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《編み物》ほしいものには自分で出会う。ハンドメイドは小宇宙#1

Hanako.tokyo / 2023年8月6日 12時0分

《編み物》ほしいものには自分で出会う。ハンドメイドは小宇宙#1

21世紀、いまはワンクリックでなんでも手に入る時代だけれど、本当に欲しいものはいつも見つからないような気持ちになるのはなぜだろう。

でも忘れないで。私たちには最強の相棒、ハンドがあることを。
ちょっとの失敗なんて気にしない。心の動くままに手を動かせば、世界でたった一つの愛おしいモノたちが誕生するかもしれない。

今回は、カラフルでノールールな《編み物》の世界をのぞき見。

ゲスト:原裕衣子さん
「意味のないものをつくってもいい」

メイクアップアーティストの裕衣子さんの生活に今、欠かせないものは編み物。隙間時間を見つけては、もくもくと作業する時間が、何よりの癒しだ。

普段はメイクやスタイリングの仕事の依頼をときどき受けながら、自身のさまざまな制作に打ち込んでいる彼女は、美大卒。「大学では空間デザインを専攻していました。舞台美術を制作したりするので、グループワークが多くて。あと私は、なんでも感覚でこなしてしまうところがあるので、あえて芸術を理論的に考える授業をたくさん選んでいました。大学で何かを制作する時って絶対にコンセプトや論理的な説明、意味がなくてはいけない。卒業する頃には、何かを作るのなら意味のあるものを作らなければ価値がないんだ、とまで思っていました」

そんな裕衣子さんが編み物を始めたのは、美大を卒業してから。生活に空き時間ができたのをきっかけに編み物好きのお母さまに基本的なことを教わり、少しずつ習得していった。
「ずっとやりたいことリストにあった編み物を何気なく始めてみたら、意味のあるものを作らなければいけない!というプレッシャーからどんどん解放されていって。なんていうか、ただマイペースに楽しんで無駄なものをつくってもいいんだって(笑)。もちろん無駄なものなんてこの世にはないと思うけれど、ものづくりの純粋な喜びを取り戻せた気がして」

花形の座布団。小さいながらもイスに置くだけで、パッと部屋の雰囲気が明るくなる。

グラニースクエアサマーセーター。細かいデザインなので苦労しながらやっと完成させた。

手芸にも様々な種類がある中で、結衣子さんからみた編み物の魅力とはなんだろう。
「編み物って、頭を使わなくてもいい。基本的に手の感覚、感性で進められる。単純なものなら、ドラマをみたり、ラジオを聴きながらでも出来てしまうほどなんです。だから生活にもその作業がスッと馴染んでいく。それに私は色があるものが大好き。カラフルな毛糸は、見ているだけで気分が上がります。いろんな毛糸を合わせて、自分の好きな色合いを生み出すこともできる。これは布にはできないことなんです。自分で想像したデザインを自分の手で作り出せるのは、とても夢があることだと思います」

星のグラニースクエアクッションカバー。星のモチーフでモダンな雰囲気に。

ピンクのミニバッグ。シンプルながらも立体感のあるつくり。

きっと読者の中には、編み物に一度手をつけてみたけれど、断念して道具を引き出しの奥に眠らせてしまっている・・・という方も多いはず。一つの作品を完成させるまでのモチベーションを保つ工夫を尋ねてみた。
「私は、去年SNSでイケてるおばあちゃんたちのニットグループを見つけて、そこに参加しました。若いからか可愛がってもらえて。年の違う友達ができるのも、編み物のいいところ。そこのおばさまの一人が、『ニットには間違いがない。どんな編み方をしても、それが新しい技法になるから』と言っていて。その言葉のおかげで肩の力が抜けました。でも編み物を始めたい方にとって、教室にいくというのもハードルが高いと思うので、私がおすすめしたいのは、編み物系YouTuberの動画を見ること。特に海外の動画では、若くておしゃれな子たちがたくさん為になる動画を出しています。英語ができなくても、手の動きをみていれば自然と理解できる。日本の方の動画は、技法を解説する動画が多いのですが、海外の子たちはデザインのアイディアをたくさんシェアしてくれるので、ワクワクします」

愛用している編み物道具。カラフルな見た目は気分も上がる。

最後にこれからチャレンジしてみたいニット作品があるか尋ねてみた。
「昔からずっと、アランセーターを編んでみたいと思っています。というのも、編み方によって歴史があるものがあることを知って。例えばアランセーターは、漁に出る夫の無事と豊漁を願う女たちの祈りの意味が込められていたり。やっぱりそういう背景を知りながら、これからは伝統的な編み物にも挑戦してみたい。私は常に自分の知らないことを探して、追求していくのが好きなんです」彼女の好奇心は、新しいも古いもひっくるめて、止まるところを知らない。

「編み物にはルールがない。そこが一番の魅力。だからこそ、誰にでも大きく扉が開かれている手芸だと思います」

日々、目の前のなんだろう?に向かって真っ直ぐ向き合う裕衣子さん。そんな軽やかな彼女のように、今年の夏は何かを始めてみたい。

結衣子さんのインスピレーション



<おすすめの毛糸屋さん>

下北沢パピーhttp://www.puppyarn.com/puppyclub/tenpo/shimokitazawa.htm



<おすすめの編み物YouTuber>

Jenna Phipps
https://www.youtube.com/@JennaPhipps

Bibi Butten
https://www.youtube.com/@bibibutten



<おすすめの本>

古本で見つけた海外のニット雑誌。モチーフが愛らしい。

昔のデザインが今、逆に新鮮だそう。

photo : Rinko Tsukamoto edit,text : Wakaba Nakazato  

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