LCCのゲルマニア航空破産。原油が上がれば倒産するLCCは更に増える!?

HARBOR BUSINESS Online / 2019年2月22日 15時30分

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 格安航空(LCC)の危機は続いている。2月5日、ドイツのゲルマニア(Germania)航空が破産した。今後、原油価格がさらに上昇するようになればLCCで倒産する航空会社は更に増えると言われている。

 昨年はヨーロッパでLCCの8社が倒産した。

 Primera Air(デンマーク)、Cobalt Air(キプロス)、Small Planet(リトアニア)、VLM(ベルギー)、Azuz Air(ドイツ)、Olympus(ギリシャ)、SkyWork(スイス)、ASL Airlines Switzerland(スイス)の8社だ。(参照:「CERODOSBE」)

 ドイツではGermaniaの倒産の前にAir Berlinが2017年10月に倒産している。

 LCCがヨーロッパで誕生したのは観光ブームの成長と直接関係している。

 スペインはヨーロッパでフランスに次ぐ第2の観光国である。その中でも、カナリア諸島やマジョルカ島に向けてドイツからGermaniaは多くの観光客を送っていた。例えば、昨年のマジョルカ島への旅行には53万人がGermaniaを利用し、カナリア諸島へは2016年のデーターになるが8万2700人が搭乗したそうだ。(参照:「Preferente」)

◆ライバルが倒産しても熾烈な競争は変わらず

 Germaniaの前身は1978年創業のSpecial Air Transportである。その後、1986年に組織を再編して社名もGermaniaと改めた。現在まで、ヨーロッパを始め、北アフリカや中東にも飛んでいた。ドイツから世界の60の都市を37機で結んでいた。年間の利用者は400万人。

 これまでSmall Planet、Nikki、Air Berlin、Monarchといった航空会社が倒産したことによってライバル航空が少なくなる分、カナリア諸島やマジョリカ島に観光で向かう乗客がGermaniaのフライトでも増えてよさそうなものである。が、ライバルの航空会社が余りに多く、チケットの価格で熾烈な戦いを余儀なくされていたというのが実情であった。

 例えば、ドイツからマジョルカ島に向かう観光客が選べる航空会社には次のようなリストアップができるのである。<Vueling、Air Europa、Easy Jet、Ryanair、Thomas Cook Airlines、Eurowings、TUI Fly、Lufthansa、Jet2、Volotea>とあって、それにGermaniaも加わってのチケットの価格競争になるのであった。(参照:「OK DIARIO」)

◆原油値上げなどで累積赤字は40億超

 Germaniaはチェックインの荷物は20キロまで無料、機内も食事と新聞のサービスも実施して他社と差別化していた。(参照:「CERODOSBE」)

 しかし、原油の価格の上昇は厳しいコスト削減を迫られていた。それをどのようにして価格に影響させないようにして吸収するのかというのは非常に難しい。Germaniaの2015年は680万ユーロ(8億8400万円)の赤字、2016年も770万ユーロ(10億円)の赤字を計上していた。更に、累積赤字として3200万ユーロ(41億6000万円)を抱えていた。(参照:「ABC」)

 このような厳しい財務事情に加えて、昨年は燃料の値上げ、ドルの上昇とユーロの下落、技術部門での修理などの費用の高騰、新しい機材の納品の遅れといったことが同社の財務事情を非常に厳しいものにしていたという。それが明るみになったのが昨年12月であった。営業継続には当面の資金として2000万ユーロ(26億円)が必要だとされていた。(参照:「Preferente」)

 結局、この資金繰りに都合がつかず1月5日に破産申告をしたのである。が、Air Berlinの社長だったヨアヒム・フィルトをリーダーとする投資グループが資金支援をする用意があることが明らかにされたが、Germaniaの方ではそれについて一切言及を避けているという。(参照:「ABC」)

 今回の破産によって旅行代理店を通して購入したチケットについては代替えのフライトを代理店の方で用意するとされている。しかし、Germaniaから直接チケットを購入した利用者に対しては現状では対処できないとされている。

 LufthansaグループのEurowings は被害を受けた外国にいる利用者に対して2月末までに<往復チケットを50%の割引>で提供するとしている。(参照:「Ultima hola」)

 なお、Germaniaの系列のスイスのGermania FlugとブルガリアのBulgaria Eagleには一切影響はないと報じられている。

<文/白石和幸>

しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身

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