ブランドプロデューサー・柴田陽子さんインタビュー。|働く女性のための転機の準備
Hanako.tokyo / 2023年7月20日 21時0分
「プロデューサー」ってよく聞くけれど、実際はどんなことをしているのか想像がつきにくい仕事。そこで今回は、様々な業界の第一線で活躍している方たちをクローズアップ。ブランドプロデューサー・柴田陽子さんに、どのようなキャリアを歩み、なぜプロデューサーになったのか、話を伺いました。
柴田陽子 ブランドプロデューサーしばた・ようこ/〈柴田陽子事務所(シバジム)〉代表取締役。多岐にわたりブランドコンサルティング業務を請け負うほか、アパレルブランド〈ボーダーズアットバルコニー〉のデザイナーとしても活躍。
21歳:シカゴの大学へ留学。
31歳:レストラン開発会社の取締役に。
32歳:独立。〈柴田陽子事務所〉を設立。
41歳:商業施設〈グランツリー武蔵小杉〉を総合プロデュース。
50歳:人間力を育てるオンラインスクール「シバジムアカデミー」を開校。
柴田陽子さんがブランドプロデューサーを名乗るようになった理由は、キャリアのスタートである外食企業での経験から。
「社長秘書をしていたある日、社長から『大行列のできるレストランをつくりなさい』と言われ、初めてプロデュースの仕事をしました。手がけたお店は、連日大行列のできる話題店になりましたが、オープンから半年して訪れると、イメージががらりと変わっていて、私がつくった店ではなくなっていたんです。その経験から、ヒットメーカーではなく、長く続くことで価値が増すブランドをつくる人になりたいと決意。現在の肩書きに落ち着きました」
“流行に左右されない、長く続くブランドをつくる”
2004年に〈柴田陽子事務所(シバジム)〉を設立。現在は、商業施設や店舗のプロデュース、リブランディング、ブランドコンサルティング業務に携わる。
「店舗や商品のブランディングのイメージが強いかもしれませんが、企業の価値をブランド化する“コーポレートブランディング”の依頼も多いです。企業のロゴをかっこよくするだけでなく、社員の士気を高め、いい人材にここで働きたいと思ってもらうためのビジョンなども経営者目線で開発します。企業が真のブランドになるためには、企業の方々がブランドの本質や、変えていい部分といけない部分を理解すること。そして、それを自分自身で維持・発展させることが大切です。一見、人事コンサルタントのようなお仕事ですが、その中にクリエイティブな要素が含まれているのは〈シバジム〉ならではですね」
メモパッドは、アイデアの提案をさっと書いて社員に渡せるよう、切り離せるタイプを使う。
「夢の実現をお手伝いしたいと思える企業の依頼しか受けない」と語る柴田さんが大切にしていることは?
「お客様のライフスタイルや価値観を知らなければ、時代に合ったサービスやプロダクトを創造することはできません。新しいお仕事が始まると、まずはその事業がどのようにして成り立っているのかを勉強します。ちなみに、普段から15分でも時間が空けば話題の施設に行ったり、商品を買って試してみたり、常に探究心を忘れずにリサーチ。よく“感性を磨きたい”と言う人がいますが、センスより感受性を磨いたほうが、人の心を揺さぶるものがつくれると考えています」
今年は会社設立20年、そして、柴田さん自身がデザイナーを務めるアパレルブランド〈ボーダーズ アット バルコニー〉が10年目を迎える節目の年でもある。そして、オンラインスクール「シバジムアカデミー」では、自身の経験を惜しみなく伝えている。
「クライアントはもちろん社員に仕事を通じて喜びを感じてもらうことも大切。これからも社員から頑張りたいと言ってもらえる会社づくりをしていきたいです」
仕事の気になるあれこれQ&A
Q1.仕事の日のルーティンを教えてください。
「アパレルブランドのサンプルを試着するため、分刻みで仕事をこなしながら、合間にパーソナルトレーニングやヨガに行きます。」
Q2.必需品を教えてください。
「洋服のデザインを描くためのメモパッドと、社員が手がけた提案書をチェックするための赤ペンは欠かさず持ち歩いてます。」
Q3.大事なときの勝負飯を教えてください。
「毎日がプレゼンで勝負なので、ありません(笑)。以前はラッキーカラーなどありましたが、気にしなくなりました。」
O4.おすすめの手土産を教えてください。
「最近は〈瑞穂〉の豆大福を購入。相手によって内容は変えており、同じものをお持ちしないようリスト化しています。」
No. 1222
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