1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. グルメ

食事放談 はるかの部屋 Theme#15大人のとんかつ入門。

Hanako.tokyo / 2023年7月30日 18時0分

食事放談 はるかの部屋 Theme#15大人のとんかつ入門。

肉の質、パン粉や揚げ油の種類など、店主が吟味した材料で作られるとんかつはシンプルでいて奥深い世界。違いのわかる大人だからこそ訪れたいお店とは?

パワーランチという印象が一転して女性にも人気の店が増えてきました。

毎食どこで何を食べるか妥協せずに考え続けるライターの小石原はるかさんが、食の対談を行う企画。今回は〝タベアルキスト〟のマッキー牧元さんと一緒に「大人のとんかつ入門」を考えることに。

小石原はるか(以下、小石原)マッキーさんは「とんかつ会議」というプロジェクトを続けていらっしゃいますね。テレビ番組や本にもなった人気企画で。

マッキー牧元(以下、牧元)料理評論家の山本益博さん、グルメアナリストの河田剛さんと食べ歩いています。

小石原 今日までで何軒行きましたか?

牧元 東京では200軒くらいでしょうか。肉、衣、油、ソース、キャベツ、ご飯、味噌汁、お新香それぞれ3点満点で点数をつけるのですが、20点以上のところには3人そろって改めて訪れるという。

小石原 なんという手間のかかり具合!でも、同じものを食べ続けていると、新しい平野が見えてきそうですね。

牧元 面白いのは、3人で行く時、食べている間はとんかつの話は一切しないんです。ほかの人の感想に引きずられて点数がつけられなくなってしまいますから。

小石原 マッキーさんはどういうタイプのとんかつが好きなんですか?

牧元 タイプというのは特にないのですが、豚肉の良さが引き出されていたり、肉の処理がきちんとされていると高得点に。あとは油。揚げ油がラードだと3点をつけてしまいます。今は植物油を使っているお店が増えていますが。

小石原 やはり、豚自身の油で揚げられている方がいいと(笑)。

牧元 もちろん揚げ具合も見ています。きちんと火を通して、熱々の状態でないとおいしくないんです。中心がピンク色の状態で出来上がりの店もあるけれど、僕は反対派。これには二つのデメリットがあって、一つは旨みが引き出されないということ。たとえば生肉のタルタルってありますよね?あれはたくさんの薬味と一緒に食べるからおいしいんです。肉は火を入れないと香りも味も出ない。

小石原 いいお肉ならレアっぽくてもおいしく食べられる、という間違った〝レア信仰〟があるかもしれません。

牧元 デメリットのもう一つは食感。背脂と肉の間の筋に火が通っていないと、噛みきれないということもあります。火を入れることによって、筋切りしなくても歯切れが良くなるんです。

小石原 実は、私はロースカツの脂が苦手でヒレカツ派なんですけど、ヒレって火入れが特に難しくないですか?

牧元 ヒレの方が臭みが残りやすいんですよね。ロースは脂で守られている分、ドリップが出づらいから臭みも少ない。ヒレの場合は、綺麗に洗ったあと新しい紙で巻いておくなど、丁寧な仕事をしていればその心配はありません。

小石原 なるほど、下処理は大事ですね。おいしいとんかつを食べたいと思ったら、マッキーさんのサイトを見るのが近道ですが、いいお店の見分け方は?

牧元 とんかつ屋さんに限らず、清潔感があることが大事です。そして次に揚げ油。ラードは甘い香りがするし、熱の保有率が高いので、冷めづらいんです。米油やコーン油の方がヘルシーと思われがちですが、科学的根拠はありません。また、ロースよりヒレの方がカロリーが低いともいわれるけれど、それも信ぴょう性なし。とんかつを食べに行く時点で、カロリーを気にするなって話です(笑)。

小石原 ごもっとも!(笑)

牧元 僕はロースが好きなのですが、なぜかというと背脂の香りが魅力的だから。最初に幅が広い方から2~3切れ目の、脂と肉のバランスがいところを食べるのが流儀です。次に一番おいしい、細い方から2切れ目くらいのところ。脂と肉が1対1で味が一番濃いんです。

小石原 順番も大事ですね、メモメモ。ところで、豚の銘柄が増えているような。

牧元 豚は地鶏と違って明確な規定がなく、簡単にブランド化できるからですね。杉大介さんというとんかつマニアが始めた〈

tonkatsu.jp表参道〉では、全国一たくさんの種類の豚を扱っています。全部で30種類くらいあり、生産にこだわった肉が多いから値段もそれなりにするのですが、若い女の子が一人で来てたりする。そういう姿を見て、時代が変わったなと思います。



健やかに育った国産豚のさらさらとした脂を味わう。
「国産豚を応援し、生産者それぞれの思いを伝えたい」と、20以上の農場と連携し、29の銘柄をそろえている。牧元さんのおすすめは〈富士農場〉の「セレ豚」(上ロースかつ定食3,190円)。普段はヒレしか食べられない人でもリピートするほど上品な味。

tonkatsu.jp(トンカツドットジェイピー )表参道 表参道

住所:東京都港区北青山3-9-9 
営業時間:11:30~15:00LO(土日祝11:00~14:30LO)、17:30(土日祝17:00)~20:00LO
定休日:月、第1・3火休(祝の場合は営業、翌平日が休業日)
席数:13席
TEL:03-6427-4910

小石原 とんかつ、かつてはサラリーマンのパワーランチのイメージでした。

牧元 今ではあちこちで女性の一人客を見かけます。節目は〈

とんかつ 成蔵〉のオープンでしょうか。とんかつ屋さん然としたくなくて、カフェっぽい内装にしたとか。そうしたら女性客が増えたそうで。

とんかつ 成蔵(なりくら)

2010年に高田馬場で創業。都内の串揚げ専門店や高級割烹など幅広いジャンルで腕を磨いた三谷成蔵さんが編み出した「白いとんかつ」は、当時革命的だった。現在は高田馬場店を閉め、南阿佐ケ谷で営業している。完全予約制。

住所:東京都杉並区成田東4-33-9

小石原 このお店のような白いとんかつを出すお店も増えた印象です。あれはどうして白くなるんでしょう?

