ハレの日だけの食べものじゃない。ショートケーキを食べてケの日も「祝福」したい｜歌人・寺井奈緒美

ショートケーキはハレの日に食べるものというイメージをもっている方が多いのではないでしょうか。歌人の寺井奈緒美さんもそのように思っていた中、とあるショートケーキを食べてイメージが変わったそう。お話を聞きました。

〈Patisserie Leslines〉の シャンティフレーズは自然体でかわいい

イチゴは長野の契約農家から取り寄せる。オーナーシェフの松島啓介さんによると「ヘタもおいしいんです」とのこと！　1個620円。

「ハレの日の食べもので白くてふわふわしてお姫様みたい」だったショートケーキの印象が変わったのは〈パティスリーレリアン〉に行った時のこと。「緑のヘタがついたままで自然体でかわいいなと。食べてみたらクリームの優しい甘さがとってもおいしくて。紅茶を淹れたのに一滴も飲むことなく、夢中になって食べていました（笑）」。自分から遠いものだと思っていたショートケーキをぐっと近くに感じた寺井奈緒美さんは、

「半分にイチゴを切れば蠟燭のひかりの模様これは祝福」

と歌った。「イチゴの断面がろうそくの灯みたいだなと。普通のケの日にも祝福みたいなものは存在しているんだなって」

寺井奈緒美 歌人

てらい・なおみ／歌人。第一歌集『アーのようなカー』にショートケーキの歌も収められている。昨年、短歌とエッセイの『生活フォーエバー』を刊行して話題に。X：@habohabota

Patisserie Leslines（パティスリーレリアン）

住所：東京都杉並区西荻北3-13-14
TEL：[phone]
営業時間：11:00～19:00（6～9月のみ～18:00）
定休日：水木ほか不定休
HP：https://www.leslines.com/

西荻窪駅北口の伏見通り沿い。ターコイズの外観が目印。

photoKiichi Fukuda　text_Kayo Yabushita

No. 1229

No.1229 『永遠の三大定番スイーツ特集 ショートケーキ シュークリーム ドーナツ』 2024年01月26日 発売号

独自の発展を続ける日本のスイーツ文化にあって、時代、世代を越えて愛され続ける三つの定番、ショートケーキ、シュークリーム、ドーナツ。毎日のおやつも、ハレの日も、甘く幸せな時間を約束してくれる定番だからこそ、つくる側、食べる側、それぞれに「私の一番」が生まれます。 各界著名人が教えてくれた「思い出の味」に、気鋭のパティシエが作る逸品と絶対外せない名店、差し入れ名人のおすすめなどなど。町の洋菓子屋さんから注目パティスリー、ホテルスイーツにお取り寄せまでそろったラインナップから、あなたのオンリーワンを見つけてください。 そ …

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