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コーヒー好きが語るお茶の魅力。 ( INTERVIEW WITH COFFEE LOVERS )

Hanako.tokyo / 2023年5月15日 14時19分

コーヒー好きが語るお茶の魅力。 ( INTERVIEW WITH COFFEE LOVERS )

コーヒーと合わせたり、スイーツに取り入れたり。コーヒーの器具をお茶に利用したり。
コーヒーとお茶。コーヒー好きに、日本茶に惹かれる理由を聞いてみた。

日本のお茶の世界をもっと知ろう。

何気なく飲んでいる日本のお茶。その世界は在来茶にブレンド茶など進化を遂げている。
お茶の淹れ方を見直したり、注目の品種を試したり。新たな日本のお茶の世界を体験してはどうだろう。

Satén japanese tea|小山和裕

コーヒーとお茶の道具が整然と並んで共存しているカウンター。ほうじ茶を粉末にするグラインダーもある。

抹茶ラテはコーヒーカップで提供。600円。



”コーヒーの器具から日本茶の味わいを抽出”
東京・西荻窪に5年前にオープンした〈Satén japanese tea〉。オープンと同時にお茶をテイクアウトする人、トーストとお茶でくつろぐ人がやってきてにぎわう、今や日本茶のカフェとして知られた存在だ。実はオーナーの小山和裕さんは、カフェの世界に入る前はコーヒーの世界に足を踏み入れていたという。日本茶のセミナーに顔を出してみると、生産地による味の違い、茶葉から味を抽出することなど、コーヒーと共通点があることに気づいた。そこで目をつけたのがコーヒーの器具だった。

「旨み、香りなどよりよい抽出をすることを考えてのことです」と小山さん。例えばコーヒーグラインダーで粉にしたほうじ茶を、エアロプレスを使って抽出しラテを作るなど、効率のよさを考えるとコーヒーの器具と日本茶の相性はよかった。「家庭でお茶を楽しむのなら必要ないと思いますが、お客様に安定した味のお茶を提供するためには、コーヒー器具が最適でした」
 
今ではコーヒードリッパーブランドとして知られる〈ORIGAMI〉とコラボして、日本茶ドリッパーを開発するように。「適度な大きさがなかったので、茶せんで抹茶ラテを作るための片口抹茶碗も作ってもらいました」。コーヒー専門のメーカーも日本茶の可能性に注目しているようだ。

Satén japanese tea

人気のメニューは抹茶ラテ、あんバタートースト550円など。日本茶のほかにコーヒーも味わえる。

住所:東京都杉並区松庵3-25-9 ロアジール松庵1F 
TEL:03-6754-8866 
営業時間:10:00~19:00 
定休日:不定休 
席数:20席

BONGEN COFFEE |白石航

土壁や障子、盆栽が和の趣を醸し出す空間は茶室をイメージ。エチオピアやパナマなど多様な生産地、精製方法の豆も販売。

香ばしさと旨み、ほろ苦さのバランスを楽しむことができる。

ほうじ茶ラテ+エスプレッソ790円。ほうじ茶はパウダー状にしたものを使用。



”日常を豊かにする日本茶の奥深さに惹かれる”
コーヒーショップとしてはめずらしい、和の設えに心がなごむ。漢字で「盆源珈琲」と書くように、焼き杉のカウンターの奥で目を引くのが美しい盆栽。日本人のアイデンティティとして“和の心”を大切にするオーナーの白石航さんは、店でもほうじ茶や抹茶をあつかう日本茶愛好家でもある。

「コーヒーと日本茶には共通点が多く、たとえば産地や品種によってその個性が異なることや、お湯の温度や量で味が大きく変わる点も似ています。カップや湯呑みに注いで上澄みを飲むという味見の方法は完全に同じ。僕はリラックスしたいときに上品な甘みと深みがある掛川茶を飲むのが好きで、新茶が出る季節になると、新しいコーヒー豆に出合ったときと同じくらいわくわくします(笑)。コーヒー豆は実、お茶は葉。そうした自然の実りをいただくことを大切に丁寧に伝えていきたいです」

BONGEN COFFEE

銀座の裏通りに佇むコーヒースタンド。専門店でもめずらしいウガンダ産の自家栽培豆をはじめ、浅煎りから深煎りまでさまざまなコーヒーを提供。

住所:東京都中央区銀座2-16-3 
TEL:03-6264-3988 
営業時間:10:00~19:00 
定休日:無休 
席数:4席

LIT COFFEE & TEA STAND|吉田直矢

カプチーノがおいしい店に出合って以来、コーヒーの世界に魅了されたという店主の吉田直矢さん。

ほうじ茶エスプレッソラテ700円。静岡のほうじ茶を使用。

エスプレッソマシーンで抽出。ほかに自家製ほうじ茶チャイなどもラインナップしている。



”苦みや渋みといったお茶の個性をポジティブに表現”
東京・芝の商店街に店を出すと決まったときから「日本茶も気軽に楽しめるカフェができたらと思っていた」と吉田直矢さん。生豆の個性を楽しみたいからコーヒーは絶対にブラック派。日本茶も同様に、茶葉の風味や香りを楽しんでもらえるようにと工夫を凝らす。

