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【被害者と妻が証言】睡眠作用がある薬を飲まされ、一時意識障害になった81歳の男性「まさか、まさかだよな…」送検された看護師の男が病室で気になる言葉を口に… 北海道室蘭市

北海道放送 / 2024年6月12日 16時8分

81歳の男性に薬を飲ませ、意識障害を負わせた疑いで送検される渡辺裕一容疑者(12日午前8時半ごろ・室蘭警察署)

今年5月、北海道登別市の介護施設で看護師の男が、利用者の男性に睡眠作用のある薬を飲ませ、一時意識障害を負わせた疑いで10日に逮捕され、12日午前、身柄を検察庁に送られました。

送検されたのは事件当時、登別市のデイサービス型介護施設に勤めていた看護師、渡辺裕一容疑者35歳です。

事件が起きた5月30日、いったい介護施設で何があったのか?看護師の渡辺容疑者とは、どんな人物なのか。薬を飲まされる被害にあった男性と、その妻が、HBCの取材に応じました。

■【看護師の男に渡された薬を飲んだ後に…】

被害者の男性(81)
「まさか、まさかだよな。そんなになるなんて全然思わなかった(気がついたら?)病院さ」

登別市に暮らす81歳の男性は、自分の身に起こった出来事について、いまも驚きの表情を隠せない様子で、私たちの取材に答えました。

この男性は5月30日、デイサービスを利用するために訪れた登別市の介護施設「総合ケアセンター登別ライフプラス」で、看護師の渡辺裕一容疑者35歳に睡眠作用のある薬を飲まされ、一時意識障害の状態に陥りました。

被害者の男性(81)
「(薬を)2つ飲んだ。それからのことは…わからない」

男性は2日間ほど治療を受け、現在、体調は回復しています。ただ、どうして自分が薬物を飲まされるような被害にあったのか。まったく心当たりがなく、男性の妻も不安を抱えたままです。

被害者の男性の妻
「病院で“舌を出してごらん”って言われて見せたらブルーだった…薬の成分が出たと後で聞いた」「こんなことって…あるんだべか?本人が無事でなかったら家族が黙っていない…怖い」

■【「口の中が青くなっていて…」病院が警察に通報】

事件が起きた5月30日午前のことでした。

デイサービスを利用した81歳の男性が突然、意識がもうろうとした状態に陥り、異変に気づいた施設の職員が119番通報し、男性は病院へ搬送されました。

その日の午後1時55分ごろ、今度は男性の治療にあたった病院が『施設から搬送された患者に異常が認められる。口の中が青くなっていて、睡眠薬を飲んだと疑われる』と警察に通報。捜査が始まりました。

関係者から詳しく事情を聴くなどした結果、事件当日、デイサービスに参加していた看護師の渡辺容疑者が逮捕されました。

施設の関係者によると、渡辺容疑者は、被害男性が搬送される際、別の職員と一緒に対応にあたっていたといいます。

被害者の男性(81)
「午前中、デイサービスで手を伸ばしたり、ストレッチの体操を30分くらいやったりした。それから自転車を15分くらいこぐ運動をした後で“きょうは天気がいいから表(屋外)に行って体操しよう”となったんだけれど…そうしたら具合が悪くなって」

「それで自分が“ちょっと薬ないか?”と言ったら、薬を出してくれた…1つ」

「薬を水で飲んだら“スーッ”と、ウソみたいなくらい、ものすごく体調がよくなった…これはいいなと思って“もう1個あるか?”って言ったら『ある』って言うから、2つ飲んだ」

しかし、薬を飲んだ後、男性は意識がもうろうとなり、病院に運ばれます。その間の記憶は、わずかに残っているだけだと話します。

被害者の男性(81)
「薬を飲んだ後からはわからない。ちょっと歩いたのはわかっているけれど、どこまで歩いたのかがわからない」

「(記者:気づいたら?)病院さ…まさか薬でそうなるなんて全然思っていなかった」

■【元気にデイサービスへ出かけた夫がなぜ…】

被害にあった男性の妻は、事件当日の朝、いつも通り、デイサービスに出かける夫を見送りました。ところが、その数時間後、思いもよらぬ連絡を介護施設から受けることになりました。

被害にあった男性の妻
「朝は元気で、夫はいつも通り、デイサービスに出かけて行きました。それが11時50分ごろ、施設から電話があって“ご主人が呼吸困難みたくなって、病院に運ばれた”と伝えられて…」

「夫はこれまで何度か、脱水症状を起こして病院に運ばれているから、今回もそうかと思っていたけれど、病院で夫はぐだっとした感じで、普通とは違うような具合の悪さに見えました」

施設を運営会社によると、渡辺容疑者は去年1月からパートの看護師として勤務。これまでに利用者とのトラブルは、特に確認されていませんが、ほかの職員から仕事内容の理解をめぐり、たびたび指導を受ける場面もあったとのことです。

■【看護師の男はなぜ犯行に及んだのか…】

男性の妻によると、夫が手当を受けている病室に入ると、そこに渡辺容疑者が居て、こんな声をかけてきたというのです。

被害にあった男性の妻
「病院に行ったら渡辺容疑者が居て、頭を下げて“迷惑をかけました”と言われました。私は(渡辺容疑者とは)初対面で、夫に付き添ってくれているから、お世話になっていると思って頭を下げて…」

実はその時、渡辺容疑者が気になる話を口にしたと、男性の妻は話します。

被害にあった男性の妻
「月に“搬送された人が3回も出ているんです…3人目なんですよね”って、渡辺容疑者が言うんですよね」

「こんな事態になると思わなかったです…まだ他人事のようです。夫はデイサービスをやめました」

■【渡辺容疑者は日頃から睡眠作用がある薬を服用】

これまでのところ、被害にあった男性と渡辺容疑者の間に、個人的なトラブルなどはなかったとみられています。

被害者の男性は、渡辺容疑者について「ちゃんと、いい人だよ…あとから事件のことを聞いてびっくりした」と取材に答えています。

今回の逮捕を受け、介護施設は、渡辺容疑者を10日付けで懲戒解雇。施設は「再発防止に取り組む」とコメントしています。

その後の調べで、渡辺容疑者は日頃から睡眠作用のある薬を服用していて、被害にあった81歳の男性が飲まされた薬は、事件が起きた施設には置かれていないものでした。

警察は、渡辺容疑者が服用している自分の薬を持ち込んだ可能性も含めて調べています。

渡辺容疑者は看護師でありながら、なぜ睡眠作用のある薬物を故意に飲ませて、高齢者の体調を著しく害すような行為に及んだのか…。

この施設では、利用者が病院に搬送されるケースが、この半年間で複数回あったということで、警察が渡辺容疑者との関連を調べています。

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