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「お腹がゴロゴロしにくい」と注目される【A2牛乳】 消費拡大に挑む酪農家に立ちはだかる“賞味期限が短い”という課題 解決の一手は常識破りの『牛乳を冷凍する』という発想だった 北海道広尾町

北海道放送 / 2024年8月6日 19時48分

飲んでも、お腹がゴロゴロしにくい“A2牛乳”が、いま注目されています。

高品質の道産“A2牛乳”を世界に届けたい…、北海道十勝の酪農家の挑戦です。

札幌市にあるオーガニック食品の専門店です。

先月、新商品の牛乳の試飲会が開かれました。冷蔵庫ではなく、“冷凍庫で保存”した牛乳を、解凍して飲みます。

試飲した人
「スッキリしていて、暑いときにゴクゴク飲めていい」
「甘くておいしかった。まろやかさがあった」

十勝の広尾町にある鈴木牧場の“十勝オーガニック牛乳”。

飼料と肥料を一切使わずに、牧草のみで育てた牛から搾られ、飲んでも「お腹がゴロゴロしにくい」とされる“A2牛乳”です。

鈴木牧場 鈴木敏文さん(42)
「牛乳は“賞味期限が短い”という課題を何とかしたい。札幌や東京に送った場合、輸送の段階で2日間くらい賞味期限が短くなる」

去年12月に販売をスタート。

しかし、賞味期限が製造から10日と短いため、販売は、ネット通販と地元の店舗に限られてしまうのが課題でした。

“自信作の牛乳を大勢の人に飲んでほしい”。そこで捻り出したアイディアが…。

「(凍ってますね)カチンカチンに凍ってます」

牛乳の“冷凍保存”です。

牛乳をボトルごと専用の急速冷凍機に入れて10分。一気に凍らせて、文字通り「眠る」ように長期保存できる技術です。

技術開発した企業『テクニカン』我妻智紀 札幌営業所長
「最大のメリットは(中身が)分離しないこと。ドリップ(=うまみ成分がとけ出す)がほぼ出ないことが売り」

食品の世界において、牛乳を冷凍することは、基本的に避けられてきました。

牛乳に含まれる水分が凍って結晶化し、たんぱく質や脂肪分の粒を壊して分離させるため、味や飲み口が悪くなるからです。

一方、この冷凍技術は、牛乳を短時間で一気に凍らせるため、結晶がごく小さく、成分を壊さず風味を保ったまま、賞味期限を10日から90日まで延ばすことを可能にしました。

鈴木牧場 鈴木敏文さん(42)
「最長で1年の賞味期限を目指している。冷凍させることで捨てずに、長期保存できることがすごくいいこと」

アジアでは健康志向の高まりで牛乳や乳製品の需要が伸びています。

特に、お腹に優しい“A2牛乳”は人気が高く、世界の乳業メーカーが増産に取り組むなど、市場が成長しています。

国内で牛乳の消費が落ち込む中、鈴木さんは大きく延びた賞味期限を生かし、自らが生産する“A2牛乳”の輸出を考えています。

鈴木牧場 鈴木敏文さん(42)
「日本の牛乳や乳製品は“安心・安全”の信頼がある。本当に、牛乳は可能性の塊だと思う」

常識破りのアイディアで挑む道産牛乳の海外進出。若い酪農家の取り組みは、いま始まったばかりです。

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