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ANAグループやベンチャー企業などから自治体へ 民間の視点で地域を活性化 営業マンならではのノウハウでふるさと納税の返礼品がバリエーション豊富に

北海道放送 / 2024年6月19日 20時3分

民間企業の知恵とノウハウが北海道内の自治体で生かされています。

北海道胆振地方にある伊達市。このマチで、いまあることが急成長しているんです。

伊達市企画課 三浦正貴係長
「ふるさと納税の事業が大きく増えている。今年は2億5000万近くまで増えました」

伊達市の昨年度におけるふるさと納税の寄付額は、前の年と比べておよそ2.5倍に増加。
その陰には、ある人物の働きがありました。

伊達市企画課(ANAあきんどから派遣) 大沼圭介さん
「ANAの航空券をどういうふうに売ればいいのかは、体に身に付いているので。それを返礼品に置き換えてやっている」

企業の力を借りて、地域を活性化させる取り組みをもうひとホリします。

伊達市が「ふるさと納税」をスタートしたのは2017年。


寄付額は年々増加し、22年度には9722万円を記録。
さらに昨年度は1億5000万円ほどアップして、2億4632万円にまで増えました。
急激な増加の背景には、ある“キーマン”の存在がありました。

伊達市企画課(ANAあきんどから派遣) 大沼圭介さん
「今こちらの限定商品出しているんですが、それがしっかりサイトに出ているかだとか、実際これは出たのは最近なので売り上げがどのくらいになってるかをチェックしている」

こう話すのは、ふるさと納税を担当している大沼圭介さんです。
大沼さんはANAのグループ会社の社員で、企業が自治体へ社員を派遣する「地域活性化起業人」という制度を活用して、おととし、伊達市にやって来ました。

伊達市企画課 三浦正貴係長
「民間の仕事の仕方やスピード感など、職員にとっても勉強になることがたくさんあるので、大変貢献していただいております」

地域活性化起業人は、都市部にある民間企業の社員を地方自治体に一定期間派遣し、民間企業のノウハウを生かして地域の活性化を図る総務省の取り組みです。

伊達市企画課 三浦正貴係長
「民間の視点でアドバイスしていただき、ふるさと納税の事業が大きく増えているところが大きな効果になっています」

大沼さんの着任以降、返礼品の数は増え、今年はおよそ500品目に増加。
その陰には、出品する事業者に直接会いに行く、民間企業の“営業マン”らしさがありました。

大滝農園 大滝真さん
「(大沼さんはよく来られる?)そうですよ」

伊達市企画課(ANAあきんどから派遣) 大沼圭介さん
「いつも突然ね」

ふるさと納税のウェブサイトに載せる画像の確認や、出品する商品の状態を実際に目で確かめるなど、事業者との関係づくりを大切にしています。

伊達市企画課(ANAあきんどから派遣) 大沼圭介さん
「(ふるさと納税の)ポータルサイトの画像のほかに、説明文のところに(商品の特徴などを)入れると、納得感もあって皆さん買ってくれたり寄付してくれたりする」

さらに、所属企業とのパイプを最大限活用し、伊達市のPRにも貢献しています。
大沼さんが伊達市内を駆け回る日々も、残すところ1年を切っています。

伊達市企画課(ANAあきんどから派遣) 大沼圭介さん
「後継者にしっかりとバトンをタッチして、伊達の発展のために頑張ってもらいたいなということで、そこに注力していきたい」

地域活性化起業人を、さまざまな分野で導入している自治体も道内にはあります。
むかわ町では、DX、タウンプロモーションなど、業種別に3人受け入れています。

むかわ町に今年4月にやって来た志田芳美さんです。
まちづくりを行う東京のベンチャー企業に勤め、地方の教育事業に取り組んできました。

むかわ町生涯学習課(Founding Baseから派遣) 志田芳美さん
「むかわ町の教育魅力化を推進していくために、まずは魅力化ってどういうことなのかを課題設定」

志田さんが主に担当するのは、「むかわ町の教育の魅力化」です。
町の歴史や文化を学び、地域活性化につなげる「むかわ学」の普及や、町の新たな教育目標の策定などに取り組んでいます。

むかわ町生涯学習課(Founding Baseから派遣) 志田芳美さん
「むかわ町だから自分が何かやりたいことが見つけられるんじゃないかという希望を持って、町で教育を受ける人が増えたら、すごくいいんじゃないかなと」

この日は、町の中高生が連携して行う授業に参加。
実際に生徒の声を聞くことを大切にしています。

むかわ町生涯学習課(Founding Baseから派遣) 志田芳美さん
「休日は何して遊んでるの?」

鵡川中学校の生徒
「体育館に遊びに行ったりとか」

むかわ町生涯学習課(Founding Baseから派遣) 志田芳美さん
「(生徒と交流するのは大事?)大事ですね。当事者というか主人公なので、どういう感じの子なのか、何に興味があるのかとか、そこはすごく大事な情報になる」

さまざまな地域の教育事業から得た経験を生かし、その地域でしかできないことを見つけることが自身の役割だと言います。

むかわ町生涯学習課(Founding Baseから派遣) 志田芳美さん
「都会だからできる教育を、地域で補填的に似せてやっていくというよりは地域でしかできないうものを作ることが魅力化なのかなと思っている。民間とか外の人が気付かせるというとすごくおこがましいんですけど、外からの視点で(町の)魅力を定義するのが大事なのかなとは思います」

ふるさと納税や教育など、さまざまな分野で地域活性化起業人が活躍していますが、全国を見るとこんな事例もあります。
ひとつは青森県藤崎町です。
広告やweb制作の会社「面白法人カヤック」から社員を派遣して、閉校した高校を再利用した新しい産業文化交流施設をプロデュースしています。

広島県東広島市では、料理教室「ABC Cooking Studio」の社員を派遣。
まちの特産品である米を活用した「米粉ドーナツ」などの商品を道の駅のスタッフと開発・販売しています。
派遣された社員は企業とのタイアップレシピを開発した経験のある方だということです。

地方で人材の確保に苦労しているなか、都市部の企業のノウハウを活用して地方のマチの活性化につなげるこの制度は、これからの時代はさらに必要となってくるのかもしれません。

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