年間赤字6億5000万円 ファイターズ移転以降、厳しい経営が続くプレミストドーム 平日利用をどう増やすかが課題 札幌市

北海道民にとって2025年はどんな年になるのか。6日は正念場を迎えている、この施設に注目です。

この正月、たくさんの子どもたちがドームに詰めかけましたミニカーを集めた「トミカ博」です。

以前はアクセス札幌で開かれていましたが、より広い会場を求めて、プレミストドームで開催されました。

来場者
「消防車！これもらいたかったの」

来場者
「（ドームは）近くて広いので回りやすく楽しい」

来場者
「雨とか寒さを気にしないで遊べるのがいい」

ファイターズの移転以降、厳しい経営が続くドームですが、今年は、さらに心配な事態が…どうなる？2025年。

プレミストドームの行く末を「もうひとホリ」します。

去年、札幌ドームは、念願だった命名権の売却にこぎつけ、「大和ハウスプレミストドーム」となりました。

これにより年間約2憶5000万円の収入増となります。

伊藤亜衣記者
「ライブの開演まで1時間を切りました。すでに歩道橋の上までファンがずらりと並んでいます」

去年11月には、アイドルグループ「ＳｎｏｗＭａｎ（スノーマン）」のライブで全国のファンがプレミストドームに殺到しました。

ライブの日程発表と同時に始まったのが、航空券とホテルの争奪戦でした。

ファン
「ホテル満室だったのでカラオケでオール（徹夜）します。（Ｑ、ライブの余韻で？）乗り越えます」

ファン
「（ホテルが）さっき取れた。当日全然空いていなくて…」

閑散期の11月にもかかわらず、札幌市内のホテルはほぼ満室となりました！

一方で、厳しい経営状況もあきらかになりました。

札幌ドーム 山川広行社長
「売上高が開業以来最低となったのに加え、当期純損失が6億5000万円の大幅な減収減益」

さらに悩みの種が…北海道コンサドーレ札幌の9年ぶりのＪ2降格が決まり、今シーズンは観客数の大幅な減少が予想されます。

ドームの使用料は同じでも、観客2万人を超えたときの追加料金や、グッズ・飲食の売り上げの一部といった、ドーム側の収入が減ることになります。

赤字解消へ、ドームをどう利用していくべきなのか？

当麻町から
「高校野球とかやったらいい。ドームはドームらしく使ってほしい」

札幌市民
「いろいろなところから消防車が来る（イベント）とかドームだと広いからできるのかな」

札幌市民
「食べ物の祭典とか（東京で）よくやっているが、こういう大きい会場でやったら楽で来やすい」

今年は、こんなビッグイベントの誘致に成功しました！

札幌市 秋元克広市長
「ようこそ日本、札幌へ！」

29日から5日間にわたって開かれるのは賞金総額およそ3億円のｅスポーツの国際大会です。

競技は3人1組のチームで戦うシューティングゲームで、世界から40チーム・120人の選手が参加する予定です。

札幌市 梅田岳スポーツ局長
「最高のエンターテインメントの会場となって、市民に感動を呼び起こしてくれるものと期待」

2月の雪まつりでも、ドームで新たな試みが…。

関連イベントの「ＪＡＬさっぽろスノースポーツパーク」が3日間開催されます。

札幌市 秋元克広市長
「雪とともにスポーツやグルメ・アートを楽しんでもらえる、体験してもらえるコンテンツが集結する」

ドームの内外で様々な企画が行われ、多くの観光客を集めそうです。

今年、ドームの経営は改善されるのか？

ＨＢＣ報道部の記者の注目ポイントは…。

泉優紀子記者
「ドームが課題としているのが、平日の利用をいかに増やすかということです。eスポーツ大会の日程を見てみますと平日3日間の利用があることになっています。規模の大きな大会をいかに増やせるかということが平日の利用を伸ばすカギにつながっていくと思います」

「今年はSixTONESやサザンオールスターズなど集客が見込まれるコンサートが予定されています。ただ去年11月のSnowManのライブでは宿泊施設が足りなくなるなど、コンサート会場としての評判を下げてしまった部分もありますそこを市がどう受け入れ態勢づくりをしていくかということもカギになってくると思います」

堀啓知キャスター）
様々課題はありますが、年間6億5千万円の赤字のニュースはインパクトがありました。

堀内大輝キャスター）
新年度から、プレミストドームの利用料金を1割ほど値上げしますが、それだけではなかなか穴埋めできるものではありません。

去年12月、新庄監督が千葉県にあるファイターズ2軍施設の移転先として、プレミストドームを提案しました。これについて、札幌市の秋元克広市長は「完全に2軍の本拠地となると多目的施設というところとバッティング（重複）する」と慎重な姿勢を示しています。

堀啓知キャスター）
雪国の札幌で、屋根のある数万人集めることができる施設があるのは価値がある、貴重なものなので、あとはどう生かすかが問われています。