【後編】子どもを産んだらすごいとか、産まなかったからダメだとか、人生の選択に優劣なんてない。
Hanako.tokyo / 2023年10月20日 14時25分
子どものいない女性を応援する「マダネ プロジェクト」を主宰し、すべての女性が生きやすい社会を目指して活動を続ける、くどうみやこさんへのインタビュー。後編では、子どもを持つ人生であっても、持たない人生であっても、幸せに心地よく生きていくにはどうしたらよいか、くどうさんと一緒に考えてみました。前編記事はこちら
くどうみやこ大人ライフプロデューサー/トレンドウォッチャーとして、大人世代のライフスタイルからトレンドまで、時流をとらえた独自の視点で情報を発信。子どもを持たない大人の生き方に着目し、子どもがいない女性を応援する「マダネ プロジェクト」主宰。自分らしく、自由で軽やかに過ごすライフスタイルを理想に掲げ、新たな価値観や生き方を提唱している。主な著書に『誰も教えてくれなかった 子どものいない人生の歩き方』『誰も教えてくれなかった 子どものいない女性の生き方』(いずれも主婦の友社)がある。
子どもを持つ人生、持たない人生、どちらも素晴らしいと思うには
――「子無しコンプレックス」という言葉があるそうですが、子どもがいないことに対して、中にはそうした感情を抱いてしまう女性もいるのでしょうか?
子どもがいないことに劣等感を持ってしまう女性は少なくありません。年齢を重ねたり、時間をかけることで徐々に受け入れることができる人もいれば、一生そうした感情を抱えてしまう人もいるでしょう。これはかなり根深い問題なのだと思います。
子どもがいない女性にも、いろんな気持ちの段階があるんですね。例えば、子どもが欲しくて不妊治療をし続けた末に諦めた場合、子どもがいない人生をそう簡単には受け入れられないし、いる女性と接することすらつらい時期もあるでしょう。
一方、自ら子どもを持たない選択をした女性は、そんなに悩んでいないだろうと思われがちですが、「子どもを持ちたいと思えない自分は変なのか」「子どもを素直にかわいいと思えない自分がおかしいのか」と中には自分を責めてしまう人もいます。また、世間のムードとしても、子どもがほしいのにできなかった女性に対しては「かわいそう」「それなら仕方ない」と言ったムードがありますが、選択的に持たなかった女性に対してはすごく冷ややかだったりもします。
このように、世間や社会が子なしコンプレックスを増長してしまっている部分は少なからずあると思っています。よく、「子どものいる女性VS子どものいない女性」という切り口の記事や特集を見かけますが、女性同士の分断も煽られているように感じます。
――たとえ子どもを持たない人生を選ぶことになっても、堂々と幸せに生きていくにはどういったことを知っておく、あるいは心がけるといいでしょうか?
今、子どもがいないことでモヤモヤしたり、イライラしたりしていても、自分を責めないでいただきたいです。私自身もそうですが、いろんな人の生き方に触れ、視野を広げることが、苦しみをやわらげていくことにつながります。自分の価値観や考えに凝り固まってしまうと、それが他者を責めることにもつながってしまう。自分とは違う立場の人たちの本音や悩みを聞き、ディスカッションをし、理解するように努めることは、互いの生き方を尊重するためには、すごく大切なこと。そうした機会がどんどん増えていくといいなと思っています。
ライフコースを考え選択肢を知ることで、自分の人生の輪郭が見えてくる
――子どもを産むか産まないかを決断するベストなタイミングはあるのでしょうか?
私は子どもを持つか持たないか、向き合わないままぼんやりと年齢を重ねてしまった後悔があるので、できるなら20代のうちに一度でも立ち止まって、自分は子どもが欲しいのか、欲しくないのか、あるいは今はまだわからないのか、考えてみる機会を持つと良いと思います。もしも若いうちに子どもを持ちたいとか、何人欲しいといったビジョンがはっきりしているのであれば、自分の目指すライフコースとともにタイミングを考えてみるのがいいですね。
今は40歳以上で妊娠・出産する女性も珍しくなく、「まだ大丈夫だろう」と楽観的に考えている人もいると思うのですが、年齢を重ねるほどに妊孕(にんよう)性は落ち、選択肢が狭まっていくのは事実です。そのうえで、自分はどうしたいのか改めて考えるようにしてほしいですね。
また、子どもを産みたいのか、育てたいのか、ということでも選択肢は変わってくる可能性があります。もしも育てることに比重があるならば、特別養子縁組や里親といった仕組みを利用する選択肢もあるでしょう。
――いろんなライフコースの選択肢を知るほど、自分がどうしたいかもわかってきそうですね。
今は本当に多様なライフコースがありますから、できるだけ若いうちからいろんな情報に触れ、それに対してひとつひとつ「自分はどうしたいんだろう」と考えていくようにすると、自分のこともわかってくるし、歩みたい人生の輪郭も見えてくると思います。そうすると少し安心できるのではないでしょうか。
――最後に、今子どもを持つか持たないかで悩んでいる女性へ、くどうさんからメッセージをお願いします。
自分が子どもを産む可能性が絶たれたとき、確かにショックでしたし、しばらくは落ち込みました。でも、「マダネ プロジェクト」を立ち上げ、いろんな女性の価値観や生き方に触れていくなかで、「私は子どものいない人生でよかったんだ」と思うようになりました。自分の性格を考えると、きっと何にも縛られずに自由でいられる今のライフスタイルがとても幸せなんだとわかったんです。
子どもを持たない女性が増えてきているといっても、まだ全体でいえば少数派です。「マダネ プロジェクト」の参加者の中には、「少数派だから生きにくい」という人もいます。でも、多数派だから正解なわけではないはず。少数派であっても、それが自分らしければいいじゃないですか。
子どもを産んだからすごいとか、産まなかったからダメだとか、人生の選択に優劣なんてありません。どんなライフコースを選んだとしても、それぞれにメリットとデメリットがあり、悩んだり悔やんだりすることもあるでしょう。「こうなりたい」と思っていても、途中から違うライフコースになってしまうこともあるかもしれません。でも、結果として自分が選んだ人生を正解にするのは、自分しかいないんです。まずは、自分で自分の人生を認めてあげることが大事。まだまだ私も道半ばですが、それぞれに、自分の正解を見つけていけるといいですね。
text_Renna Hata illustration_Asato Baba外部リンク
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