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【全国高校ラグビー】南北・北海道代表 親子で挑む遠軽石崎キャプテン、亡き父と一緒に2勝目指す札幌山の手白幡選手 父との絆を胸に花園へ

北海道放送 / 2024年12月26日 18時26分

12月27日に開幕する第104回全国高校ラグビー大会が開幕します。今年、花園の代表切符をつかんだ北海道代表校は、北・北海道代表遠軽高校、南・北海道代表札幌山の手高校の2校です。この2校には、それぞれ特別な親子のキズナがありました。

◆北・北海道代表、遠軽高校キャプテン石崎比呂選手

キャプテン石崎比呂選手(3年)を中心に就任8年目の遠軽OB、父の石崎真悟監督(46)のもと、粘り強い守備と組織力で2年連続12度目の花園出場を決めました。

この日は、花園大会へ出場する前の最後の夜ごはん。母ゆり子さんは、石崎選手が好きな「焼肉」を用意しました。フィールドでは激しいプレーを見せる石崎選手も、家庭では優しいお兄さんです。

自分の肉を食べるまもなく、妹や弟に肉を焼く石崎選手。とくに13歳年の離れた妹・亜弥さんにつくねを焼いたり、タレを用意し、牛乳を注ぎ…と大忙し。そんな亜弥さんをかわいがっています。

そして、次女の紗和さん(小6)さんにお兄さんについて聞いてみると、「ラグビーをしているテレビの姿はかっこいいし、ラグビーはすごく自慢できるお兄ちゃん。尊敬もしている」と話してくれました。

普段お互いがどのように思っているのか伝える機会がないため、この言葉を聞いた石崎選手は嬉しそうにしていました。

そんな石崎選手、自宅では父親の真悟監督とほとんど会話がありません。

真悟監督は「比呂がラグビーの話を聞いてきたら話すが、自分から話さない」と、家でラグビーの話はしないと言います。

そんな会話のない2人の様子をみて、母・ゆり子さんもこの一言。「もっと話せばいいのにね」

真悟監督は、「ラグビーをしている比呂選手を一人の選手だと思っているが、最後に花園大会の大舞台に親子で立てる機会はないので嬉しい。家族、親戚みんな比呂選手を応援してくれる姿も嬉しい」と。

一方、石崎選手は「父とも最後の花園なので、いいプレーをして恩返しができればなと思います」と話しました。

不器用に向き合う夫と息子を3年間見つめてきた母・ゆり子さんは、「花園に行けることは、ありがたい。自分もそうですがラグビーの周りの人たちの元気の元で、遠軽町の人たちが喜んでくれるのが1番嬉しい」とラグビーが地域に深く関わっていることに表情を緩めます。

母・ゆり子さんは、自宅のとなりでパン屋を営んでいます。

応援してくれる街の人たち、そして石崎選手がラグビーを始めるきっかけを作ってくれた「ラグビーのまち・遠軽」への感謝の気持ちをこめてパンを作ります。

去年、12年ぶりの花園へ出場が決まった遠軽を応援しようとラグビーボールの形に似せたクリームパンを発売し、今では地元で大人気です。

常連客の女性も「中にクリームが入っていておいしいよ!」と教えてくれました。

そんな石崎選手がラグビーを始めたきっかけは、中学3年生の時、学校でもプライベートでも仲が良かった友人でした。

その友人は現在、札幌山の手高校で活躍している白幡塁斗選手(3年)です。もともとラグビーをしていた白幡選手から、ラグビーの体験会の招待状をもらった石崎選手。

当時、石崎選手はサッカーに打ち込んでいましたが、ボールを持って走れる楽しさに気づき、ラグビーに転向しました。

母・ゆり子さんも「まさかラグビーに転向するとは思わなかったし、一番嬉しかったこと」と話しました。

◆南・北海道代表、札幌山の手高校 白幡塁斗選手
石崎比呂選手を誘った白幡塁斗選手(3年)も遠軽町出身。2年連続の花園出場を決めた札幌山の手の中心選手です。

白幡選手は、遠軽高校ラグビー部OBの父・皇由(きみよし)さんに連れられ、4歳でラグビーを始めました。

遠軽の同世代の中で常に先頭を走ってきた白幡選手、友達をラグビーに誘う一方で、自らはより高いレベルの環境を求めました。

その背中を押してくれたのもお父さんでした。

白幡選手
「お父さんは、なんかもうお前の行きたいところに行けみたいな」

地元の遠軽高校に進学するか、札幌山の手高校に進学するか、たくさん迷った中で、より自分が成長できる、高みを目指せる環境を選びました。

そして白幡選手は、札幌山の手で成長を遂げ、2年生の去年、花園出場。今年も連続出場を目指して練習に打ち込んでいましたが…信じられない出来事が起こります。

それは8月、母から届いた父・皇由さん(当時47)の訃報でした。

白幡選手
「最初、うそだろうと思った、お母さんから連絡が来て「えっ」と信じれなくて、全然気持ちの整理ができなかった」

亡き父と一緒に花園へ…その思いは強く、白幡選手はフィールドを駆け回り、札幌山の手を勝利に導きました。

白幡選手
「お父さんが背中を押してくれたように思いましたね」
「やっぱり、お父さんは空から見てくれていると思うので、変なプレーをしないで、自分が身体を張って、お父さんを喜ばせられたら」

2年生で臨んだ昨年の花園は1回戦敗退、塁斗選手は父に捧げる勝利、そして札幌山の手史上最高の「花園2勝」という新たな歴史を切り開くべく花園のフィールドに立ちます。

【全国高校ラグビー】大阪・花園ラグビー場
27日(大会1日目)第2グラウンド
第2試合 午後1時25分
・札幌山の手(南北海道)×高鍋(宮崎)

第3試合 午後2時50分
・遠軽(北北海道)×明和県央(群馬)

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