ジョブス筆頭に海外経営者が注目。ビジネスマンこそ「坐禅」に挑むべき理由

HARBOR BUSINESS Online / 2019年8月2日 15時31分

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 今回のテーマは、「忙しいビジネスマンこそ、夏休み中にお寺で坐禅体験をしてほしい」というものだ。なぜなら、現代の脳科学や心理学が解き明かした、クリアな思考を生む方法が2500年前から行われている坐禅にはあったからだ。

Contents1 座禅はクリアな思考を生む武器2 頭で感情を支配することは難しい3 心理学的にも理に適っている座禅4 理解するよりもまずは体験しよう

◆座禅はクリアな思考を生む武器

 優秀なビジネスマンや忙しいビジネスマンほど、朝早くから夜遅くまで仕事をしていて、早朝や18:30から始まる坐禅会に参加できない。なので、時間に余裕ができる夏休みのタイミングに一回だけでも、「お寺」で坐禅体験をしてほしい。

 筆者は先日、西麻布にある長谷寺で、坐禅を体験させていただいた。そのときに、坐禅の三大要素である3調「調身+調息=調心」の教えをいただいた。これがまさに、現代社会のビジネスマンが取り入れるべき、クリアな思考を生む武器なのだ。

 これを簡易的に説明すると、「姿勢を正して、呼吸を整えることで、心を落ち着かせることができて、次の段階に思考が移っていく」というものだ。

 現代人は、多くの不安や心配、恐怖に囚われており、そのような感情は脳のキャパを占有する。人間の脳は、限られたリソースの中で判断できる合理的な判断を行うので、このような感情で脳の処理領域を占有されていると、クリアな思考をすることができない。

◆頭で感情を支配することは難しい

 人間は焦っているときほど、合理的な判断ができなくなるのも、脳の多くの領域を感情に支配されてしまっているからだ。

 ただ、こういう状態に陥ったときに、多くの人が、「考えちゃダメだ」「落ち着け」と頭で支配しようとする。しかし、日常的にそのトレーニングができていなければ、いざというときに心をコントロールすることができない。

 だからこそ、調身+調息の考え方で、調心を行うのだ。姿勢を正して、自然な呼吸にすることで、心が落ち着いていく。

◆心理学的にも理に適っている座禅

 次に「調身」と「調息」について、それぞれ解説しいこう。

 調身

 調身という、背筋を伸ばして正しい姿勢をすることは、エイミー・カディ氏の「パワーポーズ」の概念と近い。自信のあるポーズ(ハイ・パワーポーズ)を行うことで、脳を騙して、闘争心を高める脳内ホルモンを分泌することができるというものだ。昔、笑顔体操という、自分で笑顔を作ると楽しい気分になるものがあった。

 人は不安を感じていると背筋が曲がって、弱い姿勢であるロー・パワーポーズを取ってしまう。そうすると、脳内でも不安な気持ちを起こさせる脳内ホルモンが分泌されてしまう。それが、悪循環となって、どんどん不安な感情が強くなっていくのだ。

 そのため、姿勢を正すことで心の状態を整えようとすることは、心理学的に正しい手法だ。

 調息

 調息という自然な呼吸を行う……。怒りの感情が生まれたときに深呼吸をすると気持ちが落ち着くように、呼吸で心を落ち着かせることは、みなさんも経験があると思う。

 大変な仕事が終わったときに「ため息」が出るのも、自律神経が緊張の交感神経から、リラックスの副交感神経に切り替えて体の緊張を解くためだ。緊張や不安などのネガティブな気持ちに支配されたときは、呼吸は乱れてしまう。心の乱れは呼吸の乱れへとつながる。

 しかし、これは上記の調身と同じで、乱れた呼吸を意図的に整えることで、乱れた心をも整えることができるのだ。

◆理解するよりもまずは体験しよう

 このように、身体と呼吸を整えることで心を整える、調身+調息=調心というのが、心理学や脳科学的に正しいことはわかっていただけただろうか。思考法やテクニカルな方法で感情をコントロールしようとするよりも、シンプルではないだろうか。

 余計な感情に支配されていないクリアな脳から、クリアな思考は生まれる。深い思考を行う必要があるときは、調身+調息を行なってみてはいかがだろうか。

 ただ、記事を読んで頭でわかった気になるよりも、ちゃんとお寺に行って体験をしてほしい。畳の軋む音しかしない空間で、ただただ座って呼吸をする時間というのは、神秘的な経験となる。頭で理解していることと、実際の体験がどれだけ異なるかが判るだろう。

 筆者が訪れた長谷寺では毎週月曜日に18:30から座禅体験を行なっており、100円で参加させてもらえることができる。私のときは、20人近くが参加していたが、普段はもう少し少なく、かなり参加しやすい雰囲気だ。

 ぜひ、夏休みの時間があるときに、普段は体験できない2500年かけて作られた伝統を体験していただきたい。

【参考文献】

『行動意思決定論』M・H・ベイザーマン/D・A・ムーア

『が最高の自分を創る』エイミー・カディ

『坐禅の実際』〜身心一如としての坐禅

【山本マサヤ】

心理戦略コンサルタント。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催。これまで数百人に対して仕事やプライベートで使える心理学のテクニックについてレクチャーしてきた。また、メンタリズムという心理学とマジックを融合した心理誘導や読心術のエンターテインメントショーも行う。クラウドワークスの「トップランナー100人」、Amebaが認定する芸能人・著名インフルエンサー100人に選出。●公式ホームページ ●Twitter:@3m_masaya ●Instagram:@masaya_mentalist

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