今年も“サケと筋子”は手が届かない?北海道の秋サケ漁ピンチ、苦戦続き「過去2番目に悪い状態」 各地のイベントも中止に 北海道
北海道放送 / 2024年10月3日 20時59分
北海道内の秋サケ漁は、この10月に最盛期を迎えますが、ここまでの漁は苦戦続きです。
サケはどこに行ったのか…。
岡田純記者
「千歳川にやって来ました。川を見てみてもサケの姿を探すのは難しい状態です」
サケのふるさと 千歳水族館 菊池基弘館長
「過去2番目に悪いという状態…」
鮮魚店では…。
カマザワ水産 釜沢明さん
「生筋子も生サケも、ようやく最近出てきたけど。ふだんから高いんですけどね。だけど今年は特に高い」
秋の味覚の「サケと筋子」。
今年も”高嶺の花”なのか?もうひとホリします。
先週末の「石狩さけまつり」でできた長蛇の列。そのお目当ては、格安で人気の「サケ即売会」です。
今年は、オスが1キロあたり1000円、メスが2100円で売られていました。
サケを買った人
「ちょっと高くはなったけど、だいぶ大きいのでいいかな…(どう食べる?)石狩鍋にすると思います」
一方、2022年には歴史的な豊漁となった、”あの場所”を訪れてみると…。
岡田純記者
「千歳川にやってきました。おととしは見物人でにぎわっていたんですが、今年はまばらです。そして川を見てみても、サケの姿を探すのは難しい状態です」
開館30周年を迎えた『サケのふるさと千歳水族館』で、サケの遡上を見てきた館長の菊池基弘(きくち もとひろ)さんもこの秋は、特にサケの数が少ないと驚きます。
サケのふるさと 千歳水族館 菊池基弘館長
「9月だけで見ると、この千歳水族館ができてからインディアン水車でのサケの捕獲数は過去2番目に悪いという状態…。今のところ1万5000匹ほどしか取れていない」
例年だと、9月中に4万から5万匹獲れる秋サケが、今年は3分の1程度です。「水中観察窓」から千歳川の中をのぞいてみましたが、ウグイが群れる中、サケは数匹しか見つかりませんでした。
サケのふるさと 千歳水族館 菊池基弘館長
「例年どおり(最盛期の)10月は、ある程度は(サケが)帰ってくると期待している」
では、秋サケの値段はどうなっているのか?1日、鮮魚店を訪れると…。
カマザワ水産 釜沢明さん
「ふだんから(サケは)高いんですけどね。今年は特に高い」
この店では、買い求めやすい価格に抑えようと、切り身のサイズを少し小さくしました。
125グラムほどのサケの切り身が2切れで500円です。
カマザワ水産 釜沢明さん
「バラバラで売ると(1切れ)350円くらいしちゃう。切り身も(1切れ)300円台だと(買うのを)足踏みする。なるべく旬のものだからおかないってわけにはいかない。これでも安いと思う」
また、筋子は100グラムで1250円です。
筋子も切り身も、去年より2割から3割高くなっていると言います。
北海道内の秋サケ漁は、9月中旬までの漁獲数が、去年の同じ時期の6割程度にとどまっています。
このあと巻き返すことができるのか?専門家は…。
道総研 さけます・内水面水産試験場 卜部浩一研究主幹
「漁獲ピーク時期を迎えるにあたって、もう(ピークに)入っているが、漁獲の伸びが鈍いというところで、今年の漁獲のピークは大きなものには、ならない可能性があるのではないか。現状では過去最低という水準を上回ってはいるものの、ここ1週間の漁獲の伸びが停滞した場合には残念ながら、過去最低水準ということも想定される」
北海道の毎年9月のサケの価格(100グラム)の推移です。
2019年は191円だったのが、2022年から急激に上がり、今年は260.1円です。
食卓以外でも影響が出ているようです。北海道内のイベントなども、サケの不漁で中止になっています。
道総研の卜部浩一研究主幹によりますと、サケ不漁の原因は…
・稚魚が沿岸で成長する5~7月の海水温が高い傾向が続いている
⇒十分に成長しないまま沖合へ行き、生存率が低下 と考えられていいる
・対策として、稚魚を大きく育てて放流し、生存率を高めようという方法が各地で実施されている
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