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中3から履くブーツやお年玉で買ったコンバース。「黒い靴」は人生の思い出と共にある|前田エマの、日々のモノ選び。

Hanako.tokyo / 2024年1月22日 18時30分

中3から履くブーツやお年玉で買ったコンバース。「黒い靴」は人生の思い出と共にある|前田エマの、日々のモノ選び。



気づけば、持っている靴の9割近くが黒い靴だ。
日頃から黒い服をよく着るので、合わせやすいというのも大きな理由だが、

黒い靴というのは私にとってお守りのような存在なのだ。

私はフリルやリボンなどが付いている甘い服が好きで、ときどき「ぶりぶりしすぎかな?」と思うような服も着たくなる。
そんな時、黒い革靴やスニーカーを履いて足元をキリッとさせれば、なんだか許されるような気がする。

逆に、とてもカジュアルだったりボーイッシュな格好の時には、ガーリーな黒い靴を合わせて、私好みのバランスでコーディネートを完成させる。

〈コンバース〉のハイカットスニーカー



はじめて自分の意思で靴を選んだ記憶は中学一年生だ。
お年玉でコンバースのハイカットスニーカーを買った。
中学生になるまで紐靴を履いたことがなかったので、なんだか大人の階段を登るような気分だった。

塾の帰りの下駄箱で、誰よりも履き替えるのに時間がかかったが、恥ずかしさや面倒臭さよりも、洒落た靴を履いているといううれしさがまさった。


あの日から今日まで何足も、履き潰しては同じものを買い直し続けている。

〈コンバース〉CANVAS ALL STAR HI ブラック(6,380円)

中3のころ祖母に買ってもらった、黒いロングブーツ

黒いロングブーツは、

中学3年生の頃に祖母が買ってくれたものだ。
祖母は私が幼い頃から時々、横浜のデパートに連れて行ってくれ、服や靴下などの小物を買ってくれることが多々あった。
中3の冬、私は寝ても覚めても黒い革のロングブーツが欲しくてたまらず、どうにか祖母をデパートへ連れ出し、作戦通り買ってもらうことに成功したのだが、その値段にびっくりした。

大人になった今なら「まあ、革のブーツってこれくらいするよね」と、スッとお金を払う額なのだが、

当時の私は申し訳なさと罪悪感でいっぱいで、年に一度くらいしか履けなかった。祖母は、どうせ買うなら本当に気に入ったものをという気持ちでお金を出してくれたのだと思うが、

履いてみるとまだ自分には不釣り合いに思えて、しょんぼりした。


そんな時期を経て5年くらい前からやっと、冬のスタメンに躍り出るようになったのが、このブーツだ。

〈Blundstone〉のシンプルな革のブーツ

創業150年を迎えるBlundstoneは、1年ほど前に購入したのだが、人生の定番となる気がしている。


昨年の留学中、様々な場面をこの靴で乗り切った。雨はもちろん、ちょっとした雪でもへっちゃらで、一年中使える。シンプルなデザインの革のブーツなので、おめかしする日も頼った。頑丈なのに重すぎず歩きやすいので、

旅行の際は絶対この靴を履いていった。

ニューヨークやオーストリアを共に旅した、〈Dr. Martens〉の革のブーツ

多くの人にとってそうであるように、私にとってもDr. Martensは特別な一足だ。
高校生の頃、美術予備校へ通っていた頃、“モチーフ係”というアルバイトをしていた。これは、予備校の授業が始まる前に授業で使う道具を準備したり、授業が終わった後に片付けやゴミ捨てをするという仕事で、お小遣い程度なのだが給料がもらえる。
私はそれを粛々と貯め、

生まれてはじめて自分で稼いだお金で、古着屋でマーチンを買った。
この靴は大学時代、はじめて友達と

ニューヨークへ旅行したときや、オーストリアに留学したときに履いた。

左:〈Dr. Martens〉1460 8 ホールブーツ※古着屋にて購入したもの。右:〈Blundstone〉サイドゴアブーツ BS558089 ブラック(31,900円)

韓国で買った〈Keds〉のストラップシューズ

こうやって振り返ってみると、靴は私にとって人生の思い出と共にある。
昨年、韓国に留学したときに

「思い出に靴を買おう」と思い立って買ったのが、Kedsのストラップシューズだ。
スニーカーをベースにして作られているので、歩きやすい。ベルベットとキルトの2種類を買ったので、服や気分に合わせて選ぶことができ、ちょっと贅沢な気分になる。

〈Keds〉ストラップシューズ 5XM01779F_896

祖母から譲り受けた〈LANVIN〉のヒール

アクセサリーのようなストラップが煌めくLANVINのヒールは、

祖母から譲り受けたものだ。

まだ一度しか履いたことがなく、それは大親友の結婚式だった。

幼馴染でもあるので、私はスピーチを務めた。その時は黒いベルベッドのシンプルなワンピースに合わせたのだが、次はいつ履くことになるのだろうか。

一足ずつ、おしゃべりしたいとりとめのないことが、たくさんある。

前田エマ

1992年神奈川県生まれ。東京造形大学を卒業。オーストリア ウィーン芸術アカデミーの留学経験を持ち、在学中から、モデル、エッセイ、写真、ペインティング、ラジオパーソナリティなど幅広く活動。アート、映画、本にまつわるエッセイを雑誌やWEBで寄稿している。2022年、初の小説集『動物になる日』(ミシマ社)を上梓。
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