外交官が語る! 恐ろしい国、ドバイの実態とは?

ハピズム / 2013年8月16日 9時0分

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3年前、モサドが、軍事的には取るに足らないアラブの小国に煮え湯を飲まされる事件が起きたのをご存じだろうか。

 2010年1月20日、ドバイの高級ホテルで、パレスチナのイスラム主義勢力ハマスの幹部が暗殺された。ちなみにこうした組織の幹部がアラブ諸国を訪問する際は、他の国の閣僚並みの待遇で迎えられ、高級ホテルに滞在することが多い。普通の兵士たちと寝食をともにしていたウサーマ・ビン・ラーディンとは大きな違いだ。

 暗殺自体は、かなり巧妙に実施されたが、問題はその後だった。ドバイ首長国治安機関は2月になって、このハマス幹部暗殺にモサドが関与しているとし、実行犯26名を特定の上顔写真を公表したのだ。彼らはイギリスやアイルランド、オーストラリアなどの偽造旅券を所持してドバイに入国していたことも判明した。

 モサドは、世界最強の情報機関ともいわれるが、その規模は小さい。当然、暗殺などオペレーション部門の人数も限られている。その限られた人員のうち26名を人定されたわけだ。顔は整形手術で変えることができても、入国カードや宿泊カードから得られた指紋は変えることができない。そしてこうした情報は、当然アラブの友好国間で共有されるだろう。つまり、これらえり抜きのエージェント26名は、2度と他国でのスパイ活動ができなくなったのだ。さらに、パスポートを偽造された他の諸国との関係悪化というおまけまでついてきた。結果的には、モサドにとってかなり高くつく暗殺となった。b

■なぜモサドの犯行がバレたのか!? 恐るべし、監視国家ドバイ

 ドバイは、人口230万人弱。アラブ首長国連邦を形成する7つの首長国の1つであるが、経済政策や警察機構の運営は独自に行っている。最近では中東の金融センターとして、また砂漠のリゾート地や、巨大なショッピング・モールが立ち並ぶ世界的な買い物の聖地としても名高く、日本人観光客も増えている。しかし、じつはドバイは、世界でも有数の監視国家なのだ。

 ドバイに勤務したことのある日本人外交官がこう語る。

「ドバイ警察を視察して驚きました。市内至るところに取り付けられた監視カメラの映像が、すべてモニターできるようになっているのです」

 もちろん、これらすべての映像を常時監視するだけの人員はドバイにはいない。しかし、ハマス幹部暗殺事件のように、何か必要があればいつでも関連映像を調査できる体制が整っているのだ。また、ドバイではタクシーに忘れ物をすると、必ずドライバーがホテルに届けてくれるが、これも実は、ドバイ警察の厳しい監視体制によるものだ。先の外交官によれば、

「ドバイのタクシー運転手は、すべて外国人の出稼ぎ労働者です。ドバイ警察の私服の捜査員は、時折、わざとタクシーの中に忘れ物をしていきます。もちろんタクシーのナンバーやドライバーの名前を控えています。一定時間以内に忘れ物を届けないドライバーは、即座に国外退去です」

 ……ということだ。

 ドバイの人口の9割は、外国人だと言われている。そうした現状で、少数のドバイ人が圧倒的多数の外国人を管理するため、ドバイはかなりのハイテク装備を施しているということだ。ただし、この外交官はこうも言う。

「ドバイの公務員は全員、DNAサンプルを採取されています。したがって公務員が犯罪を犯せば、すぐに特定できます」

 ドバイ警察の監視が及ぶのは、外国人労働者だけではないようだ。
(櫻井慎太郎)

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