喫茶店から学ぶ、音楽。-JUHA (ユハ) –

西荻窪にある〈JUHA〉、名曲喫茶。ここで聴くことができるのは、店主がこだわる喫茶店に合う音楽。ジャズもブルースもクラシックもジャンルを超えたコーヒーミュージックとは。

西荻窪にある〈JUHA〉、名曲喫茶。

ブルーグレーの壁色と貼られたカウリスマキの映画のポスターが印象的。

店内は音楽とコーヒーを淹れる音だけ。訪れた人に余計な干渉をしないのも店のスタイル。

アキ・カウリスマキの映画のタイトルから名付けられた喫茶店〈JUHA〉。ここで学びたいこだわりは音楽。店主の大場俊輔さんは、自ら買い付けてきた戦前の古いレコードを店で流している。

「もともとジャズ喫茶が好きだったんです。うちの店でも最初は50、60年代のモダンジャズやフォークロアな音楽をかけていましたが、もっと古い時代がまだまだ未開拓で面白いぞと傾倒していきました。今は1920年代前後のジャズやクラシック、ブルースなどをかけています。古いレコードは音色が悪い。でもその膜がかかったような音の感触が喫茶店で流すと心地よいことに気づいたんです。1世紀前の音楽もジャンルを超えて聴くと現代までつながる流れがみえる。そんなルーツの奥深さも感じてもらえたら」

また「音楽に合うコーヒーを提供する」という大場さんの信条も学びたいポイントだ。お店では自家焙煎をした深煎りコーヒーを出している。
「焙煎士の中川ワニさんの、手網を使ったハンドローストの本を読んで試したら、すごくおいしくて。そこから自家焙煎に興味がわき、手廻しロースターを購入したんです。自分が学生時代に、レコードを買って喫茶店でコーヒーを飲み一服するのが好きだった。その心地よさを伝えたいと思いながら店をやっています」

1.店主こだわりの深掘り選曲から新しい音楽の愉しみ方をみつける。一般的な名曲喫茶、ジャズ喫茶と一線を画す選曲が〈JUHA〉の大きな魅力。店長は今も珍しいレコードを蒐集中。週に5〜10枚は新しいレコードを仕入れ、かけているという。店に通うほどにマニアックな音に出会うことができそう。

2. LPの魅力はレコード盤に針を落とすところから。800枚あるレコードは「ストックが置き切れないから」と店先にもずらりと並ぶ。店主が吟味し、針を落とす様にひとつの様式美を感じる。レコード独特のかすれやゆらぎのある音を響かせるのは年代もののDIATONEのスピーカーだ。

3. 自分好みの音楽に合うコーヒーとはなにかを考えてみる。新宿〈らんぶる〉で修業をしたという大場さん。「自分が好きな音楽には深煎りが合う」とコーヒーはオリジナルブレンド1種に厳選。そのスタンスに触れ、音楽とコーヒーの関係を掘り下げたい。コーヒーとスコーンのセット（1,100円）が人気。

JUHA

錆びた鉄製の扉がアイコニック。〈JUHA〉選曲のレコードは西荻北〈シェア音楽棚tent〉で購入もできる。

住所：東京都杉並区西荻南2-25-4　
TEL：[phone]　
営業時間：12:00～20:00　
定休日：月火休　
席数：14席

photo : Shinnosuke Yoshimori text : Kana Umehara

No. 1220

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