定期預金の利子が8%のベトナムで銀行口座を開くには?

HARBOR BUSINESS Online / 2019年6月20日 15時30分

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photo by Katherine Slade via Pixabay

◆定期預金の利子が8%の国で銀行口座を開く

 前回から、日本でお金を貯め、現在はベトナムでセミリタイア生活を送る宮内健吾(仮名)にご登場いただいている。宮内がベトナムを選んだ理由は、ベトナムが成長しているからだ。その動かぬ証拠が「銀行の利子」である。

 

”「ベトナムドンの普通預金は金利3%程度だが、1年定期はなんと13%なのだ」”

(『臆病者のための億万長者入門』橘玲・文藝春秋)

 同書の刊行は2012年だが、今も定期の利子は8%台を維持しているという。

 そんな銀行口座の開き方を教えてもらった。

「ブログに書いたままですけど、一か月とかの滞在ビザをとります。それでパスポート持参で銀行に行ったら英語がわかる人がいますので、住所はホテルの住所を言って、電話番号はSIMカードを買ったときにもらえるベトナムの番号があればそれでいいので、あとはあちらが勝手に入力してくれます。誰でもできますよ。それで利率が現在8.5%ですね」

 それだけの利率を出せるのは、経済が成長を続けて、それ以上の金利がかかってもお金を借りてくれる人がいるからだ。日本だと住宅ローンのフラット35で0.8%とかがあるが、「ベトナムの住宅ローンは一番安くて12%とかですよ。横断幕で、“なんと10%!”みたいな感じで大々的に謳っていますからね。それも小さく“最初の3か月だけ”とか書き加えていますからね。たぶんそれ以降は13%とかになるんでしょうね」。

 これだけ金利が高いと、基準も厳しくなるのは当然だろう。ベトナムには、筆者のようなフリーランスにもカネを貸してくれる優しい銀行はあるのだろうか。

「そこはわかりません。私が借りたことがないですから。でもね、よく電信柱とかに広告が貼ってありますよ。“今日貸します。すぐ用立てます”みたいな。金利何%か書いていませんから、めっちゃ怖いですよ。たぶん、日本のトイチよりひどいんじゃないですかね」

◆周辺国よりも格段に整ったインフラ

 セミリタイア投資家としての宮内がそれでもベトナムの成長を確信しているのは、インフラが整っているからという側面が大きい。これは近隣諸国と比較すると一目瞭然である。つい最近、宮内はミャンマーに行ってきたばかりだという。

「やっぱり、インフラの整い方が全然違います。一日の半分は停電していますからね。田舎にいったら、もう電気がついていればラッキーみたいな感覚ですよ。人間性はASEANナンバー1じゃないかというくらいいいですけどね。ベトナムのインフラも交通関連などで課題があり、タイやマレーシアなどよりは劣りますが、世間でASEAN有望株とされるミャンマーと比べるとその際は歴然としています。それもあり、金利は8%前後で同じですが経済成長という観点から考えるとちょっと苦しいかなというのが率直な印象です」

 ちなみに、宮内は不動産には手を出していない。「銀行の金利より、不動産利回りのほうが安いからだ」という。

「投資の基本ですけどね。全財産をつぎ込めば、買えないことはないですし、今後不動産自体が値上がりする可能性もありますけどね。でもそれなら、不動産会社の株を買えばいいだけの話ですから」

 ホーチミン市において、家賃は日本円にして最低で6500円くらいからあるという。

「もっとも、それは本当の長屋ですから、日本人には住めないと思います。日本のワンルームレベルで、二万円くらいですかね。ベトナム人は、そういうところに何人かでルームシェアしていますけど」(宮内)

◆ベトナム戦争の爪痕である南北格差

 言うまでもなく、ベトナムではかつてベトナム戦争があった。ここで注意すべきは、米国に勝ったのは「北ベトナム」であるということだ。現在の朝鮮半島と同じく、ベトナムもかつて南北に分かれており、米国は南に肩入れしていた。しかし、米国が撤退し、北が南を征服した。宮内はそんな「南ベトナムの友人」からこんな話を聞かされたという。

「北ベトナムの軍人はレコードを知らなくて、料理の盛り付け用の皿にしたんだって。そう南ベトナムの軍人だったお父さんが言っていた」

 筆者も似たような話を聞いたことがある。場所は台湾だ。

「国民党の軍人は、水道を初めて見て“壁から水が出てくるこんな便利なものがあるのか、と感動した。それで金具屋に行き、水道の蛇口を買ってその辺の壁に刺したが、水が出てこないと激怒していた」

 どちらも真偽はわからない。確かなことは、「文明人が野蛮人に征服された」、その怨念をそういった小話を伝えることでしか昇華できない、ということだ。

◆経済性も国民性も異なる南北ベトナム

 実際、今でも一人あたりGDPでは南の旧サイゴン、現ホーチミンはハノイの約1.5倍を維持していて、ハノイからの出稼ぎも少なくないという。

「南北の違いはいまだに大きいです。タカさんが行けばもう一発でわかるくらい違います。あと、人間性についても“ハノイ人は親切ではない”とハノイ人も言いますからね。ホーチミンのほうがいいですね。僕はそれほど言葉が達者ではありませんが、ハノイとホーチミンでは発音も全然違うみたいです。北側は米軍の北爆でインフラが完全破壊されましたから、外資系企業が来るときもまずはホーチミンを目指しますよね。だからいまだに経済格差が続いているということだと思います」

 ということで、この原稿を書き終えた直後、筆者はベトジェットの機上の人となる。次回は、ベトジェット100円セールの実態、そしてハノイの実情をレポートすることとしたい。

【タカ大丸】

 ジャーナリスト、TVリポーター、英語同時通訳・スペイン語通訳者。ニューヨーク州立大学ポツダム校とテル・アヴィヴ大学で政治学を専攻。’10年10月のチリ鉱山落盤事故作業員救出の際にはスペイン語通訳として民放各局から依頼が殺到。2015年3月発売の『ジョコビッチの生まれ変わる食事』は15万部を突破し、現在新装版が発売。最新の訳書に「ナダル・ノート すべては訓練次第」(東邦出版)。10月に初の単著『貧困脱出マニュアル』(飛鳥新社)を上梓。 雑誌「月刊VOICE」「プレジデント」などで執筆するほか、テレビ朝日「たけしのTVタックル」「たけしの超常現象Xファイル」TBS「水曜日のダウンタウン」などテレビ出演も多数。

【タカ大丸】

 ジャーナリスト、TVリポーター、英語同時通訳・スペイン語通訳者。ニューヨーク州立大学ポツダム校とテル・アヴィヴ大学で政治学を専攻。’10年10月のチリ鉱山落盤事故作業員救出の際にはスペイン語通訳として民放各局から依頼が殺到。2015年3月発売の『ジョコビッチの生まれ変わる食事』は15万部を突破し、現在新装版が発売。最新の訳書に「ナダル・ノート すべては訓練次第」(東邦出版)。10月に初の単著『貧困脱出マニュアル』(飛鳥新社)を上梓。 雑誌「月刊VOICE」「プレジデント」などで執筆するほか、テレビ朝日「たけしのTVタックル」「たけしの超常現象Xファイル」TBS「水曜日のダウンタウン」などテレビ出演も多数。

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