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線路に進入、道路に三脚立てて撮影も…「だめだ、迷惑」マナー違反に住民困惑、オーバーツーリズムが深刻化「満足度と住民の負担感のバランスが大切」

北海道放送 / 2025年1月23日 21時15分

観光客による、線路内での写真撮影が大きな事故につながってしまいました。

◆線路で人身事故
23日午前11時半ごろ、北海道小樽市朝里1丁目のJR函館線の踏切近くの線路内で、61歳の中国人女性が、新千歳空港行きの快速エアポートと接触し、意識不明の状態で、病院に運ばれました。

警察によりますと、女性は事故の直前に線路内に入り、スマートフォンで海の写真を撮影していたということです。

現場の朝里駅周辺は、中国映画などのロケ地として知られていて、線路や踏切などに進入する観光客が後を絶ちません。

・近所の男性
「線路内に入って撮影する。遮断機が下りて『危ない』と言っても聞かない。何回も止まっている電車が」

◆車道の真ん中で写真撮影「危ないなんてもんじゃない」


一方、観光客による悩みは別の場所でも。

・堀内大輝アナウンサー
「常に車通っている印象です。すたすたと車道の真ん中に飛び出して短時間で写真を撮ると」

・地元の住民
「危ないなんてもんじゃない」

いきすぎた観光によってもたらされる事故や、地域への悪影響。オーバーツーリズムを「もうひとホリ」します。

◆映画「LoveLetter」のロケ地は「小樽で訪れるべき場所」
情緒豊かな港町が、多くの外国人観光客を魅了する小樽市。

小樽駅からクルマで数分の船見坂(ふなみざか)にもたくさんの人が。

・台湾からの観光客
「(どうしてここで写真を?)港の写真を撮りたい」

ここは、先月亡くなった中山美穂さんが主演した30年前に公開された映画「LoveLetter」のロケ地。中国や韓国でも有名で、「小樽で訪れるべき場所」としてSNSなどで注目が高まっています。

ルールを守る人もいますが、中には、事故につながりかねない行動も。

・堀内大輝アナウンサー
「車が来ないすきを狙って道路に出て写真を撮っています。3、4人でしょうかね。グループで写真撮影をしています」
「道の真ん中に三脚を立てて撮影している観光客がいますね。いま、車が曲がってきました。危ないですよ」

こちらのグループは、郵便ポストの上に荷物を置いて、撮影前の化粧直し。

・中国からの観光客
「遊びに来た。(道路が危険だと)知っているので、道の両側で撮影します」

その後、住宅街の中に移動すると、民家の前でポーズを取っていました。

ところが。

・中野修一カメラマン
「階段部分に荷物を置いていたようですね。住民の方に怒られています」

・近所の住民
「雪をかいて中に入ってくるんだから。だめだ、迷惑で」

危険な撮影や敷地への立ち入りをやめるよう求める張り紙も見かけますが…

・マレーシアからの観光客
「(ここで写真を撮るのは危なくない?)危険性はあるね」
「(黄色い紙に、気づかなかった?)そうだね」

・堀内大輝アナウンサー
「設置した柵を勝手に外して入ったり、中で弁当を食べたり、ドレス姿でウエディングフォトを撮影して帰る人もいるそうです。中には用を足して帰る人もいるそうです」

◆警察官が巡回…路線バスは増便
対策を強化しようという動きも。

・堀内大輝アナウンサー
「警察官が付近の見回りに来ましたね、近くの住民の方も警察に相談しているということです」
「なんかプラカードを持ってきた。なんだろう」

持ってきたのは、危険な撮影や敷地への立ち入りなどを警告する、看板です。

来週には、中国の旧正月「春節」が始まり、さらなる混雑が予想されるため、警察と地元の警備会社などが連携し、安全対策をより強める予定だと言います。

別なドラマでもロケ地となった「天狗山ロープウェイ」では、この長蛇の列。

・中国語を話す観光客
「ここは小紅書(中国のSNS)でとても有名」

この混雑で影響を受けたのが、地元の住民も使う路線バスです。

・中央バス観光開発 業務課 仲西拓磨さん
「すぐ下に高校があって、乗り切れないケースも多くみられた。一番混雑する時間帯にバスを増やしている」

停留所の周りなどで交通整理に当たる人員も増やし、安全確保に努めています。

地元の小樽観光協会は「観光客が来てくれることで、経済的な恩恵もある。観光客の満足度と地域住民の負担感のバランスが大切だ」とコメントし、行政と協力してオーバーツーリズム対策に取り組む考えです。

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