牧元 パン粉に糖分が少ないんですね。ほかにも揚げ温度など工夫されています。白系でいうと〈

とんかつ憲進〉も、今おすすめです。小石原さんの好きなお店はどちらですか?

とんかつ憲進

神楽坂にひっそり佇むこの店は3月にオープンしたばかり。店主は〈とんかつ 成蔵〉出身。「常陸の輝き」などブランド豚を厳選し、ふわふわの白い衣をまとわせた。「白いとんかつ」をブラッシュアップさせつつ継承している。

住所:東京都新宿区神楽坂3-1-23 2F

小石原 マイベストは〈

かつ好〉ですね。

牧元 あぁ、素晴らしいお店ですよね。

小石原 古木を使ったカウンターがとても素敵で、入り口のデザインもいい。お店の佇まいからして、惚れ惚れ。

薄衣で旨みを閉じ込めたさっくりジューシーな一枚。人形町の裏路地に2016年にオープン。花が咲くようにサクッと軽い食感を目指した衣と、しっとりとした肉のジュワッというコントラストが鮮烈だ。自家製とんかつソースと福井産の「地がらし」、梅塩、伊豆産本わさびと醤油など食べ方いろいろ。ロースかつ(150g)2,145円。酒樽に使われていた木を再生したインテリアも見所



薄衣で旨みを閉じ込めたさっくりジューシーな一枚。
人形町の裏路地に2016年にオープン。花が咲くようにサクッと軽い食感を目指した衣と、しっとりとした肉のジュワッというコントラストが鮮烈だ。自家製とんかつソースと福井産の「地がらし」、梅塩、
伊豆産本わさびと醤油など食べ方いろいろ。ロースかつ(150g)2,145円。酒樽に使われていた木を再生したインテリアも見所

かつ好 人形町

住所:東京都中央区日本橋人形町3-4-11
営業時間:11:30~14:00LO、17:30~20:30LO
定休日:日休
席数:18席

牧元 ほかには〈

黒豚とんかつ ほり壱〉の黒豚ロース&ヒレカツ定食っていうのが、意外と安くていい。

黒豚とんかつ ほり壱

鹿児島県出身の店主が、地元の黒豚のおいしさを伝えるために上京して開店。希少なブランド豚をそろえ、鹿児島の甘い醤油をベースにしたソースでいただく。とんかつをつまみに本格焼酎を楽しむのもい。

住所:東京都港区新橋3-8-5ル・グラシエルBLDG.13 B1

きちんと中まで火を通し、香りと旨みを引き出したものが好き。

小石原 お皿の上が綺麗ですね。しっかりと揚がっている感じ。そういえば、かの人気店〈

とんき〉については?

牧元 おいしさはもとより、飲食サービスの鑑だと褒め称えられたお店ですよね。

小石原 私も、時々行っては、心洗われて帰ります。

牧元 揚げる人や盛る人が分担されていて、うっとりとするようなチームワーク。無性に行きたくなるんですよね。

小石原 カウンターが非常に美しくて。

牧元 隅々に愛情たっぷりですよね。最後に飲食店の基本に立ち返れました。

とんかつ とんき 目黒本店

1939年創業。池波正太郎が常連だったことでも知られ、全国のとんかつファンの聖地的存在だ。独特のスタイルを貫くとんかつは「もはや『とん
き』という食べ物」(牧元さん)。定食には肉がごろっと入った豚汁がつくのもうれしい。

住所:東京都目黒区下目黒1-1-2

小石原はるか ライター

こいしはら・はるか/うどん、焼きそば、肉と、好きなものにはとことんハマる“偏愛系”ライター。『東京最高のレストラン』(ぴあ)には毎年寄稿。最新刊は『自分史上最多ごはん』(マガジンハウス)。

マッキー牧元 食ジャーナリスト

まっきー・まきもと/〈味の手帖〉取締役編集顧問。“タベアルキスト”と名乗り、年間700軒ほどで外食。さまざまなメディアで発信している。『超一流のサッポロ一番の作り方』(ぴあ)など著書多数。

photo : Kaori Ouchi text : Kahoko Nishimura

No. 1222



My Better Room 小さな部屋を自分らしく。/BE:FIRST 2023年06月28日 発売号

インテリアを楽しむのに大切なのは“想像力”と“とりあえずやってみる精神(DIY)”。正解もゴールもなく、少しずつ居心地の良い部屋へと作りあげていくプロセスも、また楽しみの一つです。何をどう選び、どう合わせるか。この特集では、人気インテリアショップスタッフの自宅とお店を拝見や、フルリノベ、移住をして暮らしを変えた人、心に“余白”を作る整理と収納など、自分らしく楽しく暮らす30人のアイデアを紹介します。



もっと読む

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください