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ぱーてぃーちゃん・信子さん「BLには少女漫画では描かれない純愛が詰まってます」 | TVプロデューサー小山テリハの漫画交感 #1

Hanako.tokyo / 2024年3月13日 18時0分

ぱーてぃーちゃん・信子さん「BLには少女漫画では描かれない純愛が詰まってます」 | TVプロデューサー小山テリハの漫画交感 #1

「イワクラと吉住の番組」「あのちゃんねる」などを担当するテレビ朝日のプロデューサーの小山テリハさんは実は漫画好き。毎回ゲストをお迎えして、互いに好きな漫画を交換、感想を共有し合う連載です。第1回目のゲストはお笑いトリオ「ぱーてぃーちゃん」の信子さん!

ゲスト・信子(ぱーてぃーちゃん) お笑い芸人

大分県出身。2021年4月から、すがちゃん最高No.1、金子きょんちぃとともにお笑いトリオ「ぱーてぃーちゃん」として活動。徳川家の末裔であり、漫画以外には散歩や食べ放題のハシゴが好き。ぱーちゃんYouTubeチャンネル「ぱーてぃーちゃんの今夜はなにパ?」配信中。

小山テリハ 株式会社テレビ朝日 番組プロデューサー・ディレクター

2016年にテレビ朝日に入社。アイドル・アニメ・漫画好き。何かに一生懸命で、表現したいことがあるのにまだ光が届いていない女の子にスポットライトを当てたいとずっと思っている。やりがいは、一生会うこともないかもしれない、どこかにいる誰かの1日の数分でも寄り添えるような番組を作ること。現在は『イワクラと吉住の番組』『あのちゃんねる』『サクラミーツ』『ホリケンのみんなともだち』『霜降りバラエティX』などを担当する。
https://www.tv-asahi.co.jp/barabara/
Twitter:@teriha_oym

信子さんの好きなマンガをプロフィール帳(小学生の頃、流行りませんでした?)にしてもらいました。

1.

『クレヨンしんちゃん』

(信子さん小山P)「大人になると忘れてしまう、みずみずしい感性が面白い!」

「12巻に収録されている捨て猫の話は重すぎて子供心に衝撃的だったけど、大切なものを学べたので感謝してます」と信子さん。



小山テリハ:
アニメはもちろん見たことあるんですけど、漫画を読んだのは初めてでした。



信子:
本当ですか!ウチが読み始めたのは小学生の頃かな。アニメのしんちゃんが好きで、漫画も集めたくなったんだと思います。臼井さんが亡くなってからはお弟子さんたちが描き続けてるんですよ。



小山テリハ:
映画の原作漫画もあるなんて驚きでしたね。



信子:
オリジナルは映画と若干内容が違うので、その2パターンを知れるのが嬉しい。ウチはきっとしんちゃんの追っかけなんですよね。

「しんちゃんって誰も傷つけてないし、そもそも笑いだと思ってやってないのが面白いのかも」と、小山さん。



小山テリハ:
『クレヨンしんちゃん』のどんなところに魅力を感じるんですか?



信子:
ユニークな部分を教えてくれたのがしんちゃんなんです。ケツだけ星人もケツだけ歩きも幼少期に真似してたし。幼稚園時代には、友達のミワちゃんとゾウさんの真似をしようとして、先生に爆裂怒られました(笑)。



小山テリハ:
(笑)。読んでみて、言葉選びの面白さに改めて気付かされました。22巻の一コマで「遠慮しないで、ゆっくりしていってください」と言われたしんちゃんが「分かりました。遠慮しないでゆっくりします!」って返答しているんです。それに対して「お前は少し遠慮するぐらいでちょうどいいんだ」ってヒロシは突っ込んでる。常識で考えたら“ゆっくりしていって”を真に受けてはいけないんですけど、しんちゃんのみずみずしい感性が面白くて。歳を重ねるにつれて、そんなリアクションは取れなくなってきたので、羨ましくなりました。

「しんちゃんと登場人物たちとの会話を見て、なんで言葉をそのまま素直に受け取っちゃいけないんだっけ、という気持ちになりました」と、小山さん。



信子:
面白いだけじゃなくて感動もするし、大切なことも教えてくれるんですよね。憧れだわ!



