“黒船ロピア”で競争は激化…地元スーパーは地域密着戦略でがっちり「地域に愛される店をどう作っていくか」知恵とアイデアで低価格に挑む

日々の生活を支える食品スーパー。激戦区の札幌で新たな挑戦です。

札幌市内を車で走ると、次々見かけるのが、スーパーマーケット。実は、札幌だけでおよそ250店もあるんです。
この札幌に、新たに登場するのが…。

記者
「すごい人です、にぎわってます」

その安さが人気で、全国に勢力を広げている“黒船”「ロピア」。撤退するイトーヨーカドーの跡などに進出が決まり、競争はさらに激化するとみられています。

森田絹子 キャスター
「開店まで30分をきりました、すでに30人以上並んでいます」

大手スーパーがしのぎを削る札幌に12日、新たに店舗をオープンさせたのは、地元密着のスーパーです。

キテネ食品館 中塚誠社長
「きょうをスタートとして地域に愛される店をどう作っていくか、また新たなスタートだと感じている」

【吉本水産手稲店 Xより 魚を持って歌う「ウオウオウオウオ～♪」】

大手に負けないアイディアと戦略で生き残りを図る、地元スーパーの取り組みを、もうひとホリします。

札幌市手稲区で、長く地域の台所として親しまれてきた「キテネ食品館」。ここには、昭和の時代を感じさせる、たくさんのアイディアが。

吉本水産 東城哲也チーフ店長
「チーフみたい脂ノリノリ」

水産売り場担当の東城哲也さんの話術に、ホッケやカニが飛ぶように売れます！キテネ食品館は、客と会話をしながら商品を売る市場スタイル。

吉本水産 東城哲也チーフ店長
「バーベキューいっぱいして！」

さらに…。

【札幌吉本水産手稲店 Xより 魚をもって歌う 「980円！」】

その日の目玉商品をＳＮＳで楽しく発信！チラシや広告費は一切使わず、すべて商品の価格に還元しています。

吉本水産 東城哲也チーフ店長
「道外の沖縄から『会いに来たよ』と言ってくれる人もいる」

キテネ食品館は日用品の「キテネ食品館」と、鮮魚や総菜を担当する「吉本水産」、青果の「タナカ商店」、３つの会社が競い合い、売り上げを伸ばしています。

タナカ商店 田中秀敏社長
「俺はこれでいくぞ！こっちはこれでいくぞ！みんなで競い合っている感じで、それがいい効果に結びついているかも」

それぞれの会社が目玉商品を毎日仕入れて、ＳＮＳで情報を発信。安さと活気にひかれた買い物客が、市内各地から訪れるようになりました。そして、手稲店が手狭になったため、豊平区に２号店を開店することを決めました。

キテネ食品館 月寒店 中塚社長
「生鮮がいい店だから（客が）来てくれていると思うので（自分が担当する日用品が）多少狭くなっても客が来てくれれば」

手稲店と同様に、３つの会社がタッグを組んで店をつくりますが、鮮魚と青果の会社に大きなスペースを確保。
対面販売もできるようにしたため、日用品のスペースは狭くなりましたが、そこは、知恵とアイディアでカバーします。

キテネ食品館 月寒店 中塚社長
「棚の高さに注目してほしい。ほかの（一般的な）店より30センチ高くしている。むき出しの柱がそのままではもったいない」

12日、商品の入った開店直前の店内を見てみると…。

森田絹子キャスター
「柱の周りにはびっしり商品がある」

店の広さは手稲店とさほど変わりませんが、柱にはフックをかけて商品が張り付くようにディスプレイするなどして、商品数は1.5倍ほどになっています。

森田絹子キャスター
「開きました開きました、続々と人が入っていきます」

12日の開店時間には100人以上が列を作りました。
新規オープンでもチラシなどは一切出さず、ＳＮＳでの情報発信のみでしたが出足は上々のようです。

客
「これから、もう一回来ます」
「（もう一回来るんですか？この後？）野菜を買ったらいっぱいになって、肉と魚が買えなかったので」
「（すごい、ホッキがあふれていますね。全部でいくらぐらいだった？）大体３万5,000円ぐらい」
「(３万5000円分！）鮮度もいいし、すごく物も豊富で、まだ買いたかったんですけど…カートに乗らなかった」

続いては、札幌市北区と東区で２店舗展開する「マルコストアー」です。

札幌市北区篠路町にある本店は創業60年。老朽化などで、５月に建て替えを行いました。
カートを使うこともできなかった店内は広くなり、ファミリー向けの商品を充実させました。
さらに、独自の電子マネー「マルコカード」も５月に導入。
会計する時に１％の割引が受けられるとあって、日々利用する地元客に好評です。