「祖母がお茶が好きだったので、子どもの頃から日本茶の苦みや渋みも“らしさ”だと思っていました。茶葉の品質や温度にもこだわって、日本茶の多彩な魅力を感じてもらえたらうれしいです」
 
人気のほうじ茶エスプレッソラテには静岡の〈カネイ一言製茶〉で焙煎されたオリジナルのほうじ茶を使用。その軽やかな焙煎香を最大に引き出せるようにとエスプレッソマシーンで抽出する。高温すぎると苦みが強くなるため、届いた茶葉を見ながら設定温度をその都度変える。日本茶愛が伝わる一杯で、癒しの時間を過ごしたい。

LIT COFFEE & TEA STAND

バリスタが、淹れるコーヒーや厳選した日本茶を気分次第で楽しめる店があったらという思いを叶えるカフェ。ホットサンドやスイーツなどの提供も。

住所:東京都港区芝2-15-15
TEL:03-6722-0038 
営業時間:8:00~18:00 
定休日:無休 
席数:15席

CLEHA COFFEE & TEAROOM|佐野亮介・亜也加

すべての作業を二人で分担する佐野夫妻。

抹茶スコン500円は、イートインの場合には粒餡も添えられる。

Cream Tea Set 1,800円は自家製粉する全粒粉スコンと、プレーンスコン、自家製ジャムとクロテッドクリームに、ポットかネルドリップが選べる珈琲or紅茶のセット。



”コーヒーと日本茶の共通項を追求し続ける”
今年1月に開店した〈CLEHA COFFEE & TEAROOM〉のメニューはとても潔い。なにしろスコンと飲み物のセットのみなのだ。

「喜んでもらえることを仕事にしたいと考えたときに、どちらも好きなコーヒーとスコンの店を作ろうと」と店主の佐野亮介さん。亮介さんはコーヒー専門店と抹茶スイーツの店でも経験を積んだ経歴の持ち主。亜也加さんもまた別の専門店でコーヒーに携わってきた。「お茶の時間は日常から解放されて、自分に優しくなれるひととき。必要なのは空間と、食べ物と飲み物」と亮介さん。そこにコーヒーや紅茶、日本茶という垣根は不要なのかもしれない。

「静岡出身ということもあり日本茶はとても身近な存在。日本茶の魅力は良質な渋みです。ティーライクなコーヒーを追求するのと同時に、これから先は旨みのある日本茶とスコンの提案もできれば」

CLEHA COFFEE & TEAROOM

スコンはテイクアウトも可能。ネルドリップにも浅煎りの豆を使用。営業日はInstagram(@cleha_kyoto)で確認を。

住所:京都府京都市上京区真盛町729-12 
TEL:075-366-3113 
営業時間:11:00〜18:00(17:30LO) 
定休日:不定休 
席数:11席

LOU|加藤健宏

共同代表の松島大介さんとともにコーヒーカルチャーを生み出す加藤さん。

就寝前の一杯にも。

煮出して飲むことも。

7月末に摘んだ熟成茶葉を大釜で茹でてから揉み、桶につけこんで発酵させる。



”日本茶を飲みながら心と頭をオフモードに”
日本のインディペンデント・コーヒーショップの先駆けとしても知られる東京・幡ヶ谷〈PADDLERSCOFFEE〉に次いで、中野にコーヒーやナチュラルワインを楽しめる〈LOU〉を開いた加藤健宏さん。“コーヒーの専門家”として、頭のなかにはつねにコーヒーがあるが、気分転換したいときは“仕事”を離れて徳島の阿波晩茶を飲むのが息抜きになっているという。

「四国には古くから発酵茶の文化があり、阿波晩茶は無形民俗文化財にも指定されています。全国的にも乳酸菌で発酵させた日本茶というのはめずらしいのですが、口当たりがまろやかで旨みが濃い。カフェインが少ないので、夜のリラックスタイムに飲むのが習慣です」と話す。心のスイッチをゆっくり切り替えるために。コーヒーのプロが日本茶を愛する理由がそこにある。

LOU

壁をつたうグリーンが印象的な外観。昼はコーヒーやハーブティーを、夜はクラフトビールやナチュラルワインを求めて通う人も多い。

住所:東京都中野区中野5-53-4 
TEL:03-3387-0888 
営業時間:8:00~22:00 
定休日:水休 
席数:25席

photo : Kenya Abe (Satén), Taro Ota, Yoshiko Watanabe (CLEHA) text : Keiko Kodera, Mako Yamato (CLEHA)

No. 1220



喫茶店に恋して。/道枝駿佑 (なにわ男子) 2023年04月27日 発売号

一日一杯のコーヒーを素敵な喫茶店でゆっくりと飲めたら。今号では、喫茶のスピリットを受け継ぐ新店、本や音楽、器選びに空間づくり…店主の哲学が隅々までいきわたる「学び」のある喫茶店などを徹底ガイド。全国の心地いい空間とおいしいコーヒーで、あなたのオアシスになる一軒を見つけてみませんか。コーヒー好きも魅了する、新たな日本のお茶の世界を覗く第二特集も必見です。



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