無人駅にパン屋がオープン！大阪のパンの名店〈パンデュース〉の狙いとは？

大阪の人気ベーカリー〈パンデュース〉が、なぜか石川県の無人駅に出店。一体どんな経緯があったのでしょうか？地域にもたらした影響とともに紹介します。

地域活性化のきっかけになったベーカリー

無人駅となった石川県のJR大聖寺駅に大阪の名店〈detout Painduce 〉がオープンしたのは、2022年6月のこと。加賀市の駅再生事業に参画し、パン屋の売り上げの一部は、駅舎の運営費に充てられているという。駅の利用者は高校生が大半とのことで、送り迎えの際にパンを買う人も。〈パンデュース〉の代名詞ともいえる野菜パンには、加賀れんこんや味平かぼちゃなど地元の野菜、さらに加賀棒茶や「じろあめ」など地元の名産品を使ったものも。父の日にはこどもパン教室を開くなど、周辺の集いの場としての役割も果たすように。

〈パンデュース〉のノウハウで地元食材の魅力を引き出した商品も。

皮が甘く香ばしい加賀棒茶のメロンパン240円、じろあめの甘さを生かし湯種製法で作ったじろあめの食パン480円、自家製ホワイトソースで仕上げた加賀れんこんとアンチョビのガレット30円。

「『駅に遅くまで明かりが灯っているのがうれしい』なんて声を聞くと、やりがいを感じますね。いい形で地方駅のモデルケースとなれるよう、頑張っていきたい」と店長の中谷年伸さん。

JR大聖寺駅にあるデ トゥット パンデュース 大聖寺店

デ トゥット パンデュース 大聖寺店

住所：石川県加賀市熊坂町イ136JR大聖寺駅内
TEL：[phone]
営業時間：9:00～21:00（cafe・コワーキングスペース～22:00）
定休日：無休
席数：50席
Instagram：@painduce_daishoji

〈Too Coffee〉のLUNAを使用したオーガニックコーヒー400円も人気

text_Hiroaki Kimura

No. 1225

No.1225 『美味しいパンには、理由がある』 2023年09月28日 発売号

リニューアル二冊目は、まるごと一冊、パンの特集です。 朝、昼、夜に、おやつの時間と、美味しいパンは私たちの必需品。 探究心と遊び心を持つパン職人のおかげで、日本のパン文化は今日も進化しています。 生産背景がわかる国産小麦にこだわり、地方では薪窯でパンを焼く人が増え、 室町時代から続く麹屋の麹を採用した発酵パンも作られています。 活躍シーンも広がり、ワインに、ビールにぴったりなパンも登場。 お取り寄せできるお店も増え、食べ方も、買い方も、多種多様になりました。 北海道から沖縄まで、評判のパン屋を巡り、美味しいパンが生 …

もっと読む