どこを食べてもイチゴが出てくる！ショートケーキ好きなら知っておきたい代官山〈PAYSAGE〉

シンプルだからこそ個性が最も表れる。ショートケーキにはパティシエの技術だけではなく、哲学も如実に反映されるもの。2024年のスイーツシーンで注目の代官山〈PAYSAGE〉の江藤英樹シェフが作る至高の作品に込められた思いに迫ります。

代官山〈PAYSAGE〉のショートケーキはイチゴが輝き果汁滴るジューシーショート

「この子、すごく可愛くないですか」。我が子を自慢するように、イチゴを見せてくれる江藤英樹シェフ。〈ティエリー マルクス〉などハイエンドなレストランでシェフパティシエを歴任、立ち上げた〈PAYSAGE〉は催事でパフェやクッキー缶がファンを熱狂させた。2023年伊勢丹新宿店に開いた実店舗が話題をさらう中、2024年2月に旗艦店が代官山にオープン予定。新たに生菓子も揃え、初のショートケーキも解禁。

中まで赤いイチゴの断面がレースみたいに可憐な「ショートケーキ〈和銅農園 あまりん〉」972円。どこを食べてもジューシーで甘美なイチゴがたっぷり！

「味が濃くて、香りも色つや、形もイチゴの最適解だと思う」。そう惚れ込む「あまりん」は、埼玉・秩父からヘタの際まで真っ赤に熟した摘みたてが届く。

「これ以上おいしいイチゴはないんじゃないかな」。と語る江藤英樹シェフ。

彼の哲学は食材を尊び活かすこと。手を尽くして最高のショートケーキへと導く。ひだまり色の生地は清らかな水で育つ鶏が産む、黄身が濃い茨城の奥久慈卵を使い、米粉も加えて口溶けよく。クリームは2種をブレンドして軽やかで乳味豊かに。生地にうつシロップはベリー3種からエキスを抽出。主役の「あまりん」は厚めにスライス、パズルみたいに隙間なく並べて……と、どこまでも丁寧に仕立てていく。

真紅のシロップは数種のベリーを砂糖でマリネし、出た果汁を濾したもの。3枚のジェノワーズ生地を重ねるたびに丁寧に塗り、ベリー感を盛り上げる。クリームは乳脂肪35％と45％をブレンドして乳味と軽さを両立。

どこを食べてもイチゴ三昧になるよう、みっちりと2段並べる。

定規で正確に切る。

「あまりん」の濃密な甘みや香りを引き立てる、丁寧な仕事が細部に宿る。

イチゴの香りに包まれながらいただけばふんわりほどけ、ほとばしる果汁が口いっぱいに！　ミルキーなクリームととろけると、イチゴミルク的幸せに満たされる。おなじみのショートケーキだからこそ、その極みにこんなに心震えてしまうのだ。

PAYSAGE

住所：東京都渋谷区代官山町20-23 Forestgate Daikanyama内
TEL：[phone]
営業時間：11:00～19:00　
定休日：月休

2024年2/22開店予定のパティスリーとアフタヌーンティーのサロン。デザートやパフェを出す2階は4月～。

photo_Shin-ichi Yokoyama　text_chico

No. 1229

No.1229 『永遠の三大定番スイーツ特集 ショートケーキ シュークリーム ドーナツ』 2024年01月26日 発売号

独自の発展を続ける日本のスイーツ文化にあって、時代、世代を越えて愛され続ける三つの定番、ショートケーキ、シュークリーム、ドーナツ。毎日のおやつも、ハレの日も、甘く幸せな時間を約束してくれる定番だからこそ、つくる側、食べる側、それぞれに「私の一番」が生まれます。 各界著名人が教えてくれた「思い出の味」に、気鋭のパティシエが作る逸品と絶対外せない名店、差し入れ名人のおすすめなどなど。町の洋菓子屋さんから注目パティスリー、ホテルスイーツにお取り寄せまでそろったラインナップから、あなたのオンリーワンを見つけてください。 そ …

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