【あなたは最期にどうします?】引き取り手のない“無縁遺骨”が増加中 身元が判っていても“行き場なき遺骨”が増える背景には何が?生前に遺骨の郵送と納骨を契約するサービスにも注目が…
北海道放送 / 2024年8月16日 21時21分
お盆のこの時期に、家族で考えてほしいのが『お墓』についてです。
お盆の15日、札幌・平岸霊園には、多くの人が墓参りに訪れていました。今ある墓を、先々はどうするのでしょうか。
参拝者
「はっきり決まってないけれど、いずれは寺やそういうところに、お骨を全部入れる形になるのかなと、うっすら考えてはいます」
「(お墓の)管理が大変になってくるのと、やっぱり(墓参りに)来るのが別々になってしまう…」
将来の残った家族の負担も、気にかかります。
参拝者
「僕は(自分の)墓を持っていません。特別なことは考えていませんけれど、子どもたちに負担にならないというか、迷惑がかからないほうがいいかなとは思っている」
一方、家族との“縁”が切れたままの遺骨も…。
札幌市ウェルネス推進部 藤田賢一施設管理課長
「身寄りのない、引き取り手のない遺骨も増えてきていて。令和元年度の倍ぐらいの数になっている」
札幌でも増えているのが、引き取り手のない遺骨、『無縁遺骨』です。その背景には何があるのでしょうか。
札幌市ウェルネス推進部 藤田賢一施設管理課長
「まだ何年も経ってないので、新しいですけれど、中は結構いっぱいになってきちゃっていて…」
札幌市の平岸霊園にある『合同納骨塚』には、多くの遺骨が一緒に納められています。
今から10年前に増設しましたがここ数年、需要が増えていると言います。
札幌市ウェルネス推進部 藤田賢一施設管理課長
「最近では、単独のお墓を持たないかたや、墓じまいをして、その遺骨を納める方も増えてきている」
(Q.遺骨でいっぱいにならない?)
札幌市ウェルネス推進部 藤田賢一施設管理課長
「埋蔵体数が増えてきているので、こちらの『合同納骨塚』は、令和9年度ごろにはいっぱいになると予測している」
『合同納骨塚』の需要を押し上げている要因のひとつが、引き取り手のない=『無縁遺骨』です。
札幌市の場合、無縁遺骨はすべて、市営の平岸霊園で『合同納骨塚』に納められます。
札幌市ウェルネス推進部 藤田賢一施設管理課長
「(遺骨を)引き取る人が見つからない場合に『合同納骨塚』に埋葬しているが、令和5年度にはその数が623体で、令和元年度の倍ぐらいの数になっている」
無縁遺骨を減らそうとしても、札幌市が遺骨の引き取り手を探すのは難しく、本籍地から戸籍を取り寄せて親族をたどるなど、手間も時間もかかります。
関係者が見つかっても「仲が悪かった」「葬儀費用がない」などの理由で、遺骨の引き取りを拒むケースが増えていると言います。
こうした調査の間、遺骨は仮の保管場所に置かれています。
札幌市ウェルネス推進部 藤田賢一施設管理課長
「引き取り手のない遺骨の保管場所として利用している。多分1,000体以上は入っているかと思う」
このまま2年間引き取り手が見つからなければ、“無縁遺骨”として『合同納骨塚』に納められます。
札幌市ウェルネス推進部 藤田賢一施設管理課長
「やはり、高齢単身世帯が増えているということ、家族や親族の関係が希薄になっているというとこから、(無縁遺骨が)増えてきているのかなと感じている」
“自分は無縁遺骨になりたくない…”
そんな思いに応えるのが、北海道三笠市の北海道中央霊園が行う『送骨サービス』です。
北海道中央霊園 武田寛理事長
「生前から亡くなったら『送骨サービス』を利用したいという要望も多い」
「ご自身が亡くなって、身寄りがない人は、病院や介護施設の人が『送骨サービス』を利用して、霊園に遺骨を送って、その後(霊園の)スタッフが、代行で(遺骨を)納めるサービスもあります」
「こちらが、送骨パックになります。この(箱の)サイズは、ご遺骨が入る骨箱のサイズに合わせて作っています」
この霊園で、永代供養つきの合同墓や樹木葬を申し込んだ人は、霊園まで遺骨を郵送する『送骨サービス』や『納骨の代行サービス』が、無料で受けられます。
北海道中央霊園 武田寛理事長
「合同墓『結の苑(ゆいのその)』といって、1つの墓にたくさんの人の遺骨を埋葬する場所になっています」
この世を去った後のことを親族に任せるのではなく、生前に自分で決めて予約する。そうした人たちも増えています。
三笠市にある霊園が実施している『送骨サービス』は、まだ全国的にも珍しいサービスです。
利用する際の手順を簡単に紹介すると、次のような流れになっています。
◇《送骨サービス利用方法》
(1)骨壺のフタをしっかり留めて、骨箱ごと専用の箱へ入れる。
(2)新聞紙など緩衝材を入れて梱包⇒郵便局から発送。
(3)霊園に到着後、納骨の代行も可能。
費用については、合同墓は3万9000円で、樹木葬は7万8000円からとなっています。ともに永代供養つきで、送骨サービス、納骨サービス自体には料金はかからない…とのことです。
では、どんな状況で利用するのかというと、次のようなケースです。
◇《送骨サービスの利用例》
例えば、北海道外で亡くなった肉親を、三笠の霊園に埋葬する場合など、遺骨を遠くから自分の手で運ばなくても、郵送で送ることができます。
また、最近は“自ら生前予約”して、遺骨の発送だけを施設や知人に依頼しておくといった利用も増えてきたとのことです。子どもいない夫婦の予約が多く、亡くなった後、無縁遺骨となることを防ぐことができます。
北海道中央霊園によれば、8年前にサービスを始め、当初は年10件ほどの利用だったとのことですが、ここ数年は、年間100件を超える利用があるそうです。
葬儀やお墓の考え方も多様するいま、自分らしい最期の形を、自ら生前に考え、選択しておくこともいいのかもしれません。
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