北海道でもインフルエンザ感染拡大中 1つの医療機関あたりの平均患者数は札幌市で76.26人 道内の保健所30か所中25か所で警報基準超え 新型コロナも同時流行の兆し
北海道放送 / 2025年1月9日 19時41分
◇《2週連続で警報基準の30人を超える》
北海道内ではインフルエンザの感染拡大が続いています。
60代の女性
「年末に家族みんな(インフルエンザに)やられて。孫(3歳)が41度くらいまで上がって、熱性けいれんになって救急車を呼んだくらい」
40代の母親
「学校でも流行しているし、手洗い、うがいしかない」
小学4年生
(Q.手洗い、うがいはしている?)
「うなずく」
80代の男性
「みんながマスクをするとか、そういうことでも心がけるのが必要」
1月9日に発表されたインフルエンザの流行状況です。
1つの医療機関あたりの患者数は北海道全体で平均で59.87人と、2週連続で警報基準の30人を超えました。
地域別では、札幌市で76.26人など、30の保健所のうち、25か所で警報基準を超えました。
去年11月の終わりごろから、患者数が急激に増加し続けています。こうした状況に、病院や薬局は対応に追われています。
とよひら公園内科クリニック 藤本晶子院長
「発熱の患者の電話が、鳴りっぱなしの状態で、かなり増えている」
ツルハドラッグ澄川6条店 管理薬剤師
「いまは、ほとんどがインフルエンザ、新型コロナ、どちらも検査できるキットが売れている状況」
◇《新型コロナも同時流行の兆し…感染対策は》
この冬は、新型コロナも同時に広がり始めています。いま、感染対策に何が必要なのでしょうか。
今月8日、札幌市豊平区のクリニックで診察を受けた女性は、インフルエンザに罹っていました。
こうした発熱などを訴える患者が、去年12月に入ってから急増しています。その症状には、どんな特徴があるのでしょうか。
とよひら公園内科クリニック 藤本晶子院長
「今回はかなり激烈で、40℃とか39.6℃とか、すごい高熱な人と、あと38℃前半とか半ばぐらいの、少し熱が高いぐらい人たちと、2パターンあるような印象があります」
「今年のインフルエンザは喉を痛がる人が、すごく強い気はする」
そしていま、インフルエンザと同時に増えているのが、新型コロナの感染です。
とよひら公園内科クリニック 藤本晶子院長
「検査した人は18人ですけれど、7人がコロナだったので、コロナの方が月曜日(=今月6日)は多かった」
「年末年始の当番医の話だと、大体インフルが6割、コロナが2割と聞いているけれど、咳が残っていると来ている人たちもいるんですが、その咳が、単にインフルエンザに感染した後、(症状が)ちょっとのびているだけなのか、コロナの後遺症に足を突っ込みかけてるのかというのがある」
新型コロナの流行状況も、9日に発表されました。
1つの医療機関あたりの患者数は、全道平均16.8人で、去年11月から8週連続で増え続けています。
去年の同時期の12.28人と比べ、4割近くも増加しています。
取材したクリニックでは、増え続ける発熱の外来患者を少しでも多く受け入れるため、年明けから、シャワーカーテンで待合室を区切って、検査ができるようにしました。
また、自宅で市販の検査キットを使い、陽性判定が出た人には、結果を写真で確認した上で、受診なしで薬を処方する対応もしています。
◇《検査キットの売れ行きが好調…品薄も》
三國谷浩司記者
「コロナとインフルエンザが一度に確認できるキットは、こちらで取り扱いはありますか?」
ツルハドラッグ澄川6条店 管理薬剤師
「こちらにございます」
札幌市内のドラッグストアです。
医療用の検査キットは、薬剤師がいる調剤薬局で販売していて、感染の拡大につれて、購入者が増えているということです。
自宅で検査ができ、鼻の中を綿棒で拭い、検査液に浸せば、20分ほどで“陽性”か“陰性”かの結果がわかります。
ツルハドラッグ澄川6条店 管理薬剤師
「12月上旬から売れていて、一部店舗では品切れになるほど。正月明けに検査したい人もいるようで、問い合わせは増えている」
藤本院長は、今の感染状況がまだ続くと見ています。
とよひら公園内科クリニック 藤本晶子院長
「(まだまだ流行しているから、そういう意味でいえば)沈静化には、もうちょっとかかるのかなと思います。次々かかっていく感じなんで、今月いっぱいはピークが続くのではないか」
【スタジオ解説】
堀啓知キャスター)
この冬は身近でインフルエンザの話をよく聞きますが、これほど流行しているのはどうしてなんでしょうか?
◇《拡大の要因》
堀内大輝アナ)
とよひら公園内科クリニック 藤本晶子院長によると、過去3シーズンほど、あまり流行しなかったため、この冬、ワクチンの接種率が低いことが流行の要因とみられています。
なお、接種を受けないまま、インフルエンザを発症した人は、完治した後であっても、ワクチンを打つべきだということです。
発症によって免疫が出来ても、違う型のウイルスに感染するほか、同じ型のウイルスに再び感染するケースもあるそうです。
堀啓知キャスター)
重症化を防ぐためにも、予防ワクチンは有効ということですね。
◇《治療薬の供給停止も…》
堀内大輝アナ)
先日、治療薬に関する発表がありました
沢井製薬は、今月7日、インフルエンザ治療薬のジェネリック医薬品2種類について、想定を上回る注文があり、製造が追いつかないとして、供給を一時停止すると発表しました。
今月下旬から来月上旬の再開を予定しています。
ただ、治療薬は様々な種類があるため、現在、病院で薬を処方できないような状況にはなっていません。
堀啓知キャスター)
とはいえ、この先、薬不足にならないかという心配はありますが…。
堀内大輝アナ)
そうなると、大事なのは、インフルエンザもコロナも感染の予防です。
うがい、手洗いはもちろんですが、取材した『とよひら公園内科クリニック』の藤本晶子院長が勧める予防対策は、次の通りです。
◇《生活で心掛けたい予防》
・電車などの密閉空間ではマスクを着用し、なるべく会話をしない。
・できれば1時間に5分の換気をする。
・部屋を加湿 洗濯物を部屋干しすると十分効果があるそうです
堀啓知キャスター)
まもなく新学期が始まったり、さっぽろ雪まつりがあったり、人の交流が盛んになります。
例年、インフルエンザなどの感染が広がる時期でもありますから、自分でもできる予防対策を是非とっていきましょう。
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