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「ハイターで指紋は消せる?」父親がスマホ検索して購入の漂白剤、現場の壁から検出…瑠奈被告とレンタルのホラー映画に、殺害時に撮影の映像と酷似場面 父親が「事前に犯行を知っていた」ことの立証に向けて証拠提出 札幌市のススキノ首切断事件

北海道放送 / 2024年8月30日 13時6分

父親の修被告、田村瑠奈被告、母親の浩子被告

去年7月、札幌市の繁華街ススキノのホテルで、当時62歳の男性が殺害されて首を切断、頭部を持ち去られた事件…殺人などの罪で起訴された親娘3人のうち、30日午前、母親の3回目の公判が開かれ、検察は、父親が「事前に犯行を知っていた」ことの立証に向けたとみられる証拠を提出しました。

起訴状などによりますと、札幌市厚別区の無職、田村瑠奈(るな)被告30歳、父親で精神科医の修被告60歳、それに母親で無職の浩子被告61歳の親子3人は、去年7月、札幌市のススキノのホテルで、当時62歳の男性が殺害されて首を切断、頭部を持ち去られるなどした事件で、それぞれ下記の罪に問われています。

■田村瑠奈被告=殺人、死体損壊、死体領得、死体遺棄

・被害男性の首を、刃渡り約8.2センチの折りたたみナイフで何度も刺して殺害
・殺害後、ノコギリなどで首を切断
・頭部をキャリーケースに隠し、修被告が運転の車に乗って自宅まで運ぶ
・刃物などで皮膚を剥ぎ取り、眼球などを摘出
・その様子をビデオ撮影することを企て、浩子被告に依頼

■父親の修被告=殺人ほう助、死体損壊ほう助、死体領得ほう助、死体遺棄ほう助

・殺害目的などを知りながら、ノコギリ2本、キャリーケースなど12点を購入して瑠奈被告に渡す
・犯行後の瑠奈被告を自宅まで運び、男性の頭部を隠すことを容認
・浩子被告を介して頭部損壊の様子のビデオ撮影の依頼を受け、実行

■母親の浩子被告=死体遺棄ほう助、死体損壊ほう助

・被害男性の頭部を瑠奈被告が自宅に隠すことを容認
・瑠奈被告から頭部損壊の様子のビデオ撮影を求められて容認、修被告に実行を依頼

これまで2回の公判で、母親の浩子被告は「頭部の損壊を知ったのは、家に持ち込まれた後。あまりに異常なことで、娘を咎めることもできず、認めることもできず、何も言えませんでした」と、死体遺棄ほう助の起訴内容を否認。

さらに、ビデオ撮影についても「何を撮影するのか知らされておらず、とても耐えられなくて、助けを求める気持ちで、夫に撮影を依頼しただけで、犯罪を手伝う意思は全くなかった」と、涙ながらに死体損壊ほう助の起訴内容も否認しました。

弁護人も「頭部を瑠奈被告が自宅浴室に置き続けたことを認識していたが、容認するような発言を一切せず、ビデオ撮影しながら頭部を損壊する計画についても、抽象的に撮影を修被告に依頼しただけ」などとして、無罪を主張しました。

このあと、検察と弁護人、どちらも裁判員裁判となる瑠奈被告と修被告の公判も見すえて、いびつな親娘関係、瑠奈容疑者が男性を殺害した動機などについて指摘…そこで、瑠奈被告が女装していた被害男性に避妊具なしで性交されるなどし、トラブルになったことが事件の発端であることは一致。

その上で、検察は「その怒りなどから、殺害だけでなく、もともと人体に興味があった瑠奈被告が遺体を解体して弄ぶことを企て、修被告も容認して協力」と指摘したのに対し、弁護人は、修被告の無罪主張も視野に「両親には瑠奈被告と被害男性がSMプレイをするという認識しかなく、殺害は、瑠奈被告が自宅に頭部を持ち帰って初めて知った」などと主張していました。

また、2回目の公判に証人として出廷した父親の修被告は「言葉では言い尽くせませんが、取り返しのつかないことをした。大変、申し訳ない」と遺族に謝罪。

事件前後の状況については「ススキノから家に戻り、娘から『首、拾った』と告げられ、初めて犯行を知った。現場まで自家用車で行ってたから、すぐに娘が逮捕されるだろうと思った。警察に突き出すのは、娘が抱えていた何かを抱えきれず、裏切る行為になると思ってできなかった。ゾンビ妄想が出る前は、言うべきことは言い、やるべきことはやってきたつもり。本人を追い詰めないようにすることが望ましいと思っていた」などと証言していました。

こうして迎えた30日午前の3回目の公判でも、修被告の証人尋問が続けられる予定でしたが、新型コロナの陽性反応のため、延期に…検察は「犯行後に知った」と主張する修被告と浩子被告の主張に対し、少なくとも修被告は「事前に犯行を知っていた」ことの立証に向けたとみられる下記の証拠を提出しました。

■検察が8月30日の公判で提出した証拠

・5月28日、修被告がネットで折り畳みのサバイバルナイフを購入履歴
・瑠奈被告、浩子被告のスマホには購入履歴なし
・自宅から押収の折り畳みのノコギリの組織片から被害男性のDNA
・6月2日、量販店の防犯カメラ映像に瑠奈被告と修被告が殺害時の着衣、ペティナイフ購入の映像
・6月4日、別の量販店で、修被告のクレカで折り畳みナイフとキャリーバック購入
・修被告がカゴを持ち、瑠奈被告が商品を選び、修被告が支払う様子も

・6月18日、ダンスクラブで瑠奈被告と会い、電話番号をおしえた人がいて、その際、瑠奈被告が被害男性と一緒だったと証言
・6月18日、浩子被告から修被告へのLINE履歴に「鹿」がダンスクラブにいるか、潜入調査できるかの内容
・「鹿」と入力する直前に「獲物」と入力後、取り消す履歴

・6月20日、修被告のスマホ検索履歴に「ハイターで指紋は消せる?」
・勤務先の病院で検索の可能性高い
・修被告が購入したハイターは、瑠奈被告が現場ホテル浴室の壁に吹き付けたものと成分一致

・6月21日、修被告と瑠奈被告がレンタルした映画に主人公が首を切断するなどの残虐なシーン多数
・瑠奈被告が店内で選び、修被告がレンタル
・被害男性の殺害時、ハンディカメラで撮影の映像にこの映画と酷似の場面
・6月25日、修被告の検索履歴に「スーツケース耐荷重100キロ」

・7月1日午後9時半ごろ、浩子被告から修被告に「そういえば、車のGPS履歴残りますか?」と文字入力の形跡
・スマホからは削除も、浩子被告と同様のスマホで文字の入力実験した結果、送信後に削除していると考えられる

右手にハンカチを握りしめながら、検察の提出した証拠をパソコン画面で見つめていた浩子被告…弁護人は公判後、ハイターなどについて「特に新しい話はない。大切にしていたドール(人形)に触る時、手袋をつけていても指紋がついてしまうということで、どう、キレイにするか?のために調べたもの。殺害後に指紋消すなら、普通、最初から手袋つけるよね」などと反論しています。

次回の公判は、10月1日の予定です。

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