お酒を広めた街・兜町を飲み歩く。#みんなが兜町に集まる理由

酒場フリークが今、一番注目するエリアといえば、兜町。この街にはお酒をこよなく愛する店主たちが手掛け、「自分が行きたい店」を体現した個性的な店が続々登場中。

江戸時代、日本酒の名産地といえば兵庫県の灘と京都の伏見で、そこから出荷されたお酒が到着する船着場が今の兜町にあった。お酒は兜町から江戸の各町に運ばれて広まったというルーツは、飲食業界では実に有名な話。そんな歴史にあやかって、この地で飲食店を始めたという人も多い。最近では日本酒に限らずワイン、ビールなどを扱う個性的な店も、ますます増えている。

Human Nature（ヒューマンネイチャー）

個人が収集した300本以上の自然派ワイン。
ナチュラルワインの酒屋＆角打ち。「国籍は問わず、寒い国で造られた繊細ですっきりした味わいの品が中心」と店主の高橋心一さん。

グラス1,200円〜。販売可。

中でも一風変わった店として注目したいのが

〈Human Nature〉だ。オーナーの高橋心一さんは、イタリアの大学院で食科学を専攻。イタリアでの暮らしでナチュラルワインの魅力にハマり、自身が収集したボトルを店で振る舞う。「社交場のような空間がつくれたら」と考えたのがオープンのきっかけだと語る。

Human Nature

住所：東京都中央区日本橋兜町9-5　
TEL：[phone]　
営業時間：15:00〜22:00（日13:00〜18:00）　
定休日：無休　
席数：10席

Omnipollos Tokyo（オムニポロストウキョウ）

ストックホルム生まれのクラフトビール。
醸造家とグラフィックデザイナーがタッグを組んだストックホルム発のクラフトビールブランド。築70年の鰻屋をそのまま使った店舗も個性的。

アジア1号店は内装も評判。ビール900円〜。

そこに隣接するのは

〈Omnipollos Tokyo〉だ。兜町で約70年も続いた老舗鰻屋の風情を生かしてリノベーションした店は、外観は鰻店のままなのに、格子戸を開けるとまるで別世界！スウェーデン人デザイナー、フレドリック・ポールセン氏が手掛けた鮮やかなスカイブルーの店内では、全10種のタップビールや豊富な缶・瓶ビールが楽しめる。

Omnipollos Tokyo

住所：東京都中央区日本橋兜町9-5　
TEL：なし　
営業時間：16:00（土13:00）〜23:00、日祝13:00〜21:00　
定休日：無休　
席数：20席

かめじま商店

銀座の名店が手掛けた酒屋ビストロ。
酒屋さんが営む絶品おつまみが評判のビストロ。ここではクラフトビールとナチュラルワインが看板。

レバームースとパンドエピス980円。

もうひとつ、自然派ワイン好きに絶大な人気を誇る店が

〈かめじま商店〉だ。ここは「酒屋が始めたビストロ」スタイル。おいしい自然派ワインをお値打ちで味わえるようにと、わざわざ酒販免許を取り、販売したワインも店内で楽しめる。飲み切れなかったらお持ち帰りしてと、あくまでお客目線でもてなす姿勢に惚れ込むファンも多い。亀甲形のレモンのついたハイボールも好評だ。

かめじま商店

住所：東京都中央区日本橋茅場町1-12-11 1F　
TEL：[phone]　
営業時間：16:00〜22:00（土12:00〜21:00）　
定休日：日月　
席数：22席

Ao（アオ）

渋沢栄一の書斎をテーマにしたバー。
ゴールデン街でレモンサワーバーを営む田中開氏と、受賞歴を持つバーテンダーの野村空人（そらん）氏がプロデュース。渋沢栄一に関する歴史本とカクテルを楽しめる。

ただ1人で静かに飲みたい時にありがたいのは

〈Ao〉の存在。赤を基調にした落ち着いた空間では、兜町の歴史にちなんだ名がついた絶品カクテルが。バーマンの接客も含め、まさに兜町の新名所というに相応しい。

Ao

住所：東京都中央区日本橋兜町3-5 K5 1F　
TEL：なし　
営業時間：18:00〜24:00（金土〜1:00）　
定休日：月　
席数：15席

日本酒スタンド酛（モト）茅場町店

女性が主役、の酛グループ最新店。
昨年10月に移転した酛グループ新店。旬を味わう日本酒をテーマに蔵元直送の日本酒と豊富なおつまみを立ち飲みスタイルで提供。

つぶあんの燻製430円。甘じょっぱい個性派おつまみに日本酒がすすむ。

一方、女同士で日本酒を楽しむなら断然

〈日本酒スタンド酛 茅場町店〉がおすすめ。ここでは料亭〈金田中〉出身の店長が作る絶品の酒肴をつまみながら、季節の日本酒を満喫できる至福の時間が待っている。

日本酒スタンド酛 茅場町店

住所：東京都中央区日本橋茅場町1-11-7 大成ビル1F　
TEl：[phone]　
営業時間：15:00〜22:30（土12:00〜21:00）　
定休日：日祝

photo : Kayoko Aoki text : Kimiko Yamada

No. 1219

大銀座から始まる東京小旅行／Travis Japan 2023年03月28日 発売号

年に一度、Hanako恒例の「銀座」特集。Hanako編集部は、東銀座の歌舞伎座の裏にあります。銀座の通りを歩いていると「この行列は何？」と街の様子にも変化が。そう、銀座に人々が戻ってきたのです。会社帰りのおひとりさまやカップル、ちょっとよそ行きのお洒落をした母娘の姿もあります。銀座のおとなり、八重洲には東京ミッドタウン八重洲がオープンし、変化が著しい兜町には店もゲストも東京中のお洒落さんたちが大集合。日比谷、有楽町にも噂の新店が続々登場し、かたや日本橋には100年続く老舗の名店が健在しています。この春は東京のど真 …

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