積雪が平年の３倍“異常事態”に除排雪追いつかず交通障害も…事故を防ぐ雪下ろし作業の注意点 北海道岩見沢市

堀内大輝アナウンサー
「道幅が非常に狭くなっています。１車線分の道幅しかないので、かなり車が行き交うのが大変な状況になっています」

真っ白な雪に包まれた、北海道岩見沢市のマチ。駐車中の車も、すっぽりと雪に覆われてしまいました。

堀内大輝アナウンサー
「いまの積雪が114センチ、2023年の同じ日は28センチ、平年で39センチ。ですから約３倍の高さの雪がすでに積もっているということになります」

岩見沢市では、先週水曜日からほぼ毎日、20センチ前後の雪が降っては積もり、積雪が日に日に増加。

17日午後５時までの24時間でも、36センチの雪が降りました。12月としては「異例」の事態に、市民も疲労困憊です。

岩見沢市民

「（きょうの雪かきは）２回目。また昼からもありそうです」
「（12月半ばにこれだけ降るというのはありましたか？）ないと思います。季節が２月くらいの感覚で、積もった感じと除雪と、雪の降り具合は正月すぎくらいの感覚」

岩見沢市は、１日約180台の除雪車を出動させていますが、連日降る雪に除排雪は追いついていません。

岩見沢市除排雪対策本部 大川幸喜課長
「12月でこの雪というのは異常で、いままでにない。バス路線以外の幹線道路についても、狭くなって交通渋滞が起こっている。ただバス路線を優先的に運搬排雪を行い、その後、幹線道路も進めていきたい」

堀内大輝アナウンサー
「バスターミナルです。札幌行きの高速バスは運休。市内の路線バスも16日に続いて運休となっています。市民の足にも影響が出ています」

岩見沢市内を走る路線バスは、８路線が運休。JRも、岩見沢駅構内のポイントが雪で切り替わらず、本数を減らして運転しました。

札幌と旭川を結ぶ特急など、運休は114本に上っていて、JR北海道は17日夜、札幌から岩見沢方面の終電を繰り上げて運転します。

また、学校は、岩見沢市内の小中学校と高校、あわせて11校で臨時休校しました。

◆18日のJRや小中学校の予定

JR北海道によりますと、18日も札幌と岩見沢のあいだなどで、普通列車13本がすでに運休を決めているほか、17日と18日は岩見沢駅の除雪のため、札幌から岩見沢方面の終電を繰り上げて運転します。

また、岩見沢市教育委員会によりますと、18日は、市内の小学校４校、中学校２校ですでに臨時休校を決めていて、ほかの学校も、18日の朝の状況次第で、休校を検討するということです。

◆堀内大輝アナウンサーが現地から中継リポート

岩見沢市の中心部です。駅前から続く商店街に来ています。この時間は帰宅の時間ということで、車通りも多くなっています。雪の降り方は少し弱くなってきているような印象です。

アーケードの屋根の上にも１ｍ以上の雪が積もっているのがわかります。

信号待ちをするような辺りに立っているんですが、上を見てください。屋根から雪がせり出してきていて、ちょっと怖いなというような状況になっています。

ご覧いただいている道路はバスも通るような車の量が多い道路ですが、一方で、交差してる道路を見てみますと、こちらの歩道は除雪もあまり入っていなくて、かなり歩きにくい状況です。

横断歩道を渡った先を見てください。どこに渡ればいいのかというような状況です。雪山があって渡る先がないというような状態で、やむを得ず車道を歩く人の姿もありました。

◆除排雪の効率化を目指す岩見沢市

岩見沢市がこの冬、導入を予定しているのが、衛星データを活用した「除排雪管理・作業支援システム」というもので、除雪車両に搭載したタブレットに車両位置が表示され、雪で埋まった道路の形状や、消火栓など道路上の障害物の位置を知らせてくれるため、安全に効率よく除雪作業ができます。

また、作業状況や経験豊富なオペレーターの 除雪ルートなども記録されデータ化されるということです。

導入の背景には、オペ―レーターの高齢化や人手不足があり、土地勘や経験が少ないオペレーターの作業を支援することで、除排雪体制を維持しようという狙いがあります。

◆岩見沢市で起きた「雪による人的被害」のデータ

観測史上２番目に多い205センチの積雪を記録した2020年度の数字です。

この年、岩見沢市では雪による人的被害が54件発生し、このうち死亡事故が６件。

約９割が除雪作業中に起きていて、この内訳を見てみると、６割が「雪下ろし」中の事故でした。

◆屋根の雪下ろしの注意点

・１人ではなく必ず複数人で作業をする
・新雪や晴れの日は雪が緩みやすいので注意
・滑りにくくするため屋根の上に雪を少し残し、軒先には立たない