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職人目指して門を叩き10年…炎の魔法に磨きをかける“木炭づくり”の若き職人の熱き思いに密着 北海道池田町

北海道放送 / 2024年7月1日 21時50分

夏のレジャーシーズンを前に、生産のピークを迎えているのが“木炭”です。高齢化で職人が減る中、北海道の十勝地方で木炭づくりに情熱を注ぐ若者をカメラが追いました。

北海道十勝地方の幕別町にある焼き鳥店です。

名物は“若鳥の炭火焼”。地元産の鶏肉を、地元産の木炭の火で焼き上げるのが、店のこだわりです。

本郷林業 計良佳輝(けら・よしき)さん(31歳)
「使ってもらう人がいっぱいいるので、炭の出来上がりのことは、常に考えていますね」

木炭作りに情熱を注ぐ若き職人の挑戦です。

計良和政(けいら・かずまさ)さん66歳。十勝地方の池田町、で木炭の製造会社を営んでいます。

木炭の材料は“ミズナラ”です。一度、刃を通した木は必ず使い、自然の恵みを大事にしています。

本郷林業 計良(けいら)和政社長(66歳)
「いい炭を作ることが難しい…思うようにいかない。うまく行っただろうと思っても、窯を開けるとそうでもなかったり…」

かつては、木炭は、石炭とともに家庭の熱源でしたが、いま、道内で木炭の生産者は、数えるほどとなりました。

その一方で、飲食店からの注文や、アウトドア人気から木炭の需要は高まっています。

計良さんは10年前、職人を目指したいと、門を叩いてきた一人の若者を迎えました。

計良佳輝(けら・よしき)さん31歳です。

本郷林業 計良(けら)佳輝さん(31歳)
「現場自体が山の中ですし、自然な環境というのも(理由の)1つでもあるのですけれど、木炭にこだわって使っている人がいっぱいいるので、本当にやり応えがある」

木炭作りは、ミズナラの原木を窯に並べる“木入れ”から始まります。放射状に並べるのは、木に火の熱をムラなく伝えるためです。

1つの窯の準備に半月。創業から半世紀以上、変わらない地道な作業です。窯に火を入れて4日目…。

本郷林業 計良(けいら)和政社長
「炭を炭化させるのに僕ら『本焚き』と言っているのですけれど、火加減の調整とか、一番最後の炭を締める作業が、すごく微妙なんですよね。そこをしくじってしまうと、窯の中に入れた木がボソボソになったりとか、折れたりとか、いろいろなことが起きる」

本郷林業 計良(けら)佳輝さん
「とりあえず、とことんくべていく」

窯の中は800℃の高温…、酸素を極力減らして炭化させます。窯を開けることは許されません。

本郷林業 計良佳輝さん
「最初、水分の甘いような匂いなんですけれど、だんだん辛(から)くなってきて、咳き込むような感じになってくるんで」

「辛み」は木からにじむ木酢液の香り…。

本郷林業 計良佳輝さん
「汚い仕事ですし、熱い仕事だし、寒かったら寒いし…でも苦だとも思わないし。使ってくれている人たちが、良い炭だって言ってくれれば、俺はいいと思うので…」

五感を研ぎ澄まし“寝ずの番”をします。原木の採取から2週間…。

本郷林業 計良佳輝さん
「どんなになっているか気になりますね」

窯の温度が、常温に戻るのを待ち、寝かせていた木炭を取り出します。

本郷林業 計良和政社長
「(出来はいかかですか?)大丈夫ですね。良いですよ。僕の時よりうまいかもしれない」

本郷林業 計良佳輝さん
「それを目指してやっています!」

木の繊維質の筋が、美しく走るのが上質の証し。若手の成長に、この道37年のベテランも舌を巻きます。

本郷林業 計良和政社長
「もう自慢の職人です。本当に、なかなかいないんですよ」

本郷林業 計良佳輝さん
「木炭自体も必要だと思うし…これから。良い炭を変わらず、作り続けていければなと思います」

十勝地方の味覚を引き立てる炭火の熱には、木炭作りに人生を捧げる職人の情熱も込められています。

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