空間プロデューサー・坂田夏水さんインタビュー。|働く女性のための転機の準備
Hanako.tokyo / 2023年7月27日 8時0分
「プロデューサー」ってよく聞くけれど、実際はどんなことをしているのか想像がつきにくい仕事。そこで今回は、様々な業界の第一線で活躍している方たちをクローズアップ。空間プロデューサー・坂田夏水さんに、どのようなキャリアを歩み、なぜプロデューサーになったのか、話を伺いました。
坂田夏水 空間プロデューサーさかた・なつみ/〈夏水組〉代表取締役。空間デザインやリノベーションのほか、DIY関連の商品開発も行う。『初めてでも失敗しない!リフォーム&インテリアアイデアBOOK』(KADOKAWA)など著書も多数。
22歳:アトリエ設計事務所に就職。
27歳:不動産会社に転職。
28歳:独立後、〈夏水組〉を設立。
36歳:インテリアショップ〈Decor Interior Tokyo〉をオープン。
41歳:渡仏。日本の内装建材ショップ〈BOLANDO〉をオープン。
空間プロデューサーとは、総合的に網羅すること」と語る坂田夏水さんは、自身の会社を立ち上げるまで、アトリエ設計事務所で建築や設計、工務店で現場監督、不動産会社勤務と、建築に関するあらゆる分野で経験を積んできた。
「会社を設立して14年。住宅や店舗などを対象に、既存のものを有効活用しながら、より良い空間を目指したコーディネート、設計、デザインをしています。内装デザインのみならず、コンサルティングや管理業務まで幅広く携わっています。私は“好きこそ物の上手なれ”の精神で、興味のあることに挑戦していった結果、現在のような総合プロデュースができるようになり、いつしかプロデューサーと呼ばれるようになりました」
“日本の古き良きものを活かし、そして発信する”
手がけた物件は、誰もがあこがれる、唯一無二の個性を放つ。
「アイデアに関しては、やはり経験値。若い頃からバックパックでヨーロッパへ行き、色々な人の家、生活スタイルが日本とどのように違うのか、たくさん見てきました。情報を入手する欲求が人より強いのかもしれません。経験を積めば、日本と海外、お互いのいいところと悪いところが見えてきますよ」
吉祥寺の店舗でも購入可能なドライバー入りトンカチは、見た目もかわいいのがポイント。
現在はフランス・パリに移住し、日本での仕事を続けながら、新たな挑戦に取り組んでいる。
「東京・吉祥寺のインテリアショップ〈Decor Interior Tokyo〉では、海外のインテリアにあこがれる方たちに向けて、商品とコーディネートのアイデア、DIYのワークショップを提供しているのですが、パリでは、逆に日本のいいものを世界中に流通させようと計画。実は、過去に新築マンションのプランニングや中古物件のリノベーションをする中で、最近の方たちが求めているものに合わせて、和室の畳や襖を排除し続けた経験があって。元々、私は日本の伝統建築が大好きなので、残せる方法はないかと模索し続けた結果、国外で盛り上げて、伝統建材に携わる職人さんたちのために生産量を上げようと決めました。海外での事業はハードルが高く、10年かかりましたが、昨年、日本の内装建材を扱う〈BOLANDO〉をオープンすることができました」
今後もプロデューサーの仕事は続けつつ、パリでもインテリアのプランニングの依頼があれば受けたいとか。
「あくまで私の立場ですが、空間プロデューサーは設計から始まり、工事の全体的な資金と工程の管理があります。そして、お客様にDIYでより空間づくりを楽しんでもらうためにお店があり、日本の古き良きものを守るために海外へ分散する。すべてをつなげ、総合するのがプロデューサーなのかなと考えます。海外での挑戦は大変ですが、日本で培ったことを活かして頑張りたいですね」
仕事の気になるあれこれQ&A
Q1.仕事の日のルーティンを教えてください。
「パリは日本との時差が-7時間なので、お昼までは日本のスタッフと仕事し、午後は〈BOLANDO〉へ。いいメリハリができています。」
Q2.必需品を教えてください。
「バッグには必要なドライバーがすべて収納されているトンカチを。高い天井を測るための電子メジャーも欠かせません。」
Q3.大事なときの勝負飯を教えてください。
「食事の内容よりも、家族で食卓に集まっておいしいごはんを食べること。パリに来て、家族で食べることの大切さを学びました。」
O4.おすすめの手土産を教えてください。
「着物と茶道を習い始めてから、季節の和菓子一択に。相手に和菓子の持つ意味を説明することで、より楽しんでもらえ、奥深いです。」
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