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京都・鴨川の眺めも楽しめるフレンチ〈middle〉の端正な味わいに常連希望。

Hanako.tokyo / 2023年9月19日 15時1分

京都・鴨川の眺めも楽しめるフレンチ〈middle〉の端正な味わいに常連希望。

京都に行きつけの店を持つなど、夢のまた夢かもしれないが、若いシェフの店ならば、これからともに成長していけるのではないか。30年通えば立派な常連、いつかは季節ごとに通える幸せを。

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上賀茂きゅうりと万願寺唐辛子のガスパチョには、天然の帆立貝、北紫うに、山形のじゅんさいがたっぷり。フレッシュな海の幸とつるんとしたじゅんさいののどごしのよさに、暑さが吹っ飛ぶよう。すだちの搾り汁とふり柚子ならぬふりすだちが涼を呼ぶ夏の一品。

天然うなぎの白焼きに、香茸、ポルチーニ、マッシュルームを細かく刻んで、麹と塩を合わせてから上にのせて焼き上げる。塩漬けにして発酵させた花山椒をあしらって。朴葉の香りときのこの香りの相性のいいこと。花山椒が全体をキリッとまとめるアクセントに。

料理人になるきっかけは十人十色だ。ビジネスの道に進むべく、15歳でイギリスに留学。パリの大学在学中にアルバイトした飲食店での経験が、〈ミドル〉藤尾康浩シェフを料理の世界へと誘った。さらに、勉強からの逃避で研修に行ったミシュラン二ツ星店ではプロ意識に感動し、卒業後は料理の道へ進む決心をする。

「世界のベストレストラン50」のすべての店に履歴書を送ると、2軒受け入れてくれるところがあった。そのうちの一軒の日本人スーシェフに、ちゃんとした技術を学ぶために日本に帰ったほうがいいと勧められる。帰国後、勤めた店が、大阪のフレンチの名店。その引きの強さよ。そして7年。力がついたところで独立。準備中には和食を学ぶ。そうして、イタリア領事の元私邸だったという建物に誕生したのが〈ミドル〉である。鴨川が眼下に、という景観も素晴らしい。

テラス席から鴨川を望む。四季の変化を、皿の上で、そして目でも楽しむことができる。

京都ならではの空気感をまとったイノベーティブな、でもシンプルで軽やかな料理が次々登場する。メニューはなく、その日に出合った食材で一品一品をクリエイトする。四季折々ではなく、一期一会。その日その一瞬を味わう料理だ。

骨董市で見つけた料理本、そして花器が飾られる棚上。様々な素材で作られたアートや骨董が店内に配される。

「これからこうしていきたい、というのはないんです。今のひとときに全力で向き合うだけ」とシェフ。京都ではなく、日本という風土をフィールドとし、グローバルな視野で、未来へと突き進む。海外のシェフたちとのコラボにも期待したい。

藤尾康浩(ふじお・やすひろ)

パリの大学に在学中、フランス料理に興味を持ち、〈パッサージュ53〉で研修を受ける。その後、スウェーデンを経て南仏の〈Mirazur〉で修業し、帰国。2012年、大阪〈La Cime〉へ。スーシェフを務めた後、2021年、コロナ禍のさなか〈middle〉開店。

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住所:京都府京都市左京区下鴨上川原町5-3
TEL:075-744-0572
営業時間:昼12:00~、夜17:00~18:30の間に入店
定休日:不定休

photo_Keisuke Fukamizu text_Michiko Watanabe

No. 1224



No.1224 『京都の味』 2023年08月28日 発売号

今号から、Hanakoがリニューアルします。 Hanakoが創刊時から大事にしてきたDNA・食と旅を軸にして。 領域は、家の食事を楽しむためのインテリアと道具、旅の持ち物、日本各地のカルチャー情報も……。 一時的な情報だけでなく、読者のみなさんにとって、Hanakoの記事が刺激となり、脳内シナプスが多方向につながり、楽しいことがどんどん広がって、新しい世界が開いていく特集を作っていきます。 リニューアル第一号は、京都の味について考えます。 平安時代に始まり、戦国時代を通して、現代へ。古くから、日本人が京都を目指すの …



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