小山テリハ:
かなり芯が通った子ですよね。相手の言葉に対して「自分はこうは思わない」って言えちゃう。建前なんて言わないし。



信子:
ギャルだよね(笑)。



小山テリハ:
ケツだけ星人とか、他人から見たら「それどうなの?」ってことも、しんちゃんの中ではその時正義だったらやっちゃうとか。



信子:
ハマるととことんやり尽くすところも!あと仲間を大切にするあたりもまじでギャル。何があってもいつも友達は助けてる。



小山テリハ:
自分が前に出ることで、誰も傷つけないのもすごいですよね。



信子:
ファンって言ったけど、師匠でもあるのかも。南海キャンディーズの山里亮太さんと志村けんさんとしんちゃんが、今の私を作ってくれたんだと思います。

クレヨンしんちゃん

作者: 臼井儀人
出版社: 双葉社
発表期間: 1990〜2010年
巻数: 全50巻

主人公は、埼玉県春日部市在住のとんでもなくマイペースな5歳の幼稚園児、野原しんのすけ(通称、しんちゃん)。家族や町内、同級生、幼稚園の先生や友達がしんのすけの巻き起こす騒動に振り回される日常を描いたギャグ漫画。2010年からは『臼井儀人&UYスタジオ』名義で『新クレヨンしんちゃん』を連載中(既刊13巻)。
公式サイト

2.

『ニィー二の森』

(信子さん小山P)「性別だけでなく種族も超えた、魂の愛が描かれています」

小山さんいわく「BLって女性の楽しみだと思う方も多いと思うんですけど、この漫画は男性も読みやすいと思います」。



信子:
同人誌って言われるもの以外だとこれが初めて読んだBL作品です。BLが好きになったきっかけはYouTubeですけどね。



小山テリハ:
YouTubeだと、アニメ作品ですか?



信子:
そう。教師と学生の話だった気がします。私自身、Sっ気が強いせいか「受け」の男性の声に興奮したんですよね。



小山テリハ:
大人の男性がこんな声を出すんだ……とか?



信子:
昔から年上好きで大人の男性に憧れていたからこそ、こんな部分あるんだ!って、知らない一面を見た気がしました。



小山テリハ:
キュン!ですかね。たしかに少年漫画に出てくる男性は、強くて格好よくて、戦うような印象の方が強いです。



信子:
いわゆる“萌え”ってやつでしたね!



小山テリハ:
『ニィーニの森』にはどうやって出合ったんですか?



信子:
ウチ、本屋さんで見たことない漫画の一巻を買うのが好きなんです。ジャケをパッと見て適当に買うのでハズレなこともあるんですけど、それで選んだ一冊です。



小山テリハ:
表紙だけだとどんなジャンルか分からないですよね。BLとはいえ、それだけで収まらない内容だなと思いました。



信子:
たしかに〜!



小山テリハ:
BLで括っちゃうと読みづらい方もいると思うんですけど、この作品は「これ面白いよ」って、ポンッと貸せば男女問わず普通に読んでくれる気がしました。

ウサギにカエル、ブタ、オオカミなど、さまざまな種族が登場。



小山テリハ:
ただ両想いになって結ばれて、みたいなのとは違う人々の幸せや、物語の背景を見せてくれる漫画ってなかなかないと思うので、びっくりしました。抽象的な表現が多くて説明がないから、映画見た後みたいな気持ちにもなって。読了後にまた頭から読み返しちゃいましたよ。



信子:
読み終わった後の満足感、エグいですよね。種族が違うもの同士の話でもあるじゃないですか。だから、そこがBLとうまくリンクしているというか。男性同士が恋愛感情になるのって、かつては受け入れられるのが難しかっただろうし、種族が違うのは繁殖ができないから、本来ならありえないって思う人もいる。それをギュッと一冊の漫画で表現してるって深いな、と。



