを見つけるための手がかりとなるのが、「ペアリングの法則」なのです。

組み合わせのヒントはこちら!ペアリングの4つの法則をマスターしよう!

「この法則を使うとおつまみ選びがもっと楽になりますよ」とくっくさん。
法則は下記の4つ。



一緒の法則:香りが一緒、味が一緒、味の強さが一緒、濃い味には濃いビールなど、同じところを探して、合わせてみる方法。
例)色が濃いビール(麦芽を焦がしたもの)には、塩よりはタレのほうが合う。食材の色ではなくて、炒めた色、焼いた色など調理の色で合わせると良い。



置換の法則:一般的によく見る「おいしい」組み合わせをヒントにしてみる方法。日常にたくさんヒントがあるので思い浮かべてみて。
例)レモンティを分解するとレモンと紅茶。レモンの香りと紅茶の香りは相性がいい。つまり、レモンの香りがするビールと紅茶を使った洋菓子は合う。



味変の法則:甘み、塩味、苦味、酸味、うま味、渋み、辛味などの組み合わせによって生まれる、甘酸っぱさ、甘苦さなどのベストマッチを探ってみる方法。
例)苦いビールには甘みやうま味(出汁)を合わせてみると相性がいい。ラガービールに塩辛や出汁を使った和食など。



対比の法則:温度差、味わいの差、のどごしの差など、ギャップを感じることで心地よいと感じるもの。いわゆる脂っこいものを食べたあとに水分をほしくなるのはリセット効果が働いている。
例)熱々の餃子とラガービール、苦いビールと甘いものなど。

これらの4つの法則のうち、どれかひとつでもOK。いくつか組み合わせればより親和性のある組み合わせを考えることができます。ペアリングで相性がよいものは、この4つのうち、いずれかの法則に当てはまっているはずです。

たとえば、2人が「合う!」と言っていた白ビール×クラムチャウダーは、まさに一緒の法則。色が白で一緒、食感が一緒など共通点があるのがわかります。

くっくさんが考える、5つのビアスタイルに合う“ベスト1”をご紹介!



淡色ラガー×おでん:おだやかですっきりとした味わいの淡色ラガーは、やさしいだしの香りや味わいと相性がいいので和食系がオススメ。



淡色エール×オイルサーディン:香りがフルーティで酸味がある淡色エールは、魚介にレモンを絞るイメージで。地中海系の料理によくあるオイル+魚介+柑橘で相性がいい。



白ビール×スモークサーモン:白ビールも魚介と相性がいい。燻製などクセのある香りもまとめてくれる包容力がある。スパイシーなもの、ミルキーなもの、スモーキーなものなど。



琥珀色ビール×かぼちゃサラダ:カラメル、ビスケット、ナッツのような香ばしいものやそれと相性のよい食材を連想するのがオススメ。



黒ビール×フロランタン:黒ビールはコーヒーのように考えるとわかりやすい。スイーツ系とよく合う。ロースト風味は牡蠣のオイル漬けや貝類などの強い香りともバランスが取れる。



テツヤ「すごいですね。ぜんぜん違います!わぁ、琥珀色ビールとかぼちゃサラダ、一番しっくりくる。共存してる!」


ひいな「ほんとだ!琥珀色ビールとかぼちゃサラダ、トーンが同じだね」


ショーヘイ「それが強さを合わせるということですね。味の強さが一緒の法則です」



テツヤ「白ビール×スモークサーモン、くさいどころか、めちゃくちゃうまい!」


ひいな「おいしい組み合わせ!こんなにも合うなんてびっくりしました」


ショーヘイ「白ビールにはスパイスなどに例えられるフェノール香やバナナなどに例えられる香り成分が含まれていて、スモークサーモンのような燻製の香りとすごく合うんです。魚介系ともすごく合うのでイカのお寿司もよく合います。しめ鯖は青魚特有の匂いが強いので柑橘系の香りがついたフルーツビールと置換の法則で合うと思います」


テツヤ「黒ビール×フロランタンは、さすがひいなだね、正解!この法則を使えば、家飲みがグレードアップしますね」


ひいな「この法則は日本酒にも応用できそうです。すごく勉強になりました!」


ショーヘイ「ビールの種類も多様なので、自分好みのペアリングをぜひ見つけてみてください」

くっくショーヘイ(佐藤翔平)
フードペアリングインストラクター/ビアジャーナリスト。学生時代に「酸っぱいビール」に衝撃を受け、5,000種類以上のビールをテイスティング。10以上のお酒の資格を持ち、「ビアジャーナリストアカデミー」などで講師を務める。2022年、著書『うまいビールが飲みたい!最高の一杯を見つけるためのメソッド』(リトルモア)を上梓。最高の一杯を飲むためのさまざまなテクニックやビールの楽しみ方をわかりやすく伝える。

【ひいなのつぶやき】
「1杯目のビール」だけだった自分が「食後のビール」まで楽しむことができるとは目から鱗でした!〜ビール編その1〜で教えていただいた「おいしい注ぎ方」も取り入れて、その日の気分で種類や料理を選択する豊かなビールライフを過ごしていきたいと思います!
ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中

photo:Kaori Ouchi edit&text:Kayo Yabushita

前回の記事はこちら

伊藤 ひいな 唎酒師

東京生まれの25歳。大学入学時から割烹料理店でアルバイトをはじめ、20歳のお酒の解禁とともに日本酒にハマる。唎酒師の資格も取得し、日本酒の知識を増やすべく日々邁進中。父はHanakoをはじめ多くの雑誌で引っ張りだこの人気フォトグラファー、伊藤徹也。酒好き気質は間違いなく父親譲り!

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