菅官房長官登壇の選挙演説会で会場を仕切る菅原一秀衆議院議員がジャーナリストを不当排除

HARBOR BUSINESS Online / 2019年7月20日 8時31分

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秘書に筆者らの入場阻止を指示する菅原一秀議員

 選挙戦終盤を迎えた17日夕刻、都内練馬区の区民ホールで参院選東京選挙区の武見敬三候補(自民党)の個人演説会が開かれ、菅官房長官や地元選出の代議士菅原一秀衆議院議員らが応援弁士として登壇した。その会場入場口では、演説会を仕切る菅原議員が取材に訪れたジャーナリスト2名を不当に排除していたことが判った。

 さらに「招待状がないと入場できない」菅原事務所主催の演説会に、統一教会(家庭連合)の関係者が参加していたことも明らかとなった。

Contents1 二度目の公開質問状2 武見敬三候補の個人演説会を告知3 菅原議員が演説会入場を拒絶4 「全部排除して」耳を疑う発言5 練馬警察署警備課長と係長が徹底マーク6 “上司の判断”でひっくり返った武見選対事務所7 招待状も紹介者も必要なし?8 統一教会幹部の姿も!9 回答期限は参院選投開票日翌日

◆二度目の公開質問状

 菅原一秀衆議院議員に関しては、これまで統一教会(家庭連合)との関わりやTwitter社及び警察への虚偽通報など様々な疑惑を報じてきた。(参照:”統一教会イベントで2世信者を激励した議員に「信者運動員使用」疑惑浮上。本人を直撃<政界宗教汚染~安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第9回>“、”公職選挙法違反疑惑を指摘のジャーナリストを国会議員事務所が警察に虚偽通報か“)

 参院選公示前の6月27日、一連の疑惑を問うためジャーナリストの藤倉善郎氏と筆者は連名で菅原議員に対し公開質問状を出した(参照:“ジャーナリストを警察に虚偽通報した自民・菅原一秀衆議に公開質問状”|やや日刊カルト新聞)。しかし回答期限の7月4日、何の回答も記載されていない「回答書」なるものが菅原事務所から送付されてきた(参照:“自民・菅原一秀衆議、質問状に答えず法的措置ほのめかす”|やや日刊カルト新聞)。そこで再度、今月17日付けで質問状を自民党本部、国会記者クラブ、そして菅原議員の国会事務所と練馬事務所へFAX送信した。

◆武見敬三候補の個人演説会を告知

 17日朝、菅原議員はTwitterを更新。同日19時から練馬文化センターで武見候補の個人演説会が行われることを告知した。

「来る!菅官房長官 弁士 すがわら一秀衆議院議員」との案内画像が貼られ「入場口でお名前、ご住所、お電話、紹介者をご記入いただきます」とツイート。

 紹介者がいないと入場できない選挙演説会とは異例だ。筆者らの来場を警戒しているのだろうか。そこで同日日中、武見候補の選対事務所に電話し確認を取ったところ、同事務所のスタッフ“サイトウ”氏は「紹介者がいなくても入れます。もし紹介者を訊かれたら私の名前を出してください」と快く我々の入場を承諾した。

◆菅原議員が演説会入場を拒絶

 しかしである。18時50分ごろ、筆者と藤倉氏が練馬文化センターへ行き演説会場である小ホール〔つつじ〕へ向かうと、ロビーで我々の姿を認めた菅原議員の国会事務所の女性秘書が「招待券はお持ちですか?ご招待券の無い方は今日お入りいただけない」と声を掛けてきた。

「武見事務所から紹介を受けています」そう答え、入場口に向かう。

 入場口には来場者を出迎える演説会主催者・菅原議員の姿。我々に素っ気なく「ここは入れませんから」そう告げ、両開きのガラスドアの片方を閉めた上で施設の警備員を呼ぶようスタッフに指示を出す。