小山テリハ:
みんなが違うのが当たり前の世界で物語が進んでいくから、“男同士”というよりも個体同士で「この人がいい!」みたいな。現実とは切り離して、愛についてフラットに見れる作品だと思います。これが10年前に描かれたなんて、当時にしては先進的だった気がします。全体は繋がっているけれど、オムニバスのようにも読めるので面白かった。信子さんに勧めていただかなかったら、私はこの漫画に出会えていなかったと思います。



信子:
え〜!嬉しい!BL作品って女子が憧れる“THE理想”な男性像を描くことが多くて。幼馴染同士がくっつくとか、片思いしてた上司が実は自分のことが好き、みたいな。どこかで聞いたことのあるシチュエーションなんだけど、ウチはそれが男同士になると「頑張れ!」ってのめり込める。きっと普通じゃうまくいかない立場っていうのもあるんだと思います。



小山テリハ:
結ばれるのを一生懸命応援したくなりますよね。正直、少女漫画のヒロインって、ゆうて可愛いじゃないですか。



信子:
そうそうそう!もうすでに勝ちゲーなわけですよ。



小山テリハ:
可愛い女の子の恋愛を、われわれは蚊帳の外で見てるというか。でもBLになると、そもそも私はそこにいない。2人が部屋の中でいい感じの雰囲気になるときも、私は机の上の飲み物と同じくらい無機質な存在というか。私の目線は2人にとって邪魔にならないから、めっちゃ安心して推せる。だから少女漫画よりはBLの方が感情をグッと入れられるのかも。



信子:
わかる。あと私は自分からガツガツいくタイプだから、少女漫画のヒロインを見てると「早く好きって言えよ!」ってイライラしちゃう。感情移入なんてできなくなるんです。BLだと、最初は「男性だから」って恋愛対象としては見ていなくても、相手の内面に触れてどんどん好きになっていく作品が多くて。その人そのものを好きになっていくから“真実の愛”感が強いんだ!



小山テリハ:
人間同士って、その人の核や魂があればいつまでも好きでいられると私は思ってるんです。触れられなくてもその人のことが好き、みたいな。BLだとそれが顕著に表れている気がします。



信子:
子孫を残さないとしても、そんなことは関係ない。一緒にいたいだけなんだ、って寄り添う2人から純愛を感じるんですよね。

ニィーニの森

作者: SHOOWA
出版社: 祥伝社
発表期間: 2014年
巻数: 全1巻

人間は動物に、動物は人間に。さまざまな種族が集う不思議な森「ニィーニの森」。うさぎやカエル、カブトムシに狼など、それぞれが主人公となる物語を、番外編含め4話収録。不思議な森を舞台に繰り広げられる恋愛模様を描く。
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3.

『インターネット・ラヴ!』

(小山P信子さん)「推しの男の子を5年間追い続けるなんて、ウチにはできない(笑)」

作者の売野機子さんはこれが初めてのBL作品。



小山テリハ:
信子さんはBLがすごいお好きだと聞いていたので、昨年10月に発売された『インターネット・ラヴ!』もぜひ読んでほしいなと。



信子:
周りの人には受け入れられなくとも、自分の感情に素直に生きる主人公の天馬は人間味があるなと思いました。彼に推しの男の子がいる話なんですよね。



小山テリハ:
そうです。天馬の推しがたまたま男性だった、っていう。アイドルを推す感覚でインスタで見つけた韓国人のウノくんを推していて。繋がりたいわけじゃないし、見てるだけでいいって思ってたのに、ひょんなことから実際会うことになる。



信子:
主人公と同じように、男性のネイリストさんも最近は増えてるんですよ!もしウチがネイル中に「俺の好きな子なんだ」って男の子の写真見せられても普段通り「いいじゃん!どんな子なの?」ってなるんですけど、彼の職場ではそれが快く受け入れられてなくて。そういう風潮は未だにあって、マジで現代っぽい作品だなと思いました。



小山テリハ:
世代によっては理解が追いつかない方も多いですよね。インスタのストーリーズから「この人はこんな性格だろうな」っていうのを感じ取っていく描写もあって。ネット上で人を好きになることも、たしかにあるなと思いました。



信子:
わかるー!



