1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

寿木けいの 「一から家具を作ってもらうということ」#1

Hanako.tokyo / 2023年8月7日 15時0分

寿木けいの 「一から家具を作ってもらうということ」#1

「自分のために家具を作ってもらうことは自分の物語を描くこと。それには自分はどう生きるのかを決める力が必要でした」。
エッセイストの寿木けいさんはテーブルやキッチン、照明を家具職人やアーティストの方に一から依頼して作ってもらった。大変だけど、豊かで、おもしろくて、楽しい。その制作と思考の過程を聞きました。寿木さん書き下ろしのエッセイも。



special essay 「職人が作る美しさとともに生活する」文・寿木けい

古い家を買ってすぐに、寿木さんが描きはじめたスケッチ。

山梨の里山に、古い家を買いました。釘を一本も使わず、総栗材で仕上げられた、百三十年以上の歴史がある家です。
 
農業と養蚕を営む一家が暮らしたそうですが、ここ数年は誰も住んでおらず、私が手に入れたときには、老朽化が進んでいました。
 
古民家にもリノベーションにも興味がなかった私が、では、なぜこの家を買ったかといと、建物がもつ力に背中を押されてのことでした。長い年月を経て、黒く光る大黒柱や梁に、興奮と安心の両方を感じました。
 
昨年末にリノベーション工事がはじまり、この特集が発売になる頃には、仮住まいからの引越し準備で忙しくしているはずです。
 
思い返せば、幸運の連続で、まず、気の合う建築家とつながることができました。とあるワイナリーの建物にひかれ、すぐにネットで建築家を調べました。「坂野由美子」という名を見つけ、一緒に家を作ってほしいとお願いしたのが、一年半前のことです。

「人気だから、きっと数年待ちだよ」
こう助言してくれたひともいましたが、一切気にせず、空気も読まず、前へ前へ割って入って、打ち合わせを進めていきました。
 
だって、私の家なのだから。
 
アイディアの軌道修正は臨機応変にするけれど、自分の思いには遠慮しない。自分自身の強情さというか、芯の強さを、これほど認識したことはありませんでした。

寿木けい

すずき・けい/エッセイスト、料理家。昨年春に山梨に移住し、築130年の古民家をリノベ中。本誌でエッセイ「ひんぴんさんになりたくて。」を連載中。

続きはこちらphoto : Koichi Tanoue

No. 1222



My Better Room 小さな部屋を自分らしく。/BE:FIRST 2023年06月28日 発売号

インテリアを楽しむのに大切なのは“想像力”と“とりあえずやってみる精神(DIY)”。正解もゴールもなく、少しずつ居心地の良い部屋へと作りあげていくプロセスも、また楽しみの一つです。何をどう選び、どう合わせるか。この特集では、人気インテリアショップスタッフの自宅とお店を拝見や、フルリノベ、移住をして暮らしを変えた人、心に“余白”を作る整理と収納など、自分らしく楽しく暮らす30人のアイデアを紹介します。



もっと読む

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください