街中を埋め尽くす戦車、燃えるビル…中東・シリアの終わらない内戦

ハピズム / 2013年8月16日 19時49分

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 シリアは、2011年3月以来内戦状態にある。でに犠牲者総数は10万人を越え、国連安全保障理事会になされた報告では、今でも1日6000人の難民が国外に逃れようとしているという。

 同じ頃、内戦状態となったリビアでは、その年の2011年10月にカダフィが殺害され、カダフィ政権側と反体制派という図式の戦闘は終了した。それに反しシリアの内戦は長期化しており、出口さえ見えない状況である。

■なぜ、混乱が続いているのか?

 そもそもリビアの場合、2月に反政府武装蜂起が始まるとNATO諸国が早々と反体制派支援を決め、3月からカダフィ軍に対する空爆が始まった。しかしシリアでは、国際社会がいまだに本格的な軍事介入に踏み切れないでいる。その原因について、ある中東専門家はこう語る。

「軍事介入に関しては、従来からシリア政府と深い関係にある中ロが強硬に反対しています。それに過去イスラエルと何度も戦ったシリア軍は、リビアとは比べ物にならないほど強力な軍事力を持ち、介入するとすれば格段に大規模なものとなります。また反体制派も分裂状態で、イスラム過激派とクルド人との大規模な戦闘も発生しています。また、反体制派に武器を提供すれば、これらの兵器がイスラム過激派の手に渡り、欧米諸国に対するテロに使用されるおそれもあります」

 もう1つ、リビアとシリアが異なる点がある。それは、リビアでは国民のほとんどがスンニー派イスラム教徒であるのに対し、シリアには多くの少数宗派が存在し、内戦が宗派対立の色彩を帯びていることだ。そもそも、現在のシリア大統領バシャール・アサド自体、アラウィ派と呼ばれる少数宗派出身である。アサド大統領は、表面上はスンニー派に「改宗」しているが、スンニー派住民は誰も本当に改宗したとは信じていない。

 アラウィ派とは、ヌサイリー派とも呼ばれ、イスラム教の教義に加え、キリスト教の三位一体に似た思想や、シリアの土着宗教の要素も取り込んでいる。そのため、イスラム教で主流派をなすスンニー派は、アラウィ派を同じイスラム教徒とはみなしていないのだ。そして、シリアで人口の多数を占めるのもスンニー派。

 当然、現在のシリア政府は、大多数のシリア国民にとって異端政権となる。そこで、シリアのムスリム同胞団は、1970
年、バシャール・アサドの父であるハーフィズ・アサド前大統領が政権を掌握した直後から、暗殺や爆弾テロも含む抵抗運動を開始した。これに対し政権側は徹底的な弾圧で応じた。

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