小山テリハ:
BLってあり得ないことを楽しむ側面もあると思うんですけど、この漫画に関しては、この世界のどこかでこの2人は出会ってるかも……と思える。2人が結ばれるのは奇跡に近いことかもしれないけれど、起こっていてほしい。



信子:
ウチ、インスタでイケメンを見つけてはフォローして、飽きたら外すっていうのをやってるんですけど(笑)。天馬のように誰かを一途に推したことはない。天馬は近くにいないウノくんのことを、こんな男の子なんだって理解してるじゃないですか。それってすごい愛の形だな〜、って思いました。「ウノくんだったらこう思うだろう」とか、よっぽど相手のことを想ってないとその考えには至らないと思う。まあ5年追っかけてるらしいけど(笑)。



小山テリハ:
「僕はただ好きで見てるだけで、リプもDMもしないって決めてるし、いいねは月2回まで」っていう自分ルールを決めて、重くならないような気遣いもすごいですよね。本当にアイドルのファンみたい。



信子:
とにかく天馬はウチにはない部分を持っている子なんだよな〜。



小山テリハ:
“愛”のように描かれているけれど、客観的に見ると天馬はネトストだとはっきり言われてて。だからウノくんへの気持ちを「それおかしいよ」って周囲の人に言われるのはリアルかもしれないです。



信子:
言ってあげることが優しさでもありますもんね。いつか痛い目合うかもよ、って教えてくれてるんだろうし。でもこれを読んだら、ますます好き勝手に生きたいなって思いました。やっぱりウチは自分がしっかりしてる人が好きなんですよ。覚悟があるやつ!

インターネット・ラヴ!

作者: 売野機子
出版社: 祥伝社
発表期間: 2023年
巻数: 全1巻

ネイリストの天馬の朝は、韓国の男の子ウノくんのSNSチェックでスタート。「見ているだけで幸せ」と5年間ネトストし続ける天馬は、ウノくんに彼女が出来たと知りショックを受ける。動揺に揺れる中、ウノくんから突然リプライが。
サイト

4.

『光が死んだ夏』

(小山P信子さん)「家族に抱くようなでかい愛がないと、一緒に罪なんて背負えないよね」

序盤に登場する衝撃的な場面。



信子:
『光が死んだ夏』では、主人公のよしきが友人の光の正体が分からなくなっても支えるんですよね。「俺がこいつのために一緒に罪背負うから」って台詞が愛だなって。しかも親くらい大きいやつ。



小山テリハ:
恋人でもないし、きっとこれが愛っていうのも気付いてなさそう。あくまで意志のままに動いてるだけというか。



信子:
傷つかないように心に蓋をしてる可能性もあるけどね。



小山テリハ:
ちょっとホラーとかミステリーの要素も入ってますよね。得体の知れないものに挑んでいくのと愛のようなものが両方あるから、男性同士の恋愛漫画とならずに男女問わず読める作品だと思います。



信子:
2人の関係に光の正体、村の異変とか。気になることがどんどん増えていくから、読み始めると止まらなくなる!



小山テリハ:
最初からずっと面白いですよね。こんな作品に出会ったことがないから、え、何これ?何何?ってどんどん惹かれていきました。



信子:
うん。好奇心が止まらない!ウチ、新しいもの好きなんですよね。今の仕事が好きなのもそんな理由で、同じことが起きないから常に楽しめる。



小山テリハ:
ちなみに彼らがこれからどうなっていくか、最新巻でもまだ分からないんですよ。



信子:
え〜そうなんだぁ。めっちゃ気になる!この漫画を読んで、主人公の2人は映画「怪物」に出てくる少年2人に似てるなぁ、なんてことも思いました。どんな結末になるのか楽しみ。

光が死んだ夏

作者: モクモクれん
出版社: KADOKAWA
発表期間: 2022年〜連載中
巻数: 既刊4巻

ある集落で暮らすよしきと光は、幼い頃からずっと一緒に育ってきた。しかしある日、よしきが光だと思っていたものは別のナニカにすり替わっていたことに確信を持つように。それと同時に集落では様々な事件が起こり始める。
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小山テリハさんから信子さんへのメッセージカード

edit_Nozomi Hasegagwa photo_Hikari Koki illustration_Serena Nagai

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