「お入りにならないで!」「お写真撮るのやめてください。撮影はダメなので」

 菅原議員の指示を受け、鋭く声を飛ばす女性秘書。しかし、菅原議員の別の男性秘書も我々を撮影している。尚のことこちらも撮影をやめる理由はない。

「呼んだ?」秘書に確認する代議士。当日付の公開質問状を菅原議員に直接手渡そうとしたが受け取りを拒否、ついには入場口のガラスドアを両方閉め中に籠ってしまった。

鈴木「招待を受けているので武見事務所の方を呼んでください」

 菅原事務所の秘書に告げたが、全く取り合う気配がない。

「いらっしゃいませ、中で受付しております!」

 我々を入場口外側に留め置き、来場者が来るたびガラスドアを開け中に招き入れる菅原議員とその秘書たち。

 受付にいた顔見知りの菅原議員の男性秘書を手招きし公開質問状を渡そうとしたところ「もらうな!」菅原議員の声が飛ぶ。

◆「全部排除して」耳を疑う発言

 そしてこの代議士は別の秘書にこう命じた。

「全部排除して」

 さらに、練馬事務所の女性スタッフに指示する。

「出してください」

 完全にモノ扱いだ。

 自分では、応対はおろか面と向かって話すことすらしようとせず、秘書に指示するのみの国会議員。

藤倉「どうして招待してもらっているのに入れてもらえないんですか?」

無視を続ける菅原議員。

鈴木「無視しないでくださいよ、菅原さん」

藤倉「菅原さん、武見さんの演説会、邪魔するのやめましょうよ」

鈴木「武見さんの演説聴かせてください」

藤倉「菅原さん、お客さん差別するのやめてください」

 何を呼びかけても反応はない。

「そこで対応して」「説明して」「佐竹さんは?」「法的措置になってるんだから」

 秘書に対し矢継ぎ早に支持する菅原議員

鈴木「法的措置の説明をお願いします」

◆練馬警察署警備課長と係長が徹底マーク

 そこに現れたのは練馬警察署の警備課長と係長。

 武見事務所のサイトウさんを呼ぶこともせず、足止め状態が続く。

秘書「主催者は菅原一秀事務所なんです。そして菅原事務所としてはお断りをしておりますので」

藤倉「菅原事務所は武見さんの事務所の意思に反してお客さんを追い出すということですね」

秘書「そんなことはないです」

藤倉「僕たちは武見事務所の招待を受けているんですよ。サイトウさんを呼んでください、なんで呼ばないんですか」

秘書「いえ、それにしても菅原一秀事務所が・・・」

藤倉「なぜ武見事務所のサイトウさんを呼ばないんですか、なぜ確認できないんですか」

 ようやく女性秘書はこう答えた。

「じゃあサイトウさんをお呼びします」

 しかしその後も10分以上放置が続く。練馬署の警備課長に確認してもらったところ、先程の秘書は武見選対事務所に電話で確認していたとのこと。

 しばらくして秘書が戻ってきた。

秘書「なんでカメラを回すんですか、回さないでください」

藤倉「この異常な対応を撮るために回してます」

秘書「許可をしてないです、取材許可はしてないです」

鈴木「取材許可は求めてないです」

藤倉「何かまずいですか?」

秘書「一種の取材だとしたら許可は出してないのに」

藤倉「取材って別に許可なくてもやっていいんですよ」

秘書「でもそれを出されたら困ります」

藤倉「出すか出さないかは」

秘書「わかりました、私たちとしてはあくまでもそれを拒否しておりますので」

鈴木「それはご自由に」

藤倉「回していると答えられないんですか?」

秘書「いえ回さなくても答えませんが」

藤倉「あそうなんですか、じゃ回します、結果が同じなら回します」

◆“上司の判断”でひっくり返った武見選対事務所

 そこへ緑色のシャツを着た武見選対事務所の男性スタッフが現れた。ようやく武見事務所に確認が取れたとのこと。

支援で入っていると言う武見事務所の選対本部の男性秘書「武見選対本部としましても現場の意思を尊重するということですので」

鈴木「サイトウさんが我々に許可を出したことは確認は取っていただいたのですか?」

武見秘書「そうなんですけれども、サイトウの上司が後ほどからそれはダメということで立ちましたので」

藤倉「ひっくり返ったということですね」

武見秘書「そうですね」

鈴木「武見事務所の意思ではなくて菅原事務所の意向を尊重してということですね。武見事務所としては我々を排除する意思はなかったということですね」

武見秘書「現場が拒否している以上は選対事務所としても拒否といいますか尊重して同意するという意味ですね」

藤倉「共同意思表示ということですね。であれば」

 武見敬三選対事務所は“現場”の菅原一秀議員の意向を受け、我々の“排除”に同意した。

◆招待状も紹介者も必要なし?

 我々が排除される一方、ホール内の様子も判明した。菅原議員は他の弁士が演説中もずっとスマートフォンを操作していたという。秘書に指示を出していたのであろうか。

 何人かの来場者に確認したところ、招待状や紹介者がなくても受付で住所や名前など個人情報を書けば入場できたという。

◆統一教会幹部の姿も!

 主役の菅義偉官房長官と武見敬三候補が次の個人演説会会場である世田谷へ向かい、壇上に残ったのは菅原議員の他にはやはり統一教会と関係の深い山加朱美都議会議員や区議会議員、菅原後援会関係者、そして自民党の全国比例候補の秘書など。

 主役がいなくなったためか退場する人も多くいた。ホールから出てきた人物をチェックしていると、その中に見覚えのある男性がいた。統一教会の都内教区で政治家などの渉外を担当していた人物だ。声をかけたが、素っ気ない態度で立ち去った。

 菅原一秀事務所が主催し「招待状がないと入れません」と秘書が力説する催しに統一教会の幹部が参加していたのだ。

◆回答期限は参院選投開票日翌日

 この日の取材を終え、改めて感じたのは菅原議員の余裕の無さだ。公開質問状の回答期限は7月22日、今回はまともな回答が返ってくることを期待したい。(文中敬称略)

<政界宗教汚染~安倍政権と問題教団の歪な共存関係・番外編>

<鈴木エイト(やや日刊カルト新聞主筆) 取材協力・写真/藤倉善郎(やや日刊カルト新聞総裁)・Twitter ID:@daily_cult3>

【鈴木エイト】

すずきえいと●やや日刊カルト新聞主筆・Twitter ID:@cult_and_fraud。滋賀県生まれ。日本大学卒業 2009年創刊のニュースサイト「やや日刊カルト新聞」で副代表~主筆を歴任。2011年よりジャーナリスト活動を始め「週刊朝日」「AERA」「東洋経済」「ダイヤモンド」に寄稿。宗教と政治というテーマのほかに宗教2世問題や反ワクチン問題を取材しトークイベントの主催も行う。共著に『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩選書)

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