1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

命を無駄にしない。一般財団法人〈森から海へ〉の鹿肉を活用したペットフードとは

Hanako.tokyo / 2023年4月12日 10時0分

命を無駄にしない。一般財団法人〈森から海へ〉の鹿肉を活用したペットフードとは

ハナコラボ パートナーの中から、SDGsについて知りたい、学びたいと意欲をもった人が「ハナコラボSDGsレポーターズ」を発足!毎週さまざまなコンテンツをレポートします。今回は、起業家・ヨガインストラクターとしてとして活躍するKIKIさんが、一般財団法人〈森から海へ〉の代表・渡邊智惠子さんに話を伺いました。

渡邊智惠子さん。

Hanako読者のみなさんこんにちは、KIKIです。
「女性起業家」「社会起業家」「シングルマザー」「オーガニック」。どれも近年、耳馴染みのあるワードですね。
今回、インタビューをした渡邊智惠子さんは、女性が働くことすらめずらしかった約50年前から正社員として企業に就職し、8年後には副社長に就任。その後、オーガニックコットン事業を行う会社〈アバンティ〉を設立し、シングルマザーとして一人娘を育てました。
2009年には、経済産業省による「日本を代表するソーシャルビジネス55選」にも選ばれ、2010年にはNHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』でも、その仕事ぶりについて取り上げられた渡邊さん。

70歳を超えた今も新しい財団を立ち上げ、社会に貢献し続ける、その情熱とモチベーションとは。今回は森を守り、鹿の命を無駄にしないで、ペットの健康を守る一般財団法人〈森から海へ〉についてお話を伺いました。

「森から海へ」ブランドイメージ。



ーーこれまで色々な分野で社会起業されてきた渡邊さん。全ての事業についてお伺いしたいことがありますが、今回は一般財団法人〈森から海へ〉について教えてください。

「始まりは7年以上前になります。ある知人から『森に鹿が増えすぎて、膨大な悪影響が出ているので見に来てください』と頼まれました。そこで私が目にしたのは、数年前まで草木が生い茂っていたという場所に草がなくなり、土だらけになっている状況でした。鹿が食べ尽くしてしまったそうです。落ち葉すらありませんでした」

柵で囲われているエリア以外の草は、鹿が全て食べ尽くした。

鹿に食べつくされた森の草木。

「森の中に落ち葉がないと、どうなるか分かりますか?雨水が森の中に留まらず、土砂崩れが起こるんです。その際、土砂が根っこの土もかっさらっていくので、木の根が丸出しになってしまい、木が育たなくなります。そして、流れるべき場所ではないところに水が流れるため、森の中の沢には水がなくなっています」



ーーなんと…。

「また、別の高原で以前はお花畑だった場所があります。今は鹿が花を全て食べつくしてしまいなくなってしまいました。花畑がなくなるということは、昆虫がいなくなり、昆虫がいないと小動物がいなくなり、小動物がいないと中動物がいなくなる…という、植物連鎖の破綻が起こります。
しかも、こういった事象は畑と違い被害総額などがないので、自治体が動くことができません。なので、私がまず行ったことは、メディアに声をかけて特集を組んでもらったり、政治家に声をかけて公約に入れていただくことでした。
そこからさらに先、私に何ができるだろうと考えた結果、捨てられている鹿を活用すべく、ペットフードのブランドを作ることにしたんです」

〈森から海へ〉の野生鹿フード。



ーーなぜ人間の食用ではなく、ペットフードに?

「人が食べるための鹿肉は、鹿を森で殺してから2時間以内に解体場に持っていく必要があり、ハードルが非常に高いのです。一方、ペットフードはそういった制限はなく、事業をすれば森を守ることもできるし、鹿の命が無駄になることもない。鹿肉は高タンパク・低脂肪・高ミネラルといった素晴らしい栄養素を兼ね備えているので、犬に食べさせれば健康も維持できるし、飼い主も幸せになる。これは四方良しだ!と思いました」



ーー四方良し!素晴らしいですね。そんなにいい食品なのであれば私も食べたいです(笑)。

「そうですよね。これまでは捨てられた鹿肉をなんとかしたいと思い、ペットフードを作ってきました。でも、ハンターの人たちもきちんと利益になるような、人が食べる用のジビエとして今後拡販していきたいと考えています。
現在、年間約60万頭の鹿を捕獲していますが、そのうち約50万頭は捨てられてしまっています。50万頭×30キロ(一頭あたりの食べられる肉)=年間15,000トンのフードロスをしていることに。
例えば、コンビニの賞味期限切れの食べ物や、調理済みの食べ物を捨てることをフードロスと言いますが、もっと原料の部分で捨てられているものがあるということにみなさん気づいて欲しいと思っています」



ーー原料の部分での膨大なフードロス、気づきませんでした。

「例えば鶏肉。ゲージの中に入れられて、ずっと食料を与え続けられ、太らせて運動もせず、24時間ライトがついた中で生きていた鶏と比べ、鹿は自由に野山を駆け回り、ヘルシーなものを食べているのでとても健康です。そんな健康な食べ物を食べたら、人間にとってもいい栄養になりますよね。それを捨ててしまうのはもったいないと思いませんか?」



ーー本当ですね。鹿肉を活用する方法を考えていきたいです。

〈森から海へ〉

http://morikaraumie.jp/

KIKI(深井瑛子) ハナコラボ/SDGsレポーター

起業家・ヨガインストラクター。スポーツ、旅関連を中心とした企業のマーケティングサポートを行う傍ら、ヨガインストラクターとしても活動。日本語の他、英語と中国語を話すトライリンガル。Instagram:(@vitamin_kiki)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください